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洞爺湖サミットを控え、特別警備結団式を1週間後に控えた北海道警察で勤務中に一人の警察官が拳銃を所持したまま失踪、そしてその警察官の追跡を命じられた一人の刑事、サミット担当大臣のSPに指名された女性警官、覚せい剤密輸のおとり捜査に疑問を抱き捜査を続ける一人の刑事、この3人を中心に物語りは進みます。 監察や警務、公安といった様々な警察の部署、そしてサミットを控えた本部の思惑などがリアルに感じられる1冊です。 感想拳銃を所持したままの警察の失踪というと2007年8月に発生した立川警察署巡査長女性射殺事件を連想させられます。またこの小説の中ではいくつも実在する警察不祥事を連想させる出来事が発生しており、その結果が大きく現場の士気に影響する姿が描かれます。何か警察のみならず会社をはじめとするいろんな組織が抱える問題を浮き彫りにしており、会社員でも感情移入できる作品です。 この作品は佐々木譲氏の北海道警察シリーズの1作です。 同じシリーズの「笑う警官」は2009年秋に映画化とのことです。 この小説に登場する人物が映画にも登場します。映画をご覧になったあとでも楽しめる1作ではないでしょうか? お求めはこちらをどうぞ。
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最近読んだ本・読んでいる本
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最近の警察小説やドラマでは刑事や捜査員という職種の人たち以外を主役にしたものが多いですね。 例えばSP エスピー 警視庁警備部警護課第四係であったりとか警視庁情報官がそうですね。 実は私、警官の血を読んで以来佐々木譲氏の警察小説にハマっています。佐々木譲というと当初は「ベルリン飛行指令」や「エトロフ発緊急電」、「ストックホルムの密使 」の戦争3部作の印象が強かったのですが、警察小説も面白いです。 本の紹介制服捜査発行:新潮社価格:1600円北海道警で発生した不祥事により道警は同じ7年在籍したものは異動とするという人事方針による玉突き人事で札幌豊平警察署刑事課強行犯係から、「犯罪発生率、管内最低」広尾警察署志茂別町駐在所に異動となった川久保篤巡査部長を主人公に物語は展開します。全部で5章の短編からなりますが、それぞれ殺人や傷害などの事件を川久保篤巡査部長が捜査員としてではなく「駐在の好奇心」で関係者に聞き込み、事件の核心にたどり着くところが面白い小説です。 とくに最終章の「仮装祭」では1ページずつの展開が非常に重厚ではありながらテンポよく展開し、「犯罪発生率、管内最低」の町の過去の腐臭を明らかにしてくれます。 駐在所とは警察官とその家族が居住し、交番の役割をする部署です。警察官の配偶者にも電話番などの業務が課せられますが手当てが支給されるのも特徴です。この小説では後の警官の血にも登場する台東区の天王寺駐在所のことが話題に登場するなどの面白さもあります。 お求めは制服捜査 |
本の紹介この小説は佐々木譲氏が戦後から平成にかけての歴史の描写が非常に興味を魅かれます。このミステリーがすごい! 2008年版では第一位にもなった作品です。 親子3代にわたる警察一家を通して、犯罪や世相を描いている部分は優れたものがあり、上巻では下山事件を想像させる事件が描かれていたり、下巻では愛知長久手町立てこもり発砲事件や東武東上線のときわ台駅電車飛び込み事件を思わせる記述に興味を魅かれます。 そもそも佐々木譲氏は警察署長という小説にインスパイアされたと言われています。 お求めは警官の血 上巻警官の血 下巻 警察署長〈上〉 (ハヤカワ文庫NV 警察署長〈下〉 (ハヤカワ文庫NV) |
