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「Yahoo!ブログ サービス終了」とのことなので、このサイトを引っ越しします。

新しいサイトは、

「新宿マンションカタログ」に続いて、Value-Serverでサーバーをレンタルしました。
ただ、「新宿マンションカタログ」は、「エコ」で契約していたので、MySQLが1個しか使えず、「スタンダード」を追加しました。
次の「エコ」の契約更新の際に「エコ」は更新せず、「スタンダード」の方で「新宿マンションカタログ」も「Good Life 〜不動産の教科書〜」も運用するようにします。

II.収益不動産編
ここから、収益不動産についても触れたいと思っています。
実は、不動産鑑定士は、収益不動産の専門家です。
少なくとも東京で不動産鑑定士をやっている人は、収益不動産のエキスパートです。

不動産鑑定士は、金融機関(ファンド等)の保有資産の時価や担保価値を査定する仕事をしているので、サラリーマン大家さん等ではない、プロ中のプロが保有する収益不動産を評価しなくてはならず、その査定の根拠について、金融のプロや公認会計士から厳しい突っ込みを受けることが多いです。

先日も、ある収益不動産の鑑定書を出したところ、そこの会社の公認会計士から、
総収入の査定根拠をご教示下さい。
(例 実績の平均値、稼働率・入居一時金・月額利用料・駐車場収入の予測 等)
賃料の下落率の計算根拠をご教示下さい。
(例 地域の実績、将来シミュレーションで使用したデータ 等)
各項目について、採用した数値の根拠をご教示下さい。
(例 空室率、大規模修繕費用、還元利回り(割引率) 等)
一時金の運用益の計算根拠をご教示下さい。
等々の指摘を受けました。
#この他にこの不動産固有の指摘が10個ほどあります。

つまり、前回も触れましたが、不動産鑑定士はその不動産の価格が形成される過程・根拠について、すべて説明できなければならないのです。
#考え方の違いによっても数字は変わるので、査定額は鑑定士によって変わりますが、それぞれの価格の根拠については説明できるはずです。

収益不動産の場合、一番大切なのは、その時点の価格(数字)ではなく、将来をシミュレーションした上で導き出される“採算性”の筈です。
将来のシミュレーションをしないで収益不動産を購入するのは、無謀とまでは言わないですが、大きなリスクを孕むことは間違いがないと思います。

「不動産投資」を謳う本を読んでいて、一番疑問に思うのが、耐用年数を過ぎた築古木造アパートの減価償却の箇所です。
何冊か同じようなことが書いてあったのですが、
減価償却では、築古木造アパートがお勧め。法定耐用年数を超えた木造アパートなら、4年間で減価償却できる。
というものです。

これ、減価償却の方法論には全く異存はないのですが、こんな物件、簡単に見付かりますか?
大抵、法定耐用年数を超えた建物と土地値を50:50で見積もり、一体で8,000万円の物件を買えば、建物は4,000万円なので、買ってから4年間、毎年1,000万円の減価償却費を落とせる、と謳っています。

でも、耐用年数を過ぎた木造の建物と土地値が同じって、どんだけ土地値の安いところだよ、って思いますし、仮に土地値の安いところだと、空室リスクが大きいですよね。

売買の際に、売主さんと交渉して建物価格(比率)を高くしてもらう、という話もありますが、行き過ぎた建物価格は税務署から否認されますので注意が必要です。
#数千万円程度までの物件なら、そんなに厳しく指摘されないという話も聞きますが。

収益不動産も、購入するのであれば、不動産鑑定士等の専門家のシミュレーションを入れることをお勧めします。
仲介業者さんのシミュレーションは、賃料収入がほとんど下落しない等の不自然なものが多いです。
第三者の視点でのシミュレーションをしてもらってから、購入の是非を判断するべきでしょう。

