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デスク席:「牛乳有害説」の根拠 /北海道
「牛乳有害説」に牛乳研究者や業界が反発しているらしい。
「科学的根拠がない」として批判の矛先はベストセラー「病気にならない生き方」の著者、新谷弘実氏に向けられている。
新谷氏の主張は外科医としての臨床経験から観察した「現象」を根拠にしている。
それによると、牛乳を含む動物性食品を多食する人ほど胃相・腸相が 悪いという。
その原因を科学的に説明し切れていないとしても、現象それ自体は揺るがない。
「なぜ?」の科学的解明はさまざまな分野の学者たちの仕事のはずだ。
現象を指摘した医師を責め立てるのはお門違いだろう。
「食の欧米化」がもたらした動物性食品の過剰摂取が日本人の病気を増やしたことに疑いの余地はない。
牛乳だけを例外扱いできるのだろうか。
国が作成した「食事バランスガイド」には牛乳の1日摂取量の目安は180CC、チーズをひとかけら食べたら90CCとあり、国も抑制的な摂取を推奨していると読める。
JR札幌駅のカフェで「駒ケ岳牛乳」「山川自然牛乳」「おこっぺ牛乳」などを嗜好品(しこうひん)として私は時々飲んでいる。
安売り牛乳とは似て非なる、生産者の良心が結晶したような牛乳だ。
このような良質の牛乳を少しだけ飲むのもいけないとは新谷氏も言っていない。
輸入飼料に依存し、大量生産・大量消費を前提にした酪農に警鐘を鳴らしたのが「牛海綿状脳症」ではなかったか。
その反省はなされたのか。
そのことの方が私は気になる。
(毎日新聞社、2007年6月21日)
この記事を読んで共感を覚えた。
西洋医学は近年特に「科学的根拠に基づく医療(EBM)」などと科学的根拠をやたらと振りかざしている。
しかし、西洋医学の医学的処置の僅かに15%程しか科学的根拠に基づいていないという研究結果が発表されるなど、西洋医学そのものさえ科学的根拠に乏しいのが実情である。
勿論、科学的根拠に基づく医療が望ましい事であるという点には異論はない。
だが、人類も持つ「科学」がまだ未完成であることから、その人類がいう「科学的根拠」には自ずと限界があり、絶対の信頼性は残念ながら無いのである。
21世紀の現在でも、医学部で用いられている西洋医学の教育の為の教科書や参考書を見れば、如何に「原因不明の病気」や、「治療法が確立されていない病気」が多いかが分かる。
「医者は分からないまま薬を出していたのか」と一般の国民や患者は驚くことであろう。
現在の「科学的根拠に基づく医療(EBM)」で、科学的根拠があるとされているのは、医療全体から見れば僅かであり、また科学的根拠が判明しているのは単純でつまらないモノが殆どであると言われている。
本当に重要な事、病気の真の原因などは、まだまだ科学的には解明されておらず、科学的根拠がない状態である。
その意味では、「科学的根拠がない」という事に拘り過ぎれば、医療は出来ないし、また物事の本質を見失う可能性すらある。
それを考慮すれば、記事にある「新谷氏の主張は外科医としての臨床経験から観察した「現象」を根拠にしている。それによると、牛乳を含む動物性食品を多食する人ほど胃相・腸相が 悪いという。その原因を科学的に説明し切れていないとしても、現象それ自体は揺るがない。「なぜ?」の科学的解明はさまざまな分野の学者たちの仕事のはずだ。現象を指摘した医師を責め立てるのはお門違いだろう。」というデスクの意見に同意できるものだ。
西洋医学は「異端」を嫌う。
主流と異なる考えを提唱して、非難され馬鹿にされ潰される医師も少なくない。
だが、大切なのは医学界の主流かどうかではなく、真実は何かということだ。
今後の進展が期待される。
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