切手収集を楽しむ

昭和以降の切手(通常〜記念)をメインに、製造面の調査結果も紹介します。

2次動植物国宝

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全10ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]

[ 次のページ ]

イメージ 1

複数の前島1円タイプII(「1」の字低位置版)粗白紙の所持品より、この種類の一般的な色調を画像の下段に示します。
画像より、一般的なタイプII粗白紙の色調は茶色で、人物の背景は色むらが無く、右側が左側より少し濃いことが分かります。
一方、画像上段のシートより抜粋した銘10Bは、一部の粗白紙に見られる面白い特徴を有するものです。
画像より、色調は小豆色味茶、さらに面白いことにPos. 86-88 96-99の人物の背景の右側に不定形の濃い部分があることが分かります。
なお、これら右側の不定形の濃い部分は、所持品のシート及び銘10Bを構成する切手の大多数に存在しますが所持数が少ないため(このシート1枚と銘10B1枚)、原因はわかりません。

イメージ 1

画像上段は、Pos. 88に大きなリタッチのある前島1円タイプI大蔵銘10Bです。
この銘10BのPos. 99には、専門カタログで原乾版定常変種と分類されている「日」の中に白点が存在します。

追記
なお、画像下段に示すように、上記の大リタッチは無く、「日」の中の白点が有る銘10が存在することより、「日」の中の白点は原乾版定常変種である可能性はあると考えられますが、この定常変種に関する文献は未見ですので、ここでは確定できません。

イメージ 1

画像は粗白紙の銘10Bで、Pos. 86の右下に大きなリタッチが存在します。
このリタッチは、原乾版定常変種「額に黒点」(Pos.96)*が存在する粗白紙の実用版定常変種です。
* 「額に黒点」は、胴にリングと対になる実用版の原乾版定常変種

イメージ 1

以前、下抜き全型7つ孔の切手195線/銘版195線及び切手195線/銘版250線の比較を紹介しました。
https://blogs.yahoo.co.jp/rd2hd3/40262709.html
専門カタログには、逆二連1の切手195線/銘版250線の銘10B評価も掲載されていますので、所有品より紹介します。
画像に示すように、逆二連1の切手195線/銘版250線には、G1版、係数番号が5ケタ30番と40番の2種類があります。
係数番号位置が異なる他に色調も異なることより、5ケタ30番と40番では印刷ロットが異なる可能性が高いと考えられます。

イメージ 1

日本普通切手専門カタログ戦後・ステーショナリー編(以下、専門カタログと略記)には、第2次動植物国宝・グラビア印刷切手/銘版つき切手評価の一覧表にカモシカ8円のGG版およびGP版で製造された
銘版付切手の評価が新たに掲載されています。さらに、この表の注記欄あるいは製造面および詳細評価の解説と使い方には、GP版(実用版)はGG版の原乾版を使用して製造されたと記載されています。
ただし、専門カタログには、GP版の製造がGG版の原乾版から製造されたという根拠あるいは引用文献の
記載はありません。
なお、カモシカ8円GG版の実用版は、昭和29年3月*1にドイツから輸入されたゲーベルグラビア輪転機で使用され、製品の最初の出現は文献により少し異なりますが昭和29年8月(連続櫛型正一連2目打)*2
あるいは9月*3と言われています。
一方、印刷開始時期として、10月としている文献*1があります。

ところが、GG版製品の印刷開始時期より早い日付の櫛型印が押印されているGP版の特徴を有する
使用済みが複数ありますので紹介するとともに、GP版の製造がGG版の原乾版から製造されたとする
専門カタログの説を考えてみます。
なお、考察に当たって、文献*1が大蔵省印刷局監修であることを考慮し、ゲーベルグラビア輪転機の
印刷開始時期は10月を採用します。
また、画像の銘10B 2種の説明では、専門カタログの分類が正しいと仮定し、GG版およびGP版を使用
します。

画像の最上段は、GG版、正一連2目打、その下はGP版、普通櫛型目打の銘10Bです。
両方の銘10Bには原乾版定常変種Pos. 86首毛白抜け及びPos. 98「8」〜「便」の下に斜線(正一連2は
薄い)が存在します。
さらに、GP版普通櫛型のPos.98には「日」と「郵」の間に茶点が存在します。
ただし、この変種は、正一連2には存在しません。
実用版の異なる版も含めて複数の正一連2で、この定常変種が存在しないことを確認していますので、
この定常変種は、普通櫛型のみに存在する可能性が高いと考えています。

