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Inachis io geisha
<分布> 北海道・本州(中部地方以北の高地)に分布する。本州では、三重・兵庫県、四国では香川県にも記録があるが、現在のところ分布の南西限は滋賀県伊吹山付近。
国外ではヨーロッパ西部からアムール・旧満州・朝鮮半島・サハリンなどのユーラシア大陸に分布し、ヨーロッパ産が原名亜種で、タイプ産地はスウェーデン。日本産は ssp. geisha Stichel とされるが、タイプ産地は原記載には記されていない。
<生態> 通常年2回、7月と8〜9月に出現する。高地・寒冷地では年1回の発生。
成虫は樹林周辺の陽当たりのよい草原地帯に棲息し、路傍や岩の上に好んでとまる。マツムシソウ・マルバダケブキ・アザミ類などの花で吸蜜し、汚物や腐果にも飛来する。越冬態は成虫で、家の軒・木の洞などで冬を越す。暖かい日には雪上にも姿を現す。越冬後の成虫は翌年6〜7月まで生存する。晩秋気温がさがると平地へ移動することがある。
<食草> カラハナソウ(ホップ)など(クワ科)、ホソバイラクサ・オオバイラクサ・エゾイラクサ・ムカゴイラクサなど(イラクサ科)、ハルニレ(ニレ科)が知られる。
<雌雄の区別> ♀は♂よりやや翅形がまる味を帯び、一般に大型である。正確な判定には、腹端・前脚の構造・頭部の大きさ(♂は♀よりも頭部が大きい)を調べるのがよい。
保育社「原色日本蝶類図鑑」(全改定新版)(4刷) 第53図版1. 247頁。
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