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喧騒の中に・・
そっと・・置かれていた・・オルゴール
置かれていたと言うよりも・・
忘れ去られていた・・そのオルゴール
久しぶりに・・それを手にしてみる・・
そっと・・そっと・・手にしてみる
ふーっと・・息を吹きかけると・・
細かい・・年月を重ねた・・埃が・・
まるで・・季節はずれの雪を降らせるように・・
舞う・・舞う・・舞う・・
そして・・その・・オルゴールの脇に付いている
少し青い銅の錆が付いたねじを回してみる・・
カリカリと・・はじめは・・少し鈍い音をたてていた・・そのねじ
やがて・・その巻かれたねじが・・
まるで・・起された・・子供のように・・
息を吹き返していく・・
その巻かれた・・ねじのばねが・・
聖なる・・水のように・・
そのオルゴールに浸透していく
キーン・・コン・・
甲高い音が・・鳴り始めた・・
よくよく・・その鼓動に耳をすませて・・聴いてみる
キーン・・・
やがて・・その鼓動は・・しっかりとしたリズムを・・
刻み始めた・・
そう・・それは・・確かに・・
そう・・確かに・・
懐かしい・・子供の頃の・・思い出が・・溢れ始める・・
そう・・それは・・
「エリーゼのために・・」
やがて・・その音は・・
懐かしくもあり・・
また・・切ない・・
なんだろう・・何かの思いに自分を駆り立てる・・
まるで・・そっと・・しまっておいた・・何かが・・
自分の心を・・揺さぶるように・・
なにかが・・ゆっくり・・動き始めた・・
少し涙が・・頬を伝う・・
「エリーゼにために・・」
その・・オルゴールの言霊を・・どのくらい聞いたであろう・・
やがて・・そのリズムが・・スローテンポに・・
まるで・・螺旋階段をゆっくり下りていく・・昔の英雄のように・・
そんなテンポに・・
そして・・最後の・・音が・・虚しくも・・また・・悲しくも・・
そして・・達成感を引きずるように・・
そのオルゴールの・・
つめの・・最後の音が・・ピーン・・・と鳴り終る・・
やがて・・そのオルゴールを包み込むように・・
いつもの・・喧騒が・・鳴り響き始める・・
ふと・・現実に・・気づいたように・・
その喧騒がノスタルジックに始まりを告げ・・
現実の世界に引き戻される・・
そして・・尚も・・その喧騒の中に・・
置かれた・・そのオルゴール・・
しかし・・
今・・そこに見える・・オルゴールは・・
確かに・・先ほどの埃を被って・・
忘れ去られた・・オルゴールとは・・少し・・違ったように見えた・・
そのオルゴールの音色は・・自分の心の奥底で・・
何かを見つけ出すように・・
その「エリーゼのためを・・」スローテンポで・・
まるで・・ブルースでも弾くように・・
いつまでも・・いつまでも・・刻み続けていた・・
ALOHA
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