気ままにエッセイ

2012年、混沌から新しい時代へ...

短歌

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短歌第一歩

 先週、さぁ短歌をはじめよう、と自分で自分を励ましてみたものの、実際問題、始めからそうそう簡単に短歌を作れるわけがない。何か目標がないと直ぐに自堕落な本性がでてきて三日坊主で終わりそうだし、厳しすぎてもまた直ぐに挫折しそうである。
 そこで妥協の産物、一週間に一首ぐらいなら何とかなるか、という甘い見込みでとりあえずスタートである。しかし、季節は寒くなる一方。外を歩いてのネタ探しも億劫だし酒を飲む機会も多いし、と早くも言い訳ばかりを考えるようではやっぱり先が思いやられる。ボケ防止に最適といっても、お金がかからないぶん苦労はしなければならないようだが、「今週の短歌」は与謝野晶子からの本歌取りで最初から手抜き?

これまでの短歌

金色のちいさな鳥と戯れる赤いあかごのてのひらひとつ

今日も急く散歩帰りの路地裏に秘して咲きたる花の一輪

おはようの声透き通る初散歩岡の向こうが朝日に焼ける

カワハギの刺身土産に帰省せし息子いつしか三十路に入りぬ

愛(かな)しくも抗(あらが)うすべなし細き身に風揺れ惑う水仙の花

またひとつ命繋がる喜びも老いを数ふる寂しさもあり

寒空に花を咲かせし梅の木は老木なりの生き様ありや

月めくりはや一月の一枚をめくりて春のまた来たるらし

小走りに校舎へ急ぐ子供らを見つめる我の長き道のり

心などあるとは見えぬ桜木の語りかけくる春待つつぼみ

マーラーの葬送ラッパが吼える午後華やかなりし時代は過ぎて

卒寿なる義父と入りし露天風呂河津桜の花のほころぶ

木蓮の花いっせいに膨らみて春の扉をいま開けにけり

短調に長調織りて風がゆく移り気春のピアノはショパン

下駄箱を数えてみれば何時の間にサンダル増えし昼下がりのジム

温もりの夜風が誘う花びらのひとつふたつの思い出ひらく

さくらさくら異国の丘のはなびらの吹きゆくさきはふるさと大和

なにげなく見やる窓辺にひとひらのさくらながれて時は過ぎゆく

気がつけば三日遅れの腕時計ありやなしやのリズムを思う

老木と言えど芽を吹く活力を羨む年となりにけるかも

イヌシデの風の廊下に揺れたるを知らず雀のひとり遊びて

この音をまろく弾いてと言われても指に言ってよ年なんだから

雨上がりの光を粉にしたような皐月の空は魂(たま)宿るらむ

風渡る緑の林を歩くとき心に渡る子供らの声

ひとの手は要らぬお世話と薔薇の花マグを花瓶に部屋を占めたり

吹く風に光と影の綾織りてはや初夏の緑なるらし

露ひとつ乗せず花咲く紫陽花の歩み止(とど)むる空梅雨の朝

山路越え重荷下ろせば木の間より夏の陽こぼれ風立ちわたる

月落ちて浮かび出づるや天の川天(あめ)架け渡し吾を誘う

子供らの去りし広場は今もなお声滲み残り夕焼け小焼け

蜩(ヒグラシ)の未だ声なし七年の波乱のときをわれ越えきたり

蝉の智は冷夏を知りて八月の数の少なきユニゾン悲し

厨房に立つということ肉食を止めたるわれの習ひとなりぬ

カナカナとヒグラシ鳴けば今日もまたただただ暑き夏の日暮れる

秋立つ日ツクツクボウシの鳴き初めるひと足早き夏の思ひ出

蝉時雨の熱きシャワーを受け流す白き浴衣が歩みゆくなり

「初孫」という酒あり手に取れば買うぞの視線に妻の頷く

父となりし息子と酒を飲み明かすこれが最後の親の仕事と

涼しさの流れる夜は鳴き止みて蝉が教える秋の幕開け

ミンミンの微かなソロが流れ入る朝の窓辺に彼岸のひかり

丹念に夏の匂ひを流したる雨のあしたは衣更えせむ

