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☆恋の映画とお酒に恋してる☆
心ときめく3月 でも忙しいよね…

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ヒア アフター

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「死後の世界を、あなたは信じますか?」


こんな風に「信じますか?」と、イエスかノーかで問われると、
だってそんなことわかんないし、
はっきり答える理由もないし・・・と、
なぜか即答出来なかったり致します。


そんな感じの「死後の世界」


でも、毎日仏壇にお茶とご飯を供え、
「今日も1日ありがとうございました。今、色々あって大変なんだけど、お父さん見守ってね」

・・・そんなことを言う人間に向って、

「あなたはおかしい、その人はこの世にいない人なのですよ」
なんていう人は、まずいないような気がします。



イエスかノーか、という問い方がいけないのか、
それとも、人は本能的に「死」をするような事柄から逃れようとするのか、
理由はよくわかりませんけれど、
報道番組や、一般の新聞で、このテーマが取上げられることは、
まずない、といってもいいでしょう。


さて、それをクリント・イーストウッドが映画にしました。



彼は、身体は老いて行くはずなのに、
次々と新しいことにチャレンジなさる方なのですねぇ・・・私も見習わなねば。。^^;



2010年度のアカデミー賞で、
視覚効果賞にノミネートされております。


原題は『HEREAFTER』




「硫黄島からの手紙」以来のコンビとなる
クリント・イーストウッド監督とスティーヴン・スピルバーグ製作総指揮で贈る
スピリチュアル・ヒューマン・ドラマ。


死後の世界をテーマに、
それぞれのかたちで死と向き合った三者の人生が,
運命にいざなわれるがごとく絡み合っていくさまを感動的に綴る。


主演は「インビクタス/負けざる者たち」に続いて
イーストウッド監督作出演となったマット・デイモン。

共演に「スパニッシュ・アパートメント」「ハイテンション」のセシル・ドゥ・フランス。



パリのジャーナリスト、マリーは、
恋人と東南アジアでのバカンスを楽しんでいた。

だがそのさなか、津波に襲われ、九死に一生を得る。


それ以来、死の淵を彷徨っていた時に見た不思議な光景(ビジョン)が忘れられないマリーは、
そのビジョンが何たるかを追究しようと独自に調査を始めるのだった。


サンフランシスコ。

かつて霊能者として活躍したジョージ。


今では自らその能力と距離を置き、工場で働いていた。

しかし、好意を寄せていた女性との間に図らずも霊能力が介在してしまい、
2人は離ればなれに。


ロンドンに暮らす双子の少年ジェイソンとマーカス。

ある日、突然の交通事故で兄ジェイソンがこの世を去ってしまう。

もう一度兄と話したいと願うマーカスは霊能者を訪ね歩き、
やがてジョージの古いウェブサイトに行き着く。


そんな中、それぞれの事情でロンドンにやって来るジョージとマリー。


こうして、3人の人生は引き寄せ合うように交錯していくこととなるが…。


allcinemaより



洗練された作品ですねぇ、それでいて骨太です。


洗練を、老練とも、素朴とも、削ぎ落とされた、とも、無駄がない、とも、
色々言い換えることは可能だと思うのですけれど、
やっぱり映像の見事さから言うと、
「洗練」が一番しっくり来る感じがしますね〜



イーストウッド監督は、
人を描くことにかけての天才ですが、
それはどの時代、どの環境、性別、年齢であろうと、
こちらが参った、と言わざるを得ない、絶妙な距離感で、
さらりと、シンプルに、作品の中でみせてくれますね。


これまでも人が死ぬ、と、いうことが作品の中に多く登場しましたけれど、
この作品の取上げ方は、ちょっと違います。




フランス人の女性ジャーナリスト、マリー・ルレが、
突然の大津波に襲われ、臨死体験をする、という場面から始まります。



ここの撮影も極力CGを使わない、ということで、
俯瞰の場面以外は、かなり大変な撮影だったのではないかしら、
なんて想像しちゃうんですけど、
美しい青い海が、みるみる豹変して大津波となり、
大勢の命を奪い、生き残った人々の生活を一変させてしまう・・・

そのシーンを丁寧に撮りたい、という監督の気持ちが、
この映画そのものかもしれない・・・そんな風に感じました。



自分がある能力を持つことで、
人と触れ合うことを恐れ、工場勤務をしているジョージ。



彼が10週かけて習うことにした、
イタリア料理の教室へ通い始めるという「意味」


本人が意識しているかどうかはわからないのですが、
ジョージの気持ちがわかると、
ここでの出来事は、より切ないですね。。



ロンドンの双子の男の子たちもそう。

辛いこと、大変なこと、これまで2人で乗り越えて来たのに、
それが果たせなくなったとき・・・



運命はそれぞれに訪れ、
辛いことも経験し、乗り越えて生きていかねばなりませんが、
「孤独」ということを、これだけの映像で描けるのか、というのには、
今回も唸らされましたね〜



例えばジョージ。

彼女が部屋から出て行ってしまったあと、
カメラが少し引いて、奥の部屋のモノクロの絵画が映って、
数秒、そして終わる、なんてところは、一見普通の映像なのに、胸が痛みます。


イタリア人シェフが「僕と組むとコンテストは優勝だよ」と、言う場面でも、
刻まれている赤いトマトの色、
慰めようとするそのシェフ明るさと、ジョージの心のコントラストが。。

・・・もう、枚挙に暇がないほど、これらの映像が語るものは大きいです。



ディケンズの「リーディング」、見事な伏線でしたね。


これは脚本家が優れているのだとも思うのですが、
ジョージにとって、どれほどディケンズの「リーディング」が大事かというのを、
日常の中でちゃんと描いてあるのも、さすがでした。


「リーディング」というのには、色々と意味があるらしいですよ。

映画をご覧になった方で、お調べになると、そっか〜となるかも♪



マット・デイモンの演技はやっぱり、というか、完璧です。


セシル・ドゥ・フランスの心の変化も見事でしたし、
マクラレン兄弟のあの一体感は、
さすが双子ならではかもしれません。


・・・他にも沢山触れたいところはあるのですが、
それはご覧になった方のもの、ということで。



今回もイーストウッドの音楽が、
ギターで、ピアノで、優しく優しく流れます。




私たちは「死」を遠ざけようとしますが、
必ずそれはやってきます。


「死」を無視することなく、よりよく生きるために「死」を想う・・・


このスタンスが大事なのかもしれないですね。







マット・デイモン   ジョージ
セシル・ドゥ・フランス   マリー・ルレ
フランキー・マクラレン   マーカス/ジェイソン
ジョージ・マクラレン   マーカス/ジェイソン
ジェイ・モーア   ビリー
ブライス・ダラス・ハワード   メラニー
マルト・ケラー   ルソー博士
ティエリー・ヌーヴィック   ディディエ
デレク・ジャコビ
ミレーヌ・ジャンパノイ
ステファーヌ・フレス
リンゼイ・マーシャル
スティーヴン・R・シリッパ
ジェニファー・ルイス
ローラン・バトー
トム・ベアード
ニーヴ・キューザック
ジョージ・コスティガン


監督: クリント・イーストウッド
製作: クリント・イーストウッド
キャスリーン・ケネディ
ロバート・ロレンツ
製作総指揮: スティーヴン・スピルバーグ
フランク・マーシャル
ティム・ムーア
ピーター・モーガン
脚本: ピーター・モーガン
撮影: トム・スターン
プロダクションデザイン: ジェームズ・J・ムラカミ
衣装デザイン: デボラ・ホッパー
編集: ジョエル・コックス
ゲイリー・ローチ
音楽: クリント・イーストウッド

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