どろんこ紳士

糖尿病からくる白内障の手術待ちのため、只今ブログの更新を休んでいます。ご免なさい!

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役割交換書簡法(ロールレタリング)人間関係のこじれを洞察する・私から私への手紙
 杉田峰康監修・春口徳雄著 創元社1987年
 自分1人で、葛藤状態にある関わり深い相手との間に往復書簡を交わす。双方の立場を客観視できるようになり、洞察が深まり、自律性が促進される。交流分析理論に基づく心理療法の新技法、初の入門書 (Amazonの作品紹介より)
  第1章 ロール・レタリングとは
  第2章 ロール・レタリングの臨床からの観察
  第3章 ロール・レタリングの実際
  第4章 学校教育におけるロール・レタリング
  第5章 遺書による気づき―覚せい剤事犯の1事例
  第6章 カタルシスから自己理解への道―母の再婚で非行に走った少年の事例
  第7章 ロール・レタリングとファミリー・ケースワーク―義母を迎え窃盗をくり返した少年の事例
  第8章 ロール・レタリングと心理療法
  第9章 問題点と今後の課題
 更に本の帯から;「効果は・・・◎文章による感情・思考の明確化 ◎自己と他者、双方の視点を獲得 ◎受容と対決を経て問題の気づきへ ◎カタルシス作用 ◎自己カウンセリング ◎イメージ脱感作 ◎自我状態の移動」
 もう一つ新聞のコラムから;「『自尊感情』『共感性』ともに、これを行った生徒たちの方が有意に向上し、逆に『ストレス反応』は減少したと述べている」

 先ず、新聞のコラムを読みました。「自尊感情」(セルフ・エスティームとして、自己回復の決め手として重視しています)。「共感性」(カウンセラーの基本的資質として、また相手を理解することが問題から抜け出る決め手として重視しています)。「ストレス反応」(自分を平常に保つための自分理解として、問題解決のための有効なプラン探しのために重視しています)。重要に思っているものが並んでいるのですから、迷わず購入しました。
 方法は簡単です。実際に少年院で行われています。ある子が、自分の不幸・不遇を他人の所為にして(あるいは自分の所為にして)犯罪を犯すまで激しい行動を選択しています。そんな子は対象の人物に対して屈折した感情を持っていて、なかなか自分の奥底にある気持ちを出せないでいます。義理の父の暴力の所為にしたり、自分を受け入れてくれない新しい母親の所為にしたり。
 まず、実際の相手(暴力を振るう父親としましょう)に絶対渡さないことを条件に、その人宛の手紙を書かせます。恨み辛みが当然のように並びます。翌日、その手紙をもらった父親になって息子(本人)に返事を書きます。その時、父親がどんな気持ちで暴力を振るっていたのか、仲が良かった頃の二人はどんなだったか、それに対して自分の態度はどうであったか、などを思い出します。
 そしてまた、その返事をもらった息子(本人)が父親に返事を書きます。「お父さんの手紙を読んで、少しお父さんの気持ちが分かりました。それに対してボクもついカーッとなってしまったのだけれど、その時お父さんの気持ちが分かっていたら結果は違っていたかも知れませんね」などと自分の中だけで、対立、葛藤、共感、和解と進んでいくそうです。
 先に父親からの手紙を書いたり、父から母へというようなバリエーションで本人の気づきを引き出したりします。目次でも解るようにかなり際どい設定も行っていますね。

 この本の方法は、20年ほど前から現場で行われ実績を積んできたようで、今ではほとんどの少年院で採用されています。それが最近になり(2000年)全国ロールレタリング学会が開催されるようになり、世間にも認知されるようになってきました。学校でも道徳の時間でペープサートなどで扱っている先生が出てきたようです。ボクも現役時代に知っていたらやっていたでしょうね。
 読み始めて先ず、その手法の面白さと有効さに惹かれました。無理に方法と結果を結びつけるようなところを感じませんでした。確かに効果がありそうだとの直感です。次に、応用範囲が広そうだと思いました。本の最後の方では他の療法や技法とのコラボレーションも提案してあります。
 そして、カウンセリングにも応用できないかと考えながら読み進めていくと「えええっっっ! 今自分がやっているカウンセリング法と似ていないか!!」と思うようになっていきました。

 相談者の話をお伺いした後、質問に入るのですが、その時「願望・行動・人間関係」に絞ってお聴きします。すると相談者と身近な人とのこじれた人間関係が解ってきます(自分と自分の関係も含めて)。次に、その関係のこじれた部分に焦点を当てるのですが、相談者側からだけでなく、相手の気持ちを考えてもらえるような質問をしていきます。
 自分が犠牲者だと思っている相談者は、なかなか相手の気持ちを考えられません。でも相手の気持ちが分かった時、自分の「願望」とそれに対する「行動の有効性」が新しく見えてきます。それが本当に理解されるとその「願望」を得るために、(関係悪化の原因が分かり、相手の気持ちが分かり、それによって感情が落ち着いた)今の自分だったらどんな「行動」ができる?と投げかけることで、相談者本人が解決策を見つけ出してくれるのです。
 その手法を、少年院では「役割交換書簡法」で行い、「パティオガーデン」(事務所名です)ではカウンセラーが対面で聞き出していく訳です。ほぼ同じ、だと思っています。それに気づいた時は、嬉しかったですね。ボクが学んだカウンセラー養成学校では既にこのやり方は教えられていないので、私以前の先輩が個人的にやっているだけの方法ですが、改めて自信になりました
 なので、カウンセラーを目指される方は、バックボーンが何であれ是非お読み下さい。カウンセラーマインドが広く深くなっていくことに気づかれると思います。実際著者も、これをカウンセリングで応用する場合にはマインドを鍛えていかなければならないと提案しています。相談者の心の中に深く入っていかなければなりませんし、それを引き出す人間関係を構築していかなければいけないからです。

 一般の方がやってみるとしたら、例えば、こじれてしまった親子関係で、子どもが親に書いてみるようなことができるかも。「あの人を理解できない」という心の奥に「私を理解して」が潜んでいたりします。普段の会話や表情、それまでの関係を思い出しながら書いていくと、悪いことばかりでないことに気づきます。そう、この方法も「パティオ」のカウンセリング方法です!と手前味噌の自画自賛。
              多謝\(__ ) ハンセィ


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