物価高はマテバシイにも及ぶらし団栗少なき秋の青空

ふいに来る風雅な香りに誘われて金木犀とするかくれんぼ

秋雨は冷たきものか電線にシミのごとくにカラス留(とど)まる

秋の空真白き富士を従えて赤きワインを飲む里にひと

枯れ葉落つる軽(かろ)き音にも驚きぬ旅こそ軽き姿にて立て

窓枠に名前も知らぬ広葉樹紅く染まりて名画日替わり

子供らの遊び足らずに手を引かれ釣瓶落としの秋の夕暮れ

ひととせのいのち終らむあかあかと秋の木立の燃えつくるまで

十メガの画素のごとくにくっきりと汚れを落とす秋空の町

落葉の幕は変わりて見ゆる山富士見の坂の冬は来にけり

師走とて妻の指示するままになる夫は三歩後ろ手荷物

正月に孫子が揃う目出度さや大和まほろばここに幸あれ

カタカタとナイフフォークが語り合う老夫婦らの旅レストラン

ひとり鍋争うことなし冬の夜時代劇など見つつ酒飲む

防寒に身を固め居る街角の花屋が売るは美しき嘘

声もなき庶民の冬に藤の実はその身よじりて叫び弾ける

寒いね、の言葉が交わす温かさこの日都会に雪は降りつむ

戦後をば支えし戦士のひとり逝き二月の風は変わらず寒し

生きるとはエゴにやあらむさりとての死もまたエゴの現人(うつせみ)悲し

背に受ける陽(ひ)の温もりの懐かしく白梅静かに佇みてあり

短調も長調もあり春の日の定めがたきは心の乱調

バス停にケイタイ見つめ並ぶ娘(こ)らオジサンひとり持た
ず春の陽

菜園に小松菜蒔きし後なれば疲れも癒す春の雨かな

東風吹かば春の粒子のこぼれ来て小枝の先の生命(いのち)となりぬ

春と言へど土の温みの誰が知るじゃがいも静かに芽を吹きにけり

ひとひらの花びらが舞いときにまた吹雪となりて大和まほろば

静かなる欅の大木芽を吹きて風訪ね来ば話尽くまじ

ひとひらの花びらが舞いときにまた吹雪となりて大和まほろば

一列に緑の湖(うみ)を泳ぐ鯉皐月の空をいつ翔(かけ)のぼる

法華経と鳴く鶯の里にあり山の棲みかの遠く離れて

ひと鍬に思い入れたる菜園に春の陽射しの手を伸べにけり

新しき仕事着なりやエプロンにメモとる男の料理教室

骨折の母の見舞いの旅にして記憶も揺らぐ雨の故郷

梅雨入りは身体休める恵みかな囲碁など打ちて脳を鍛えむ

紫陽花の雨に涙の嬉しげにひとが心も潤いにけり

梅雨晴れ間高級二輪の若者が畑耕す週末菜園

初採れのトマトを食す妻の顔まあねの声の憎らしきかな

スーパーのトマトに命ありやなし畝に溢れる青き香りよ

おごそかに光降らせし天の川われ気圧されて砂となりぬる

里芋の葉に戯れる水玉のやがて転げて梅雨は明けたり

泣き声が男らしいと爺がいい笑顔がいいねと婆がいう夏

枯れてなお大空掴まむ栃の葉に青果てしない男の秋よ

採れました、の声溌溂と菜園に童顔笑顔の初老が集う

一筋のひかりを放つ水玉は師走の空の甘藍の上

人の世の春はいつ来る梅の木の蕾は知らず膨らみにけり

紅梅は冷たき風に洗はれて二月の花王となりにけるかも

椿その花たおやかに咲きたるをためらいつつもそと触れてみぬ

夜桜は甘き香りの麻酔薬月もおぼろの夢の道行

水芭蕉は白きカラーを身に纏い君生(あ)れし日に花開きけり

朝からの長雨(ながめ)に飽いて行く道に緑深まる紫陽花の群れ

ゴロゴロとジャガイモ湧き出る菜園に夏の陽射しの近づきにけり

足跳ねて光も遊ぶ水辺にて私ひとりの蝉の声聞く

この子二歳祖父なる顔を漸くに覚えにければピアノ贈れり

小さな手小さなスコップさつまいもデジカメ構えて孫砂遊び

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