画像中段および下段は、GG版製品の印刷開始時期より早い日付の櫛型印が押印されているGP版製品の特徴を有する使用済み4種です。
これら4種の切手のインキの流れ方向は横であることを確認していますので、これらの切手は
板グラビア機で印刷されたと言えます。
画像の中段は櫛型印(静岡29.7.1)が押印された田型で、右上の切手には、Pos. 86首毛白抜けが存在
します。
そして重要なことは、この田型の使用月日が7月1日であり、GG版製品の印刷開始時期より3カ月以上早いことです。
この事実より、GP版の印刷がGG版の印刷開始より早いことが示唆されます。

画像の最下段は、Pos. 98「8」〜「便」の下に斜線および「日」と「郵」の間に茶点が存在する
使用済み単片3種です。
櫛型印のデータは画像左より新居浜29.1.1朝日、神田29.3.2?および渋谷29.4.?です。
なお、新居浜局の29年用図入り年賀印「朝日」は、29年3月および29年4月使用の消印が存在する
ことより、消印の誤使用ではなく、正規の29年封書年賀に押印されたことは間違いないと推定されます。
これら3種の切手の使用は、上記のGG版による印刷開始より6〜10ヶ月以上早く、特に29年図入り年賀印が押印された切手が存在することは、このGP版による板グラビア印刷が昭和28年に行われたことを示して
います。
ここで、専門カタログ記載の「カモシカ8円切手のGP版(実用版)はGG版の原乾版を使用して製造された」とする説を昭和28年の製造に適用し、製造方法を推定してみます。
(1)GG版の原乾版は、ゲーベルグラビア輪転機の輸入(29.3)より3か月以上前に製造された。
(2)カモシカ8円切手の製造が必用となったが、ゲーベルグラビア輪転機は輸入されていなかった
ため、GG版の原乾版からGP版の実用版を製造し、板グラビア印刷機で印刷した。
となります。
しかし、この製造方法は、板グラビア機が3機(3号機は28.4新設*4)も存在するにも関わらず
板グラビア版の原乾版の製造を行わず、まだ輸入されていないゲーベルグラビア輪転機用のGG版の原乾版を製造し、この原乾版から板グラビア機の実用版を製造するという不可解さがあります。
このことを考慮すると、画像の普通櫛型銘10Bおよび使用済み4種は、28年に行われていた通常の
板グラビア印刷の方法すなわち板グラビア版の原乾版から実用版を製造し、この実用版を使用して
板グラビア機で印刷したとする方が無理がないように考えられます。

以上の事実および考察より、板グラビア機およびゲーベルグラビア輪転機で印刷されたカモシカ8円切手において、同じ原乾版定常変種が存在する切手は、以下の製造方法で製造されたのではと考えます。
(1)画像の4種の使用済み及び普通櫛型銘10Bは、板グラビア版(P版)の原乾版より板グラビア版の
実用版を製造し、板グラビア印刷機で印刷した。
(2)画像最上段の正一連2目打、銘10Bは、(1)の板グラビア版の原乾版より輪転版用の実用版を
製造し、ゲーベールグラビア輪転機で印刷した可能性がある。
ただし、板グラビア版の原乾版からのGG版の実用版では、ゲーベルグラビア版の切手は板グラビア版の切手と同一サイズの切手を製造することはできないとの意見がありますが、この意見の根拠となるデータおよび文献は未見ですので、この意見の正否は分かりません。
従って、事実を解明するには、当時の製造資料の調査、印刷担当者あるいは当時の印刷事情に詳しい
印刷専門家の見解を聞く必要があると思います。

なお、新居浜29.1.1朝日の使用済みは以前にも掲載しました。
https://blogs.yahoo.co.jp/rd2hd3/23736005.html
この時には、詳細な考察はしませんでしたが、掲載意図は上記の考察と同じです。

画像は、右下の拡大ボタンを押してご覧ください。

引用文献   
*1 新版 切手と印刷、 P. 167
*2 現行切手収集入門、 P. 42
*3 日本切手の製造、 P. 25
*4 新版 切手と印刷、 P. 166

全10ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]

[ 次のページ ]


.
rd2hd3
rd2hd3
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
友だち(1)
  • xhrwn327
友だち一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事