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ドイツが脱原発に舵をきりました。
2022年までに国内に17基ある原発をすべて閉鎖します。
「福島がドイツの社会と政治を揺るがした。」
政界、学界、産業界、宗教界からなる専門委員会のテプファー委員長の
ことばです。
メルケル首相は豹変しました。最初は州議会選挙対策と見られていました。
が、選挙では大敗。反原発を党是とする「緑の党」が躍進。
その「緑の党」の得意技を封じるために脱原発へ突き進んだと見る向きも
あります。しかし、また一方で福島の惨状が物理学者でもあるメルケル首相を
大きく揺さぶったことも事実でした。
首相は記者会見で「福島の映像が脳裏にやきついている。」「ドイツでも起こりえない
と考えていることが連鎖するかも知れない」と述べました。
東工大出の理系でありながら人命や健康に鈍で権力に執着するどこぞの首相
とは大違い。
当事者である日本がなお原発推進へ突き進むのと対照的に遠いヨーロッパで
脱原発が進行しつつあります。
望ましいことであり、喜ばしいことだと思うのですが、日本の現状を思うと
悲しくなります。
でも、ここはぐっとこらえて冷静に考えましょう。
それぞれの国、それぞれの事情、やり方も速度も一緒とはいかない。
57年前、日本は欧米に追いつけ追い越せと資源の乏しさをカバーする
ためエネルギー政策として原子力を選びました。
1954年、改進党所属の中曽根康弘氏、稲葉修氏、斉藤憲三氏、川崎秀二氏
により、原子力研究開発費予算2億3500万円(ウラン235にちなむ)が国会に
提出され、通過しました
翌1955年原子力基本法成立。
1956年、1月1日、原子力委員会設立。
日本の原子力政策にはざっと60年弱の歴史があります。
その間反原発脱原発の議論はほとんどなく、声高に唱える人が一部に
いても世間は耳をかさず、反原発論は日本ではタブー、唱える人は変わり者、
異端者という扱いを受けてきたことは否めないと思います。
それは未だに根強く残っていて某俳優がツイッターで脱原発を唱えたために
役を降ろされたりしています。
とにかく日本とドイツでは事情が大きく違います。
ドイツには「緑の党」と言う反原発を党是にかかげる党があり、環境NGOの力も
強いといいます。もともと社会の中にそういった層の人たちが存在し、かつ
チェルノブイリ以降30年近く議論を積み重ねてきたと言う背景があって
今現在この結果にいたったのです。国同士が地続きのヨーロッパでは
他の国から電気を融通してもらえると言う事情もあります。これは島国で
送電線が国内で完結している日本では無理です。周波数の関係で日本国内で
さえ融通がむづかしいとされています。
日本では今やっと反原発・脱原発の活動が産声を上げたばかりです。
まだ危ういよちよち歩きです。活動家たちは思いを注ぎ込める組織を
求め、手探りでつかまり立ちしています。今まで日の目を見ることができなかった
研究者や作家や活動家がこのときばかりと勢いづきおいでおいでをしている
ことでしょう。活動家たちの純粋は思いを育て、はぐくみ、健全に成長させて
ドイツのように厚みのある議論に育て実らせるためには何年もかかるでしょう。
しかし、やらなければならないと思います。時間がかかるのは覚悟のうえで
今から始めなければならないと思います。時間がかかるからこそ始めなければ
ならないと思います。
今日の朝日新聞に社会を脱原発へと動かすのは「世論」と「制度」と
書いてありました。その通りだと思います。これは今日初めて明日できる
ものではありません。時間をかけて育てましょう。そうすればきっと機が熟して
日本でも成果が得られるにちがいありません。何と言っても当事者ですから。
ただ原子力村の抵抗が大きいでしょう。電力会社と政界、学界にまたがる
巨大な力です。これを解体できない限り日本の脱原発はありえないと
思います。遠いけれども進みましょう。千里の道も一歩からです。
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そうですね、時間がかかるからと云って手を付けないのでは、一生解決できませんよね!
