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架空小説 「罪なき詐欺」

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伯父の死


s氏の心に

一生の傷をつけた伯父が亡くなった



s氏は

葬儀にはいかなかった



その数ヶ月後

s氏の母が危篤だと

叔母から連絡が来た



伯父が末期癌で入院した時

無理をしたことが

原因らしい



風邪をこじらせて

痰が肺に入りこんでしまった




切開して痰を取り出そうとしても

伯父の看病で

持病の糖尿病のコントロールを怠った




数値は500

聞いたこともない数値だった




昨日まで電話で話して

「風邪気味だけど元気だよ」

話していた母



次の日

病院のICUで手首を縛られ

喉を切開し

糖尿昏睡を起こしている母に会うとは



今から思うと

「元気、元気」

話していたことが、すでに糖尿昏睡を起こしていたのかもしれない



ICUでも

「元気だよ」

「大丈夫だよ」

「みんな、風邪に気をつけてね」

うわごとのように話していた



同居していた叔母は

気がつかなかったのか




叔母が言うには

調子が悪いのなら病院に行かないか?

とは言ったという

しかし

大丈夫。お医者さん嫌い

言い張って

気を失うまで、病院にはいかなかった




s氏は

母の気持ちが

まったく理解ができなかった

あれだけ自分の息子をバカにし

外傷性ストレス障害にさせ

そのくせ

自分の妻のコントロールができなく

寺を守り続けたs氏の祖母を追い出し

s氏の母にまかせ

病気になれば介護させ

看取らせ

祖母の葬儀の時は

自分の息子をたてて

実質的に介護したs氏の母には

労いの言葉一つない



そんな伯父のために

自分の命を捨てるのか!



悔しさと悲しさで

いっぱいになった





転機


s氏は、慢性の胃潰瘍に苦しんでいた

会社の健康診断でも

血便が出ていることを指摘され

診療を続けるように言われていた




そんなとき

会社である事件が起きた

同僚が出世した

それも自分の上司として

仕事をすることになった




仕事はs氏の方ができる

おそらく部長に取り入ったのであろう

出世したとなると

態度言葉がガラリと変わる




s氏にすれば慣れている仕事なので

うまくかわしているつもりだったが

はめられた



s氏はちょうどその時期

父親の遺産相続の問題で

調停

裁判と

仕事以外でもストレスのあった状況だった



プライベイトなことで

会社に迷惑はかけれない

しかしながら

s氏の顧問弁護士から

携帯に電話がかかってくる



s氏は仕事はこなし

売り上げもあげている中で

その不審な動きに

出世欲の固まった人間たちが

目をつけた



あること、ないこと

上司に告げ口をしていたのだ

些細なことで

ねちこく注意をされることを

軽く流していたことが

s氏の甘さだったのだろう



部長に呼び出される



結局注意にならない注意

「態度が悪い」

「もっと謙虚になって仕事をしてほしい」



あいつだ。。。

最近出世した同僚

普段の会話にも

「俺はお前とは違うんだぜ」

という言葉の含みがあった



s氏は思った

くだらないことだが、くだらないと甘く見てほっておくと

相手もいい気になる




部長に今の自分の状況を説明した

「父親の遺産相続の問題で

現在裁判中である

一応、父の遺書はあるのだが

内容と日時が不自然であることから

偽造の可能性がある

真偽をはっきりさせたいと思っている」




部長は驚いていたが

逆に警戒もしたようだ



仕事と裁判




そんな時期に、伯父が危篤だと連絡が来た

肺がんで

かなりひどいらしい



幼い頃

s氏の伯父の息子に

左手の親指、農作業用の鎌で切りつけられた

傷の深さは骨まで達し

指が取れそうになった

あまりの驚きと

恐怖で泣き出しそうになった時

世間的を気にして

「泣くな」と一喝した伯父



その伯父

この世を去ろうとしている


しかし伯父が亡くなったとしても


s氏を一生苦しめることになる

親指の傷からの

外傷性ストレス障害から

解放されるわけではない



s氏が今になって思うことは

女性や子供

弱い立場の人間に対する暴力は

よくあること



ただ目に付きにくいだけなのだ


暴力を受けた人間は

その暴力の傷を

心や体に刻み込んで行く


傷は大人になっても残るもので

それも

奇妙な身体言語になり

その人の行動に現れてくる


自分を始め

同じ症状で苦しんでいる人に

最も大切なものは

愛なのだと思う


今なくなろうとしている伯父は

自分の息子を愛していた

だから

息子の将来を左右するようなことは

揉み消したいと咄嗟に思い

「泣くな」と一喝したのだろう



外傷性ストレス障害に陥らないためには

泣くことと

眠ることなのだ

それである程度は、癒される


自分を傷つけた伯父の息子は

愛され

守られたわけなので

s蛆を苦しませている問題など

忘れているだろう


s蛆のような人間を苦しませるのは

何よりも愛の欠如なのだ











生い立ち

s氏の母は、高校を卒業して

東京の大学に入学

東京で就職

結婚

そして第一子のs氏を授かる



ここまでは順調だった



s氏の父と母は

世田谷の社宅に暮らしていた

社宅といっても

一軒の家を社宅扱いに会社がしてくれていたので

親子三人で暮らすには

広く感じた



そんなとき

s氏の母の妹(のちにs氏の天敵となる)と

s氏の母の弟(s氏の叔父で、その子供がs氏の天敵となる)

