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丁度いい時期なのかもしれないね。 もう長くはないだろう。 今年一番の寒波が東京を襲った前夜、 ラジオから井上陽水の「夢の中へ」が流れてきた。 ♪ 「探し物はなんですか?」 「見つけにくいものですか?」 「まだまだ探す気ですか?」 「それより僕と踊りませんか?」 退屈だからって石ころ蹴飛ばしてたあの頃とはちょっと違うんだ。 ボクはできるだけニュートラルに物事をとらえるように心がけるようになっていた。 いろんな立場がありその分いろんな意見がある。 つまりボクはこの風景が美しいのか美しくないのかということについて、できるだけたくさんの人の話を聞こうと心がけて実践してきたワケだ。 そんな風に世界と接する態度がROCKなのかと、ジョーカーはいつも真っすぐに詰め寄ってきた。 でも、ボクはできるだけニュートラルに物事を考えるように心がけてきたことを間違いだったとは思っていない。 ボクは少し大人になって、いくらかまともに世界と接することができるようになったんだから。 いや、世界ではなくて社会とまともに接することができるよになったんだから。 ボクは灰を目の前にして自問している。 確かなのは、ボクは確実に言葉を失っていっているってこと。 ボクは言葉を発するのにこれほどまでに不自由になってしまっていることを痛切に実感している。 もう長くはない状況の中で、ボクは言葉を取り戻すべきだという結論に思い至りつつある。 井上陽水は歌っている。 ♪ 「探すのをやめた時 見つかる事もよくある話で 踊りましょう 夢の中へ 行ってみたいと思いませんか?」 こんな詞が書きたかった。 ジョーカーがそう言っている。 大事な舵取りをする。 右に切るか左に切るか。 言葉をつかまえにいこう。
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