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カテーテルで動脈損傷 群馬大医学部付属病院で
群馬大学医学部付属病院は2日、女性患者にカテーテルを挿入する際に動脈を損傷させ、大量出血により死亡させる医療ミスがあったと発表した。石川治院長が記者会見してミスを認め、「一人の命が奪われたことは残念で、ご家族に深くおわびします」と謝罪した。
病院などによると、死亡したのは群馬県桐生市の60代女性。入院後に摂食障害や意識障害が生じたため4月27日、栄養管理などのため主治医の30代の女性医師が直径2ミリの「中心静脈カテーテル」を右あごの静脈に挿入した。
間もなく、肺からの出血で血を吐くなど容態が急変し、血圧低下で呼吸困難になり、約7時間半後に死亡した。
病院は「動脈を損傷した可能性が高い」として同日中に前橋署に「異常死」として届け出た。遺族にも説明・謝罪した。
処置は「内科、外科問わず日常的な操作」だが、カテーテル挿入時、女性の意識がもうろうとし、体を動かすなどしたため、看護師ら3人も補助したという。
石川院長は「動脈の位置を確認するのにエコー検査を用いるなど、より安全な方法を実施したい」と述べた。
(毎日新聞、2007年5月2日)
群馬大学医学部付属病院(前橋市、石川治病院長)は2日、栄養補給のため頸(けい)静脈から中心静脈カテーテルを挿入された、60歳代の女性入院患者が4月27日、大量出血で死亡したと発表した。
カテーテルが静脈を破り、鎖骨付近の動脈を傷つけた可能性があるという。
病院は女性の遺族に経緯を説明して謝罪。病院からの届け出を受けた前橋署と群馬県警捜査一課は業務上過失致死の疑いで捜査に乗り出した。
同病院によると、女性は意識障害や摂食困難があり、主治医の30歳代の女性医師が同日、看護師ら3人の補助でカテーテルを挿入した直後に出血し、約7時間半後に死亡した。
中心静脈カテーテルは直径約2ミリの管で、口などから十分に栄養補給できない場合などに使われ、通常は頸静脈から心臓近くまで管を通すという。
2日に記者会見した石川院長は「誠に残念。カテーテルを挿入する際のより安全な方法を院内で統一し、徹底する」と述べた。
(読売新聞、2007年5月2日21)
残念な医療事故がまた起こってしまった。
カテーテルを挿入する際に動脈を損傷させ、大量出血により患者が死亡したというものだ。
原則として理解しておきたい事は、医師は患者を救う為に医療行為をしたが、残念な結果に繋がるミスが起こったという点である。
患者は60代女性であるから、平均寿命まで20年ほどもある壮年期である。
しかし、体調を崩して入院した後に、摂食障害や意識障害が生じた。
この時点で、病気の種類や進行度合いは分からないが(報道されていないので)、摂食障害や意識障害を放置すれば、やがて衰弱し死に至ることは容易に予想される。
従って、栄養管理などのためにカテーテルを静脈に挿入することは、患者を救う為に必要な医療行為であったと考えられる。
ところが、カテーテル挿入時、女性の意識がもうろうとし、体を動かすなどしたため、看護師ら3人も補助したものの、動脈を傷付けてしまったようである。
これを医療ミスとするのか、不可抗力とするのかは、大変微妙なところであり、患者と医師・病院の信頼関係などにより、今後の展開は変わってくるであろう。
群馬大医学部付属病院は石川治院長が記者会見してミスを認め、「一人の命が奪われたことは残念で、ご家族に深くおわびします」と謝罪している。
ミスを認めて謝罪することは、簡単なようで難しい側面もあり、隠さずに発表して謝罪を表明したことは評価されてよいであろう。
但し、患者さんのご冥福を祈りつつ、こういったケースから原因を追究して再発防止に努め、医師の教育や再教育に役立てて頂きたいと思う。
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