2011/6/7(火) 午前 10:26 [ KUROKI-TI ]
はい、クロキチさん。時間がかかることを先送りするのは政治の得意技ですが市民レベルの運動はもっと丁寧にやっていきたいものです。
2011/6/7(火) 午前 10:53 [ ref*e*_sign ]
おっしゃる通り、ドイツと日本の違いを痛感する毎日です。
流れを変えるのが「世論」と「制度」は確かですが、
その世論を形成するメディアと教育がもっと自由な言論を
促す方向へ努力することも大きな課題のひとつでしょう。
2011/6/8(水) 午前 5:38
KONさん、コメントありがとうございます。言論の自由はとても大事なことですね。日本は現実にはとても窮屈で自由に発言できない雰囲気があります。メディアそのものが権力やスポンサーに左右されている傾向あるのでそういったものから解放される必要があると思いす。
2011/6/8(水) 午前 8:43 [ ref*e*_sign ]
スイスも脱原発を表明しましたね。
エネルギーの需要と供給の面から一口に脱原発と言っても難しい部分があるのが現実ですが、今まで安全と言って推進してきた政府(主に自民党)、関係者にも重大な責任を感じてもらわねばなりません。
本当に安全な「原発」というのは机上の空論なのですかね?(汗)
2011/6/8(水) 午後 5:00 [ タケ ]
タケさん、いらっしゃい、コメントありがとうございます。事故調査委員長の畑村先生は「原子力は危険、安全だと扱われてきたことが間違い」とおっしゃっています。この方をどう評価するかまだ私の中でよくわからないのですが、原子力が危険なことは間違いないと思います。交付金や補助金はありていに言ってしまえば危険手当、迷惑料でしょう。
2011/6/8(水) 午後 7:20 [ ref*e*_sign ]
昨日でしたか、アメリカでは河川の増水で
使用済み燃料プールの冷却ポンプが停止したそうですね。
一つ間違えば、原子力発電所は福島のような事故を起こすと
世界中の人が、早く気が付けば良いですよね。
ご訪問&コメントをありがとうございました。 ポチッ
2011/6/9(木) 午後 5:46
sukisukiscriptさん、コメント&ポチありがとうございます。風力や地熱など代替エネルギーに移行して原発をなくしたいものです。日本はまだ原発推進派が大きな顔してますね。道のりは遠い、でも一歩一歩ですね。
2011/6/9(木) 午後 6:38 [ ref*e*_sign ]
こんにちは。訪問履歴を辿ってまいりました。そのドイツから、です。
日本とドイツは違う。確かにその通りです。電力が足りなければお隣フランスから原発で発電した電気を安く買うことができます。でももちろんそんなことばかりしていたら、周りから叩かれるし、それよりなにより他国に依存しすぎるのは危険なので、脱原発後のことを具体的にあれこれ考えてる最中だと思います。
違う国同士で融通しあえるのに、同じ国内で周波数ができないから難しい、というのもよくよく考えるとおかしく思いました。この点について調べたことがないのですが、意図的にそうしている部分があったりするのでしょうか?
地理的な違いはどうしようもないけど、政治への関心の高さは国とか人種とか関係ないですよね。日本人が無関心すぎると思います。緑の党をつくることだって環境NGOを立ち上げることだって可能なはず。でもあまりにも平和ボケしちゃっている人が多すぎた、と思います。でも少しずつですが変わってきてますよね。ドイツの雑誌記事、TBさせていただきます。
2011/6/11(土) 午後 2:02
xirominさん、こんにちは。日本は平和ボケですよね。私もそうでした。今回の震災と原発事故が起きなければ一生ボケたまま終わってしまったと思います。だから今度のことは悲しいことだけれどとても意義のあることだと思っています。今、日本は変われるかどうかためされているのだと思います。私自身は何の力もない主婦ですが、福島の情報を発信しつつ自分にできることを考えていこうと思います。TBされたドイツの記事じっくり読ませていただきます。
2011/6/11(土) 午後 3:22 [ ref*e*_sign ]