不動産鑑定士とは

今回は、番外編として『不動産鑑定士』とは何なのかをお話ししたいと思います。

1.不動産鑑定士
「日本不動産鑑定士協会連合会」のページに、
-----------------------------
不動産鑑定士は、地域の環境や諸条件を考慮して「不動産の有効利用」を判定し、 「適正な地価」を判断します。つまり、不動産鑑定士は、不動産の価格についてだけでなく、不動産の適正な利用についての専門家でもあります。
-----------------------------
という説明があります。
今一つ分かりにくいので、少し下世話な面も含めて説明したいと思います。

(1) 不動産鑑定士という資格の難易度
不動産鑑定士』という資格を取るには、不動産業界では最も難易度の高い試験に通る必要があります。
どのくらい難しい試験なのかというと、
公認会計士試験と単位交換ができる。(“格”としては公認会計士試験と肩を並べる。)
働きながら勉強して合格、というのは難しい。合格に必要な勉強時間が、2,000〜5,000時間と言われている。
試験が「論文式」(一科目は短答式)。ボールペンで、ひたすら書きまくる必要があります。

例えば、民法の問題の例を挙げると、
-----------------------------
【問題】
Bは、A所有の土地を賃借し、その土地に木造アパートを建て、これらをCに賃貸して引き渡した。これを前提にして次の問(1)及び(2)に答えなさい。
(1) Aは、CらがAの承諾を得ないで本件土地を利用していることを理由として、A・B間の土地賃貸借契約を解除することができるか?
(2) 本件建物は、建築から数年後にBの雇った管理人の過失によって全焼し、Bは直ちに同様の建物を再築した。この場合の[1]A・B間の土地賃貸借契約関係及び[2]B・C間の建物賃貸借関係の帰趨について論じなさい。
-----------------------------
というもので、このような問題が民法の試験として2問出ます。
解答用紙は、
イメージ 1






















のような、B4横書き25行の原稿用紙が1科目につき4枚配布されます。なので、1問につき、2枚で解答することになります。
この原稿用紙を前にして、「事例分析」を行い、「論点」に漏れがないか抜き出した上で、論点ごとに答案を構成していきます。
宅建やマンション管理士等他の試験の民法とは、試験の構造が異なるので、〇倍難しいとか倍率で比較できないほどレベルの差があります。

この試験の難しさは、再取得するのが難しいため、業法違反をする気をなくさせるのに充分です。(私も、もう一度あの試験を受けるのは、絶対に嫌です。受かる気もしません。。。(^o^))

(2) 不動産鑑定士の人数
不動産鑑定士』の登録数は、全国で8,300人ほどです。
※宅建士は、この100倍以上、全国に100万人以上います。
難易度の高い資格なので、ただでさえ人数が少ない上に、公示価格や路線価等の公的な仕事に携わる人が多いので、エンドユーザー(最終消費者)向けにその知見を還元している不動産鑑定士は非常に少ないのが現状です。

(3) 不動産鑑定士の知見
不動産鑑定士』は、「不動産とは何か?」というところから勉強しています。
ここを突き詰めると非常に長くなってしまうので、簡単に宅建士と比較しますと、宅建士は「今、マーケットにある不動産」の取引についての資格です。
不動産鑑定士』は、そもそもその不動産はどのような不動産なのか?から評価します。地盤や建物の構造、権利関係等を勘案して、その取引価格に見合うだけの価値のある不動産かどうかを判断します。

以上のような、エンドユーザー(最終消費者)のお役にも立てる筈の資格なのですが、知名度がビックリするくらい低いです。
商店街では、「宅建より下でしょ?」と言われたこともあります。
よく聞く名前の方が上だと思っちゃうんでしょうね。

不動産鑑定士』をもっと身近なものにしていきたいと願っています。

4.不動産を買うタイミングに損得はあるか?
前回、「買い替えを前提とする場合」では、『最初の1軒』を買うタイミングは結構大事だ、という話をしました。
では、どのような指標を見れば、そのタイミングが分かるでしょうか。

(3) タイミングを判断するデータの見方
買うことを慎重になった方がいい、というのは持ち家を売ろうとした際に「住宅ローンの残債が、不動産の売却価格より多い」という状況だけは避けたいからです。

