|
ある方のブログで小出裕章先生の公演の動画を見ました。
いろいろな意味で衝撃的でした。私は毎日熱心に新聞を読んで一生懸命に
ブログネタを捜してきましたが、ネットの情報が大事だということを知りました。
新聞をネットとテレビではそれぞれ特性が違うので役割が違うのでしょうが、
やはり規制されない生の情報と言う意味ではネットが一番かも知れません。
小出先生のお名前は少し前に知りましたが、積極的に情報を取ってはいません
でした。テレビで拝見したときはなかなか興味深い人物だなとは思いましたが
今回動画を見てすごく心に響くものがありました。
科学者はお勉強ができるだけでは駄目ですね。小出先生の話を聞いてそのことを
如実に感じました。どれだけ成績がよくてもどれだけ知識を詰め込んでもそれを
自分の中で噛み砕いて適切な表現で人に伝えたり、人の生活に役立てていく
力を備えていなかったらどんな秀才もでくの坊だなと思いました。
そのためにはただ偏差値が高いだけではなくて人間として心が成長していなく
てはいけません。豊かな人間性がなければせっかくの知識も生かせないまま
終わってしまう、もったいないことです。
一番恐いのは知識を悪用することです。
勉強ができて人間性がねじ曲がったやつほど恐ろしいものはいません。
自分の利益や欲望のために情報をゆがめて伝えたり、危険性を充分
伝えなかったり。こっちは素人ですから、「専門化が言ってるんなら大丈夫」って
思いますよ。罪深いです。
小出先生の公演の話に戻します。
東海村の臨界事故で被曝した作業員がどんな死に方をしたか初めて知りました。
恐ろしいですね。放射線が人間の体を壊すときの壊し方ってほかの何物とも
違うんですね。人間の体なんてもろいから世の中に危険なものはごまんと
あるけどこれはほんとに悲惨です。被曝した作業員の方たちは最初に
国立水戸病院に運び込まれたそうですが、ここは放射線治療の専門ではない
ので治療を拒否され、次に千葉の病院に運ばれたそうです。そこは放射線治療の
専門であるにも関わらず治療を拒否され、(もう助けられないということで)最後は
東大病院に移されたそうです。
被曝された方の腕の写真を見ました。8日目くらいにはちょっと赤くて腫れぼったい
程度で目で見て顕著にわかるような症状はありません。しかし、1ヶ月後にはその
腕が表皮がはがれてぼろぼろ。腕だけでなく全身やけただれてぼろぼろだった
そうです。体の表面だけではなく、胃壁も腸壁も焼け爛れてぼろぼろだったと言うから酷いものです。致死量の被曝をした人は2週間くらいで死ぬと言われているそうですが、日本の医学会が全力で治療した結果、この方はそのような姿で83日間生きていた、と言うか生かされていたそうです。そしてついに命を落としました。
恐ろしい話でした。子どもの時分だったら恐怖で何日も眠れなかったことでしょう。
しかし、私ももう大人ですから、ここから何か普遍的なことや本質的なことを
学ばなくてはなりません。
小出先生のこの言葉が心に突き刺さりました。
「放射線は生命体とは相容れないもの」
素晴らしい表現だと思います。
私たち人間は無毒化できない放射性物質を日々作り続け、その上で暮らして
いたのでした。燃やしても何をしても処理できない核のゴミを量産し続け、未来の
子や孫に汚れた地球を残す。何とも罪深いことです。
エネルギーのなかった、あるいは少なかった時代、人間の平均寿命は40代くらい
だったそうです。エネルギーが増えると人間は長生きするようになった、けれども
その後どんなにエネルギーを増やしても寿命は延びない、せいぜい80年くらいが
限界。有り余るエネルギーは命を生かすためではなく、贅沢のために使われる、
と小出先生はおっしゃっていました。
納得させられることばかりでした。頭の中の霧が晴れるように新しい世界が
開けました。まだ入り口に立ったばかりですが、小出先生のおかげで私の
中に、原子力に対するおぼろげなイメージが出来てきたような気がします。
ど素人ですが、どんどん情報を取ってデータベースを作っていかなければと
感じました。私に原子力の仕組みなんてわかりませんが、放射能が与える影響
を日常レベルで捕らえ、どのように対処していくかと言うことは一人一人が
考えなければならないことだと思いました。
小出先生は今大変忙しくて来年の2月までスケジュールがいっぱいだそうです。
機会があれば公演を聴いてみたいものです。
