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広がるメディアドクター 専門家の「診断」公表 「メディア2007」医療記事を客観評価
新聞などの医学記事を、専門家の目で「診断」する-。こんな「メディアドクター」の動きが豪州や米国、カナダで広がりつつある。
医学・健康記事は、読者の関心がもっとも高い分野であると同時に、直接生命にかかわることもある。しかし、記事の根拠について、読者が確かめる手段はほとんどないのが実態-。そんな問題意識が、メディアドクターの背景にある。
インフルエンザ治療薬「タミフル」投与の影響、関西テレビの「発掘!あるある大事典II」の捏造(ねつぞう)などで揺れた国内でも、記事診断の試みが始まった。
▽10項目で評価
取り組みがもっとも早かったのは豪州。公衆衛生の研究所が2004年、医師や記者による評価をスタートさせた。
国内の主要メディアがウェブサイト上で報じた記事を対象とし、評価結果を記事発表後2週間以内にホームページに掲載。読者からの追加コメントも受け付け、記事に対する批判をメディア側にフィードバックできるようにした。
10項目の評価項目からみて、記事が適切かどうかを採点。
項目は、
(1)治療の新規性
(2)実際に治療が受けられるかどうかという治療アクセス
(3)治療コスト
(4)必要以上に不安をあおっていないか
(5)科学的根拠の質
(6)副作用など治療の弊害
-などで、それぞれについて、評価者が「満足」「不満」「評価対象外」をチェック。
「満足」の獲得割合で評価し、結果は星の数で表し、最高ランクは5つ星となる。
▽関心まだ限定的
これまでの判定では、比較的満足度の高い評価が付くのは、「あおり」「新規性」「報道資料への依存」などの項目。半面、「コスト」や「弊害」では満足度は高くなかった。
また、インターネットだけで記事を流すオンライン媒体は活字媒体に比べて満足度が低い。記事の長さが限られる上、時間に追われて十分に調べることができないまま書かれたとの指摘もある。
こうした動きは06年にはカナダ、米国へ波及。対象は、医療機器やサプリメントなどを扱った記事にも拡大。米国では「タイム」など週刊誌の記事もチェックされる。当初は医師だけが評価していたが、記者も加わるようになった。
ただ、大学や研究機関の間で関心は呼んでいるものの、一般読者の反応はまだ限定的だというのが現状。情報の広がりがこれからの課題だ。
▽立場の違いも
日本ではことし、東大が主催する医療政策を考える社会人向けセミナーに参加する23人が評価者となって「実証実験」が行われた。
取り上げた記事は12本。大豆イソフラボンの効能や、患者に優しい検査法、更年期障害の新たな治療法など乳がん関連の記事で、生ニュースに限らず検証記事や特集も含んでいる。
評価者の構成は医師と医療担当記者がほぼ半々。最高の星5つはなかったが、5本は星4つの評価。
ある記事をめぐり、医師が「科学的根拠のない記事は書くべきではない」と批判したのに対し、記者サイドからは「(根拠の)数字ばかりの記事は読者に好まれない」と応じるなど、立場の違いを際立たせる議論もあったという。
同セミナーのスタッフで医療ジャーナリストの埴岡健一さんは「メディアドクターは医療とジャーナリズムの質の底上げにつながると思う。有志が集まれば誰でも評価できるので、まずやってもらいたい」と今後の動きに期待している。
(共同通信社、2007年4月24日)
こうした報道、記事などの情報をチェックする事は、いい加減な情報や、インチキ情報などを見つけ出して、一般市民・患者などが洗脳されたり、悪い影響を受けたり、不安に陥れられたりすることを防ぐ上で意味があるであろう。
但し、問題点も無い訳ではないようだ。
先ず、膨大な量の医療・医学関連情報が、本、雑誌、TV、ラジオ、インターネットなどの様々な媒体で流れているが、それを全て網羅出来るのか、ということ。
また、上記の記事の中でも出てきたが、医師と記者などの立場の違いによる考え方の差をどうするのか、ということ。
特に、医師が「科学的根拠のない記事は書くべきではない」と批判したようだが、その医師のいう科学的根拠の定義はどこから来ているのか、そして、科学的根拠は必ず正しいという根拠があるのか、などといった点も議論されなければならない。