不動産の相場が天井か否かを知るには、どんなデータを見ればいいのでしょうか。

A.不動産の相場
一つ目は、不動産の相場です。
イメージ 1

このグラフは、(株)東京カンテイの「中古マンション70㎡換算価格」のデータです。
リーマンショックで一時的に落ち込んだものの、この5年で急上昇していることが分かります。

これだけ急上昇すると、この勢いでずっと価格が上がり続ける訳はないと誰でも気付くと思います。
現に、2〜3年前から価格上昇率は鈍化しています。

しかし、高度成長期に不動産の価格が基本的には上昇をしていても、購買力がついてきたように、価格が上昇しても“買えれば”問題ないんです。

B.年収倍率
そこで必要となるのが「年収倍率」という考え方です。
イメージ 2

これは、文字通り、新築マンションの価格が年収の何倍か、ということを表しています。グラフは、(株)東京カンテイの「新築マンション年収倍率」にある東京都の数値です。

昔も今も、不動産の一番の“買い手”は、エンドユーザー(一般消費者)です。
つまり、エンドユーザーが買ってくれると、不動産価格は上昇し、エンドユーザーが買ってくれなくなると、不動産価格は下落します。

では、エンドユーザーが買ってくれなくなるのは、どのポイントかというと、一つの目安としては『年収倍率10倍』の線です。
#あくまで目安なので、他の要素も考えないといけないですが、考慮する比率としては、かなり重要な位置を占めるデータだと思います。

年収倍率が10倍を超えると、不動産価格がエンドユーザーの手に届かない価格になっている可能性が高くなり、不動産を買う層が限られてしまうことを意味します。

バブルの頃も、年収倍率が10倍を超えた状況で、地価が下がるよりも先に都心部では人口が減少し始めていました。
都心部の不動産は、エンドユーザーの手に届く価格ではなくなっていたのです。
その後、金融引き締めや総量規制によってバブルは崩壊するのですが、年収倍率が10倍を超えた状況が続く方が異常だったのだと思います。

なので、年収倍率10倍』を超えている間は、不動産を買うタイミングとしては慎重になった方がいいでしょう。

4.不動産を買うタイミングに損得はあるか?
前回まで、主に物件の見分け方について書いてきました。
この章では、現在は「買い時」なのか否か、その見分け方についてお話しします。
ただ、考え方が「終の棲家を買う場合」と「買い替えを前提とする場合」で異なります。

(1) 終の棲家を買う場合
これは簡単で、『買うべきタイミングはありません。買おうと思ったとき、子供ができた、子供が大きくなった、そのタイミングで買えばいいと思います。
将来、売却することをほとんど考慮しないのであれば、その時点でいいと思える物件を購入するのが一番“幸せ”です。

この場合で気にしないといけないのは、住宅ローンの返済率に余裕を持つことくらいです。

(2) 買い替えを前提とする場合
先にも述べましたが、「マンション」には完全な所有権がなく、建替え等が難しいため、買い替えを前提にすることをお勧めしています。
その場合、最初の1軒の買うべきタイミング』というのは、やはり多少は考慮しないといけないのかなと思います。

イメージ 1
この図は、不動産の相場が上昇したり下降したりすることを表しています。
「買い替え」ということは、その決断をした時期の市況によって、
[相場が高いとき] 現在の住まいは高く売れるが、新居も値が張る。
[相場が安いとき] 新居は安く買えるが、現在の住まいも安くしか売れない。
ということになります。
要は、買い替えに相場はあまり関係ない、ということです。
#流動性に劣る物件でないことを前提にしますが。

ということは、最初に購入するときの相場は結構大事、ということになります。
相場が高い時に買うと、相場が安い時の買い替えが難しい場合があります。
住宅ローンの残債が、不動産の売却価格より多いと、追加での資金拠出が必要となる場合があります。

そう考えると、いくら「買い替えに相場はあまり関係ない」とはいえ、相場の天井で『最初の1軒』を買うのは慎重になった方がいいでしょう。

→ 次回、「タイミングを判断するデータの見方」

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