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Choaspes benjaminii
<分布> 本州(伊豆諸島を含む)・四国・九州(対馬を含む)・南西諸島に分布する。一般に暖地に多く、東北地方ではまれな種となり、青森県北部には分布しない。暖地でも八重山諸島では個体数が少ない。国外ではインド・シッキム・アッサム・ネパール・セイロン・ビルマ・インドシナ・中国大陸西部・台湾・朝鮮半島南部・マレー半島北部・スマトラに分布し、原名亜種はインド南部・セイロン産で、タイプの産地はインド南部。
<生態> 通常年2回(5月上旬〜6月中旬、7月上旬〜8月中旬)、高地では年1回といわれる。四国・九州では10月上旬、第3化と考えられる個体がみられる。奄美大島以南ではすでに3月中旬に姿がみられ、4〜5回の発生と推定される。成虫は渓流ぞいの樹林の周辺に多く、飛翔はきわめて敏速で、リョウブ・エゴノキ・グミ・ダイコン・ネギ・レンゲ・ヒヨドリバナなど多くの花に集まり、汚物で吸汁する。♂はひらけた地域や山頂を同じコースで飛び続ける独特の習性があり、空カンなど金属光沢のあるものに飛来することがしばしばみられる。越冬態は蛹または終齢幼虫(おもに暖地)。
<食草> アワブキ科のアワブキ・ミヤマハハソ・ヤマビワ・サクノキ(伊豆諸島)・ヤンバルアワブキ(八重山諸島)など。
<雌雄の区別> ♀は♂に比べて一般に大型で、翅形はやや幅広く、後翅表前縁〜外縁に広い暗色部があり、基半部と色彩に濃淡の差がある。♂の後脚けい節には長毛の束がある。
<変異> 本州〜沖縄諸島のものは ssp. japonica Murray(タイプの産地は日本とのみ記されている)とされ、八重山諸島のものは一般に前者より大型で、翅の色調が暗く、強く紫緑色に輝き、台湾亜種(ssp. formosana Fruhstorfer)とされるが、南西諸島北・中部地域のものにもこうした変化は認められ、変異は連続的と考えられる。
保育社「原色日本蝶類図鑑」(全改訂新版4刷) 第68図版1 309頁
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