何故なら、このブログの「西洋医学について」の書庫を読んで頂くと理解できるように、医師が行っている医学そのものでさえ、「15%程度しか科学的根拠に基づいていない」という報告があるからである。
また、特に日本の場合、医師の権限や社会的地位が突出して高く、医師は西洋医学のことしか知らないにも拘らず、東洋医学やカイロプラクティックなどの補完代替医療についても「西洋医学の視点」で判断し批判することも大問題である。
特に一部の医師は「西洋医学絶対主義・原理主義」に陥っており、西洋医学以外の医学や医療を一切認めようとしない者もいる。そして根拠のない批判や非難を「医師の立場」で行っている。
アメリカの例で紹介すると、クワック・ウォッチ( www.quackwatch.org/ )や、カイロベース( www.chirobase.org )などのインチキ医療糾弾サイトを運営している医師のバレットMDが典型的な例であろう。
このバレット医師のクワック・ウォッチというインチキ医療批判サイトは特に有名で、医師が運営しているという事で信じられ易いのか、日本でも「健康情報の読み方」というホームページを運営している医師が、クワック・ウォッチを海外のインチキ療法を紹介するページとしてリンクし、紹介しています。
しかし、このバレット医師は客観性がない独善的な判断で、西洋医学以外の医療をカイロプラクティックであれ、鍼灸であれ全て「クワック(いんちき)」と決め付けています。批判自体に科学性がありません。その結果、しばしば訴訟を受けたり起こしたりする事となり、これまでのところ全敗しているようです。
最近では、カイロプラクティック医師のコレンDCとの裁判で敗訴しています。訴訟は2002年にペンシルバニア州でファイルされ、Court Case No.: 2002-C-1837で判決は2005年10月13日です。そんなバレット医師の運営するクワック・ウォッチというサイト自体がクワック(インチキ)と言わざるを得ません。
そもそもアメリカでは、カイロプラクティックは連邦政府から認められた正規の医療であり、全米50州で免許されています。アメリカ医師会(AMA)がカイロプラクティック排斥運動を行って、カイロプラクティック医師(DC)との間で訴訟が起こり、アメリカ医師会の全面敗訴が確定して以来、カイロプラクティックをインチキとする考え方は否定されたにも拘らず、未だにそれを認めない医師がいるのが驚きです。
それ程までに医療を独占したいのでしょうか?
これはキリスト教という唯一絶対の神を信じる考え方が影響し、西洋医学を唯一絶対の医学と信じているのでしょうか?
しかし、そんな医師の希望とは裏腹に、アメリカでは医師の診療を受ける患者数は横ばいであるのに、カイロプラクティックや鍼灸など補完代替医療を受ける患者数は急増しています。
この結果は、医師や西洋医学を否定しているのではなく、それで救えない患者が現実にいて、補完代替医療で救われている、という事を示しているのです。
西洋医学だけでは全ての患者を救えないのです。
それは全ての医学や医療に共通するものです。
完璧で完成された医学も医療も存在しないのです。
科学ですら99.9%は仮説であるという東大卒で、カナダの博士号を持つ科学者もいる位です。
ですから、医師(MD)だけで、全ての医学・医療のことが正しく判断出来るとは言えません。
従って、健康・医療の情報を客観評価するメディアドクターのメンバーには、西洋医学の医師(MD)だけでは不十分であり、東洋医学の医師(中医師)や鍼灸師及び鍼灸学博士、カイロプラクティック医師(DC)など、様々な専門家が同じ立場で議論に参加しなければ公正な評価は期待出来ないでしょう。
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ネット上の情報、発信者の身元や信用度が計り切れない情報ソース、受け手の判断力や判断材料など試される気がします。物には常に表裏があるわけで、表裏を統合して判断したいと思いました。
2007/4/28(土) 午前 1:02 [ 森羅・bang-show ]
森羅さん>まったく、その通りです。情報の出所(文献・論文)がハッキリしているのか、情報発信者は誰なのか、目的は、など注意すべき事は沢山あります。最後は自分の責任で情報を利用するかしないかを判断することになります。
2007/4/28(土) 午後 2:33 [ Realmedicine101 ]