|
昨日ちょっとしたパーティーに出掛けた
招待客は100人くらい
着物を着ようと思っていたけれど
空は私のかわりに涙を流した
だから私が一番私らしい
相変わらず黒のドレスにした
靴は悩んで悩んで
シルバーのスパンコールに
ダイヤの輝きを放つ石がいくつかついた
私的にガラスの靴をイメージしたもの
同じ時を 同じ音楽に包まれ過ごす人達
初めて出会い もう二度と会う事もない人達の方がきっと多い
その人達の事を 私が覚えてはいられないように
その人達も 私を忘れるんだろう
笑顔であいさつをし
「またいつか」と言葉を交わしても…
最後の曲が流れ その席を後にした
振り返りたい そう思ったのは
さっきまで華やいでいたその場所に
私の緊張と胸の高鳴りがあったから
それでも 振り返らなかったのは
そこに私を待つ席はもうないとわかっていたから
雨の中 私は次の場所へと向った
「素敵な指輪ですね」
誰に言われたのかも覚えていない一言
ダイヤしか身に付けない私が
昨日はサファイアをつけていた
その無機質な輝きが なぜか愛しくて
傘をさす手で 青く悲しげに光っていた
私を忘れても 彼はこの指輪の事だけを思い出すのかもしれない
そんな事を思った
家にもどり 指輪をはずした
私を飾り 私を幸せに包んでくれたサファイアを宝石箱に戻した
「ありがとう」
そしてふたを閉じ私のパーティーは終わった
静まり返った現実に 帰る時間
意地っ張りだから
「さよなら」は笑顔で言える
出会った人 もう二度と会う事もない人に
それでも私の時間を
やさしく 魅力的にしてくれた人に
出会えてよかったと心の中で繰り返す
何度も 何度も…
☆
|