※こちらは、メルマガ小説『れぷ☆らば版ももたろう?』として配信したものに加筆・修正をしたものです。 むかし、むかし、……でもありませんが、あるところに女子高生のハルカというおばあさんがいました。 おばあさんのハルカは、 「なんで、あたしがおばあさんなのよっ!! それに、乾燥機付きの洗濯機で洗えばいいじゃん!!」 と、怒鳴りながら川へ洗濯に行きました。 そこは、ストーリー上、仕方のない事です。 おばあさんのハルカが川へ着くと、大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。 白桃です。 まぁ、大きいと言っても、適度に桃のサイズです。 おばあさんのハルカはその桃を、 「え〜、これ拾うのぉ?」 とか言いながら、川から拾い上げ、家に持ち帰りました。 そこもストーリー上、仕方のない事です。 大きな桃を家に持ち帰ったおばあさんのハルカは、さっそく桃を切ってみました。 普通に桃でした。 「えっ、何これ!? ヤバい!! ヤバい、まじでヤバい!!」 おばあさんのハルカがそれを口にすると、こう口走りました。 別に何の危機でもありません、女子高生なので語彙が無いのです。一人称小説の主人公になる為にはもう少しお勉強して欲しいところです。 で、お味の方は、果汁たっぷり、とろけるような果肉、甘味が強く、川の水で適度に冷えていたのもあって、もう、なんともデリシャス!! それは、西王母が持つ不老不死の仙桃ではないかと思ってしまうほど、素晴らしいお味でした。 あまりに素晴らしい味に、おばあさんのハルカはそのタネを庭に埋め育てることにしました。 そして、次の日。 埋めた桃のタネは、どーんと立派な桃の木になっていました。 「早すぎでしょ?」 って、おばあさんのハルカがツッコミましたが、桃の種が大きく育つまで何年分もその過程を書いていたらページと作者の気力がもったいないだけなので、仕方のない事です。 大きな桃の木は、また大きな花つぼみをつけていました。 「うわ、花もデカイわ」 おばあさんのハルカがそのつぼみを覗き込むと、つぼみはゆっくりと花びらを一枚一枚揺らしながら花開きました。 そこに女の子が眠っていました。 肌が透き通るように白い、金髪の、それはそれは可愛らしい女の子です。 桃の花から生まれた、桃太郎ならぬリリィです。 リリィという名前の意味は『百合の花』ですが、桃の花から生まれました。 本当は桃から生まれる予定ですが、本人がどうしても「桃から生まれるなんてイヤ。せめてお花にして」とわがままを言ったので、桃の花から生まれました。 もう少しあの桃が美味しくなければ、タネ共々ゴミとして捨てられるところでした。 そんなこんなでおばあさんのハルカがリリィを育てる事になりました。 ハルカの元でももたろうのリリィは、 「紅茶はフィナー・ティピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコーしか飲まないわ」とか、 「今日はベイビーのうさみみワンピースしか着たくないの」とか、 「PLAY STATION 3のHDD60GBのやつ買って」とか、 言いながらすくすくと美しく育ちました。 それなりにマニアックなお嬢様のようです。 ロボットだから育ちませんが、そこはノリです。 ある日、いい加減リリィのわがままぶりに頭にきていたハルカが言いました。 「あんた、そろそろ鬼ヶ島に行ったら?」 鬼ヶ島とは、最近ちまたで有名な鬼の棲む島です。 何でもとても強い鬼達が、この鬼ヶ島からやって来ては暴挙を振るうとの噂です。 「イヤよ」 とリリィは一言で返しました。 「『イヤよ』じゃないわよ、行きなさいよ!!」 「何でそんなところに行かないといけないの?」 「話が進まないからよ!!」 ハルカのツッコミはごもっともでしたが、リリィはなおも嫌がりました。 「そんなところ、行きたくない」 「あんた、ももたろうのくせに何言ってんのよ!!」 「ももたろうじゃないもん、リリィだもん」 「リリィでも行くの!! きびだんご作ってあげるから」 「きびだんごなんていらない」 「なら、ケーキ作ってあげる!!」 「ケーキより、六花亭のストロベリーチョコが食べたい」 「ふざけんなぁ〜!!」 と、まぁ、こんな調子でももたろうであるはずのリリィは全く鬼ヶ島へ行く気はありませんでした。 鬼ヶ島なんか行かなくていいぞ〜、って思ったら、応援クリックよろしくね→にほんブログ村 恋愛小説(愛欲)
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