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健康食品:摂取で中毒!? アガリクスで肝機能障害/キトサンで肺炎… 被害例出版
◇筑波大名誉教授が出版
健康やダイエットへの関心が集まる中、健康食品や漢方薬などによる健康被害例を集めた「健康食品中毒百科」(丸善、2940円)を中毒学の第一人者の内藤裕史・筑波大名誉教授(75)が出版した。内藤さんは「健康食品や生薬、漢方薬は西洋医薬と違い副作用がないと一般に信じられているが、影の部分もしっかり見つめて付き合ってほしい」と訴えている。
学術雑誌に発表された計1085本の論文から引用した国内外の健康被害事例を分析し、
▽やせ薬
▽健康食品
▽漢方薬・生薬
の3分類で計56項目にまとめた。
内藤さんによると、健康被害に共通するのは
(1)少量なら無害な成分も、錠剤などで大量に摂取することで被害を招く
(2)安全だと信じてとり続け、被害が深刻化する
(3)栽培、抽出、製造過程で混じる不純物(重金属など)が悪く働く場合もある、
といった点だ。
ダイエット目的で植物のアマメシバを摂取した女性に重い呼吸器障害が多発したケースや、テレビ番組で「やせる」と紹介され、まねた女性に下痢などの被害が続出した白インゲンなどは、「自然のものは体にいい」という思い込みが招いた被害の典型だという。
この他にも、アガリクスを飲んだが肝機能障害になった▽エビやカニの甲羅からとれるキトサンを摂取した喫煙者が肺炎を起こした▽ウコンを摂取した肝硬変患者が症状を悪化させて死亡した??など、具体的な被害例を数多く紹介している。
被害の有無や程度は体質や摂取量、製品の品質などに影響されるため、一律に評価できない。このため、「信頼度の高い文献から、被害の実例を幅広く、正確に集めた」(内藤さん)という。
内藤さんは「どれだけ健康被害が出ているか立ち止まって考え、注意しながら付き合うべきだ」と警告する。
(毎日新聞社、2007年2月14日)
近年、西洋医学の医薬品の副作用や健康被害については、ある程度の知見があり、報道などによって一部は一般にも知られるようになった。
しかし、健康食品などの補完代替医療については、研究論文などが製造販売元の会社から発表されている場合などが殆どで、その信頼性には疑問がある場合も少なくない。
今回は、そんな健康食品などによる中毒や健康被害について、比較的信頼性のある論文などを調査し纏めた本が、中毒学の第一人者の内藤裕史・筑波大名誉教授によって出版されたという。
私は以前の記事で、「水の飲みすぎによる水中毒で死亡した事故」を紹介し、医薬品に限らず「全ての物質は過剰に摂取すると毒性を持つ」と述べたが、何の物質をどの程度接種すれば過剰なのか、などのデータは不明な場合が多く、細かい注意喚起が出来なかった。
今回の「健康食品中毒百科」については、内容を把握していないので断言は避けるが、健康食品などを購入し摂取する前に読んでおくとよいのではないかと思う。
私は「医薬品」も「健康食品」も出来るだけ避け、有機栽培された自然の食材、特に日本古来の伝統的な一般的な食材を、偏らず、様々なものを満遍なく摂取するのが最も安全で健康的であると思う。
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