小出先生の素晴らしいところはまず一人の人間として立っていることだと思います。
社会人として働き生計をたて、結婚し子どもを作り、育て上げ一人の平凡な人間と
して日常生活を営む、だから普通の市民の感覚がわかり、避難している人の
痛みがわかる。その一方で原子力の研究と言う特殊な世界で研究を続け、得た
専門知識をわかりやすく私たちに伝えてくれる。平凡な市民の感覚をお持ちだから
こそ放射能が日常生活に与える影響を理解し私たちの知りたいことに答えてくれる。こういう方が日本にいてくれて本当に有難いです。
長いこと異端者として不遇な扱いを受けながらも、屈することなく方針を貫いて
くれたことに感謝したいです。先生の肩書きは助教、つまり助手だそうですが、
企業に都合のいい情報しか言わないその他大勢の教授なんかよりもどれだけ
人間として立派なことか。魂のありようが素晴らしいのです。
初めて原子力の世界で信頼できる人を見つけたと思いました。
これからは折りにふれ、小出先生の話に耳を傾け、少しでも日常の不安と
危険を取り除くのに役立てていきたいです。
|
全体表示
[ リスト ]



私は日本にいた時、大学の職員をしていたのことがあるのですが、金と名誉に目がくらんだとんでもない人間をたくさん見ました。肩書は立派でも人間としてどうよ、というちっぽけな人間を。
小出先生は私も数週間前にその存在を知り、その言葉に心を打たれました。白い巨塔の里見教授みたいな人だな、と思ったり。
私の大好きな芸術家フンダートヴァッサーが30年前に書いたエッセイを訳してみました。オーストリアで反原発運動をしていた時のものです。そのまま今の日本に当てはめられる内容です。よかったら読んでください。TBさせていただきます。
2011/6/21(火) 午後 1:16
xirominさん、いつもコメントありがとうございます。大学の実態をよくご存知なんですね。肩書きにこだわる人は多いけれど人間の価値というものはそんなものでは測れませんよね。TBされた記事読ませていただきます。
2011/6/21(火) 午後 2:38 [ ref*e*_sign ]
こんにちは 茨城(ki)県那珂市から来ました.那珂郡東海村の西側の市です.水戸市の北側の市です.私の家は東海村から直線9kmです(怖) 3/11の地震のさい 津波で危うく原子炉が危なかったことが 後日 暴露されていました. マジ怖いっすね. 早く全部停止してほしいです.もし福井県のプルトニウム高速増殖炉(事故で停止中)に何か起きると 日本はアウトですね.
小出裕章氏 講演会情報
http://healing-goods.info/koide/
カテゴリー2011年度全国一覧などをクリックして
事前に講演会場の日時・場所を調べてください
2011/6/21(火) 午後 3:00 [ 中川 ]
中川さん、コメントありがとうございます。私も全部停止される日を待ち望んでいますが、道のりは遠そうですね。海江田経産省の顔を見ると腹が立ちます。が、こうして一人一人が声をあげていくしかないと思っています。
2011/6/21(火) 午後 3:26 [ ref*e*_sign ]
小出先生のすごいところは、いかなる権威権力にも屈せず、地位や名誉もかなぐり捨てて、どこまでも自分の信念に忠実に研究を続けてこられたことだと思います。原子力研究者でしか知り得ない、原子力開発の裏側、その悪魔性を告発し、糾弾できるのは自分達しかいない、その信念は終始一貫しています。助教の肩書きが今となっては光り輝いていますよね。
2011/6/21(火) 午後 7:07
papadhinさん、そうなんです。人間は肩書きじゃないんですね。むしろ肩書きにこだわる人は人間性が貧困かも知れません。原子力の世界にこういう方がいてくれて救われる思いがしました。
2011/6/21(火) 午後 7:32 [ ref*e*_sign ]
京大助教の小出先生の説明は、YouTubeで、事故発生以降よく出られてましたので、よく聞きました。恐ろしいですね。
2011/6/23(木) 午後 8:35 [ - ]
テクノ栄光さん、コメントありがとうございます。恐ろしいと言う素直な気持ちが大事だと思います。それを克服しようとすることも大事だけど本能で恐いと思うものには手を出さないというのも勇気だと思います。原子力はそういうものだと思います。
2011/6/23(木) 午後 9:44 [ ref*e*_sign ]