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医師の治療を受けた患者が死亡した場合、第3者組織が死因究明に当たる制度の創設に向け、厚生労働省の検討会が20 日、始まった。国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会になぞらえ「医療版事故調」とも呼ばれる。
厚労省は2010年の導入を目指し、医療不信の解消に期待するが、刑事訴追との兼ね合いなど不透明な部分は多い。
患者、医師、捜査当局の思惑も交錯し、実現までに曲折がありそうだ。
▽スピード感
「患者、医療関係者から大きな期待が寄せられている。スピード感を持って検討を進めたい」。20日午後、検討会初会合の冒頭で、松谷有希雄・厚労省医政局長は決意を口にした。
制度化への動きが加速したのは昨年2月、福島県立大野病院で産科医が逮捕、起訴された事件がきっかけだった。04年12月に妊婦が帝王切開の末に大量出血して死亡。産科医は、適切な処置を怠った上「異状死」として警察に届けなかったとして業務上過失致死と医師法違反の罪に問われ、公判中だ。
「患者の取り違えや投薬ミスなどと異なり、胎盤が癒着した非常に難しいケース。当たり前の医療行為が捜査対象になるのなら、難しい手術はできなくなる」と日本医師会の幹部。"聖域"への司法介入に反発した医療団体は第3者による死因究明の制度化を求め、厚労省は昨年6月、警察庁、法務省と本格的な協議を始めた。
▽線引き
厚労省が今年3月に公表した素案は
(1)都道府県などに臨床医や解剖医、法律家からなる「調査・評価委員会(仮称)」を組織
(2)委員会が必要に応じ、解剖やカルテ調査をし、関係者の聞き取りを実施
(3)報告書を当事者に交付して公表
-などの内容になっている。
だが、どのようなケースを対象にするのかは不明確。また、医師法が規定する警察への異状死届け出義務と、「事故調」への届け出との関係もはっきりしない。
「これまで医療事故はカルテなどの証拠保全をした後は鑑定医に任せきりだったので、第3者が中立、公正に判断してくれるのはありがたい。専門家が因果関係を判断し、われわれが引き継ぐことができればベストだ」。警察庁幹部は報告書を捜査の参考にすることを念頭に制度化を歓迎するが、「どこまで『事故調』に届け出るかという線引きは一番難しいだろう」とみる。
▽半歩前進
一方で、報告書が捜査に利用されることになれば、医療関係者が口をつぐみ、真相究明が困難になるとの指摘があり、北里大医学部の海野信也教授(産婦人科)は「そもそも通常の治療で死亡するケースは、警察の捜査にはなじまない。『事故調』への届け出対象は、遺族がどうしても納得できないケースに限定するべきだ」と言う。
「事故調」は医療事故の遺族に、どのように映るのだろうか。
「医療機関は不利なものを隠し、医師は仲間同士でかばい合う。第3者組織といっても医師が主体となる調査には限界があるのではないか。そういう意味では『半歩前進』という程度だ」。
義母の死亡をめぐって民事訴訟を起こした市民団体「医療過誤原告の会」(東京)のメンバー、高橋昭三さん(60)は「『事故調』に遺族が推薦する医師を加えたり、報告書作成までの経緯をつぶさに公開したりしてほしい」と注文を付けた。
(共同通信社、2007年4月23日)
そもそも制度化への動きが加速したのは昨年2月、福島県立大野病院で産科医が逮捕、起訴された事件が原因である。
医療という"聖域"への司法介入に反発した日本医師会は第3者による死因究明の制度化を求め、厚労省は昨年6月、警察庁、法務省と本格的な協議を始めた。
つまり、警察沙汰を嫌がった医師会が起こした行動がキッカケである。
何故、医師会は警察による捜査を嫌がるのであろうか?
それは、自分達がコントロールし難いからではないだろうか。
第三者機関といっても、医療という専門性の高い分野に関する問題であるから、専門家である医師の出番は必ず有る。そこに医師会から「専門家」として医師を送り込めば、医療事故を起こした医師や病院の不利益を最小限に出来る可能性があると考えているように思える。
だからこそ、市民団体「医療過誤原告の会」のメンバー、高橋昭三さんは「『事故調』に遺族が推薦する医師を加えたり、報告書作成までの経緯をつぶさに公開したりしてほしい」と注文を付けているのであろう。
警察の捜査が無くなった事で、真実が明らかにされなくなるのを恐れているのであろう。
それ故に、今回の報道でも「医療機関は不利なものを隠し、医師は仲間同士でかばい合う。第3者組織といっても医師が主体となる調査には限界があるのではないか。そういう意味では『半歩前進』という程度だ」としているのではないだろうか。
ここまで信用されていない医師の現実を、現場の医師や、医師会の幹部はどう思っているのであろうか。
一部の、患者の為に激務に耐え、医道に邁進し、地域医療に尽力されている「心ある医師達」は悲しく思っていることであろう。
しかし、度重なる薬害、医療過誤、そして医師による診療報酬不正請求や脱税、患者への暴力や性的犯罪行為などが報道されて、医師の行為によって医師の信頼が崩壊したのである。
報道のあり方にも問題はあろう。
しかし、医師が起こした問題が先ず原点にある事を忘れてはならない。
一部の医師の行為で、約25万人の医師が同列に判断されては迷惑であろう。
だが、国民の目は既に厳しくなっているのである。
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よろしくお願いします。
2008/2/21(木) 午前 0:42 [ 伊右作 ]
お。再開されたのですね。runabout_248、またはneo_vital。今日はサブアドでペンネームの江古田潤です。事故調、いや、拙著では医療専門の検察官を導入せよ、との記載があります。医学、法学、政治、すべて盛り込みました。ブログ読者には格安で販売しております。
2014/4/2(水) 午前 6:30 [ jun*ek*da_*11* ]