NPO法人レッドリボンさっぽろ

NPO法人レッドリボンさっぽろの活動記録です。

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2018122日(日)〜124日(火)に第32回日本エイズ学会が大阪国際会議場で行われました。

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初日の午後からは、前回初めて開催されたPOSITIVE  TALK 2018が行われました。このプログラムはHIV陽性者自身が自らの経験を振り返り、それぞれの思いを伝えるもので3名の方が登壇しました。
最初の方は小さい頃から家族にも人間扱いされずに人間不信となり、20歳でHIVがわかり、付き合った人が立て続けに薬物使用者で自分も薬物使用者として逮捕された事が何度かあるそうです。刑務所での生活も体験されていますが、そのお話の中で印象的だったのは「今まで社会では一度も人間扱いされなかった。なのにどうして刑務所では人間として扱われたのだろうか?」との一言でした。
2番目の方は、バーで親しくなった男性から催眠作用のある薬物を入れた飲み物を飲まされ、意識を失っている間に性行為を強要されたことがHIV感染のきっかけだったと語っています。性暴力を受けた経験が心理的に服薬の継続を困難にし、支援のサービスを受けることもためらわせ、何度も何度もぷれいす東京の電話相談に電話をし支援を仰いできたそうです。
3番目は北海道でHIV感染を告げなかったことを理由に就職内定を取り消され訴訟を起こしている原告男性でした。訴訟中の内容でもあり、訴状を基に初公判や現在の双方の主張をお話し頂きました。
皆さんと空き時間などにお話ししましたが、凄く笑顔が素敵で、逆にどれほどの苦労をしてきたんだろうと思ってしまいます。
(『POSITIVE TALK 2018』の詳しい内容は公式ブログの当該ページをご覧下さい)
私も同じ陽性者として生活をしてきましたが、陽性者であることを理由に差別などを受けたことがなく、理解のある方々に巡り会うことができ、本当に幸せだったんだなと改めて感じる一方で、こんなにHIV治療が進歩しているにも関わらず、社会の無理解で苦しんでいる人がまだいるという事実を直に耳にすると、なんとも言えない苛立ちと憤りを感じます。
座長を務めた日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス代表の高久陽介さんからは「日本のエイズ対策の中で人権の問題に真剣に取り組む必要がある。HIV感染を理由にして医・職・住(医療・職業・住居)の権利が失われている状態には耐えられない」とお話し頂きました。

2日目の午前中には日本エイズ学会の総会が行われ、U=Uの科学的エビデンスを日本エイズ学会として支持する』との立場が公式に確認されました。
様々な研究成果を基に2016年頃よりU=UUndetactable=Untransmittableと呼ばれるキャンペーンが世界で広がり始め、昨年のエイズ学会の際には「UU」の撮影用プロップを持って当会メンバーでも記念撮影を行いました。
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※2017年エイズ学会で撮影した写真です。

直訳すると(血中ウイルス量が)検出限界以下になる=感染力がなくなる、つまり検出限界以下なら他人に感染させることがないという意味になります。

エイズ学会2日目の夕方にも関わらず、超満員の中開催されたシンポジウムU=UUndetactable=Untransmittable)誰が何をどう伝えるか:陽性者の人権とスティグマゼロへの取り組みを視野に入れて』のなかで、これまでのTasPでは感染のリスクが減少するといった意味合いですが、U=Uはリスクが「ゼロ」であることを意味するもの。しかしゼロを証明することは科学的には不可能です。限りなくゼロであるものをゼロと言い切ってしまうことが、HIVの恐怖や羞悪を取り除くことにつながるのではないか?といった意見もだされました。

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※途中のスライドで、当会で製作しTwitter等のSNSに掲載したこの画像もスライドで使われましたよ。

しかし一方で、現在のHIV治療ガイドラインではCD4・血中ウイルス量に関わらず治療開始が推奨されているものの、障害者手帳の認定基準とならないケースがあります。このような方は今の制度では投薬治療が始められずU=Uが達成できていません。この矛盾を解消するため『ぷれいす東京』と『日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス』が共同で厚生労働省にHIVによる免疫機能障害の認定基準見直しを求めた要望書を20177月に提出しておりますが、認定基準の見直しは進んでおらず、今後U=Uを達成できているか否かで陽性者を差別することになるのではと危惧されます。シンポジウムのパネリストからは『あくまでもU=Uはツールの一つ。その方に合ったツールを使って伝えていくべき』とこれまでの情報と併用して利用することが望ましいとお話し頂き、いろいろ考えさせられたシンポジウムでした。(詳しい内容は公式ブログの当該ページ こちらから
 
他、会場にはメモリアルキルトの展示や、HIVに関わり道半ばにして亡くなられた方の写真展などもありました。その中に、昨年亡くなった、私が仙台に住んでいた頃の主治医の写真もあり、在りし日の姿を見ていると涙があふれ出てきてしまいました。
そして今回の学会でも多くの方々と新たなつながりを作ることが出来ました。
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この他にも多数のメモリアルキルトが展示されていました。

来年の日本エイズ学会は201911月に熊本で開催される予定です。
(ミツル)

その他のプログラムや発表内容につきましては以下を参照下さい。
※第32回日本エイズ学会学術集会・総会公式HP

※第32回日本エイズ学会公式ブログ
 https://ameblo.jp/aids2018/


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