本の紹介陸上自衛隊写真中隊よもやま物語 山崎紀久雄著 光人社刊陸上自衛隊第301映像写真中隊に勤務した著者が雑誌「丸」に平成7年から8年掲載された勤務経験を綴ったものです。 自衛隊というと銃を持って走り回るというイメージの中で一般の人にはなじみのない部隊の全容が明らかになる一冊です。 筆者は昭和32年から自衛隊に勤務していることから作中で越中島や芝浦という今はなくなった駐屯地のことが出てきたり、防衛庁(現:防衛省)が霞ヶ関にあった時代の話が出てくる貴重な作品です。 また東京へのオリンピック招致が叫ばれるなかで昭和39年の東京オリンピックでの自衛隊の活躍を知ることもできます。 お求めはこちらをどうぞ。 陸上自衛隊第301映像写真中隊とは私自身も過去に「自衛隊音楽まつり」にでかけたことがありますが、その際に撮影していたのが陸上自衛隊第301映像写真中隊でした。現在は市ヶ谷に駐屯する防衛大臣直轄部隊です。任務は陸上幕僚監部などの映像写真業務を基本とし、その対象は自衛隊音楽まつりや富士総合火力演習などをはじめとする陸上自衛隊主管の広報、教育訓練や、研究開発、行動記録など多岐にわたります。陸上自衛官にとっては教育の際に使用されるビデオなどのエンドロールに流れる第301映像写真中隊の名前はなじみの深い存在だそうです。 通信団隷下にあり広報以外にも有事には前線での撮影や映像処理なども任務に含まれるために野戦現像施設も有しているとのことです。 詳しくはこちらをどうぞ。 個人的な感想私は高校時代に写真部と放送委員会に属していたのですが、こういう部隊が自衛隊にあることを知っていたら入隊&志願したかもしれませんね。おまけに通信科の部隊なんで無線とか通信は好きだし。 ということで今回は高校時代に使っていたカメラを引っ張り出して本のとなりに置いてみました。 PENTAXのME-SUPERという一眼レフカメラですが我が家にこのカメラが来たのは私が小学校2年のとき、その後父がカメラを買い換えたために私が中学生のときから譲り受けて一緒にシャッターを切ってきましたが、今から10年前にギヤとシャッターが磨り減ってカメラとしての役割を終えました。 ちなみにオートフォーカスが主流な現在ですがマニュアルフォーカスのカメラなんですよ。 私の趣味と成長の記録として大切な保管しようと思いました。 そして偶然にも今日は1964年に東京オリンピックの開会式がおこなわれた日でした。
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警察を舞台に小説というと「サスペンス」というのがこれまでの常識だったように感じます。
しかし、横山秀夫さんの描く「警察ワールド」って独特です。 今回ご紹介する「震度0」は1年くらい前に読んだ本なのですが8/12 PM10:00〜 wowowでドラマとして放映されるのでご紹介させていただきます。 あらすじ1995年1月17日、阪神淡路大震災が起きたその日に震源地から600キロ以上離れたN県警では警務課長がと突如行方不明になる事件が起きる。 そしてその行方不明事件を巡って県警本部長、警務部長、警備部長、刑事部長、生活安全部長、交通部長のそれぞれが思惑を抱えながら時系列に展開するストーリーです。 個人的な感想警察を舞台にした小説にしては次のとおり特徴的な展開があります。事件は現場で?警察を舞台にした小説はストーリーの中心が殺人事件現場なのですが、この小説は何と物語の展開がN県警本部庁舎とN県警幹部公舎を中心に展開していきます。そして興味深いのがこの手の小説では警察無線が通信手段として用いられるのですが、この作品ではN県警本部の警務部、警備部、刑事部、生活安全部、交通部の部長のデスクとその部長が住む幹部公舎に引かれている「警察電話」(通称:警電)での会話が多く登場します。この独特なやり取りがストーリー展開の面白さを演出します。 サラリーマンが感情移入しやすい警察をテーマにしたストーリーは基本的に刑事部門を中心に展開しますが、この作品は警務部、警備部が中心に展開しています。これって一般企業だと「刑事部=営業部」「警務部=総務部、人事部、経理部」と置き換えるとわかりやすいと思います。組織の中で起きる小さな出来事ではあるものの展開如何によっては組織の存亡にかかわり、もし間違うとデカイ不祥事になることを防ぐために奔走する人たちの姿が忠実に描かれています。 これって総務部、人事部、経理部という内勤部門に勤務するサラリーマンは少なからず経験していることなので感情移入しやすいと思います。 もっと詳しく知りたいこちらをご覧ください。「震度0」横山秀夫作 朝日新聞社刊 wowowドラマ「震度0」 |