状況を希望してきた

人の良いs氏の父は

「一緒に暮らそう」

同居することになった



これが悲劇の始まりである



夫婦としてまだ未完成の二人の中に

派手好きな叔母と

ずる賢い叔父が同居したのだから



少しづつ歯車が狂ってきた



結論

s氏の両親は離婚

親権は母

s氏の不幸な人生の幕開けである




s氏の妹である叔母と

s氏の弟である叔父は

s氏の家庭を崩壊したばかりではなく

s氏とs氏の両親との仲裂きをする

キーパーソンであった



そんな心の交差も理解できない

s氏の祖母は

おさないs氏に

「ママはよくやったよ。妻として、母として

「それなのに、ママをあんたの父親がひどい目にあわせたんだ

あんたは私の孫だから仕方がないけれど

私は、あんたの父親は一生許さない」

最後に

「あんたがもしママを捨てたら、私は化けて出てやる」




この言葉がs氏の一生を左右することになる



s氏には

出世のチャンスもあった

幸せな結婚ができるチャンスもあった

いつも母の存在が

邪魔をしていた



かつて祖母が言った言葉

心に刻まれていたのである

「ママを捨てたら化けて出る」



s氏の母親といえば

ある意味

偏執的なナルシスト


どこかで自分はすごい人間だと思い込み
(ある意味社会的に成功しているので、自他共に認めるところなのだが)

自分の考えに従う人間は

味方として丁寧に扱うが

自分とは考えの違う人間に対しては

無意識のうちに排斥する



s氏は父親によく似た性格だった



「私はあんたを切る」

s氏の母親がs氏に従わなかった場合

脅迫してきた言葉である



s氏は

こんな環境から

ある意味マザーコンプレックスになっていた



母親の支配下にいた方が

楽なのだ

親子という最も密接な環境にあって

時には機嫌が悪いと

s氏の母親は

彼に当たった



それは一過性の怒りではなく

慢性的な怒りなのだ

連続で続く

教育という名の虐待であり

ある意味

精神的な殺人であった



しかしこういったタイプは

自分の子供が他社に褒められたり

個人的に機嫌がよかったりすると

狂ったように可愛がる


s氏は

精神的に不安定な子供だった

人といる時

異常に緊張し

たった一人になることで

心の安堵感を感じるような

そんな人間に成長していった












決行


s氏は、母の書類を調べた

今から15年前

現在の家を買った不動産の店をみつけ

家の売却の相談をした



同居の叔母には

「家を売るつもりでいると

なので、これからおばさんは、自分で新しい家を見つけて欲しい」

伝えた



実際に会津は空き家が多い

遺産相続で土地家屋をもらっても

持て余している場合が多い



昭和に建てたこの家が

果たして売れるのだろうか



家の売却には

叔母は真っ向から反対した




家を借りている分の家賃を支払うから

家の処分をしないで欲しいという

「ここには、ママとの思い出がたくさんあるの」



その言葉が

どんなにかs氏を傷つけたか。。




15年前

母が会社を退職して

田舎暮らしをしたいと相談してきた

s氏は

当然反対した

しかし母の気持ちは強かった



生まれ故郷に帰りたい気持ちはわかるが

人生の半分以上都内で生活してきた人間が

その地域でやっていけるとは思わない



しかし、母の気持ちの強さに

s氏も母の自由にさせようと

納得した



数年後

叔母の夫がなくなる

叔母は母と同居したいとs氏に依頼した



s氏は、母との同居を許した



これがs氏の

人生最大のミスだった



同居した叔母は

他人と自分の境界線がなく

物事を上下で見るタイプ



母と違って

人を愛し、愛されるという感覚をあまり持たず

損得勘定で物事を考える

金銭至上主義の人間だった



一見、外面は良い

常識的なことは言うし

人の良さそうな風貌から

周りには「良い人」と思われる

得なタイプ

末っ子の正確なのか

甘え上手で

究極の身勝手



伯父の残した遺産を使い

家をリフォームした

s氏の母としては

ある意味得な部分もあるので

ほっておいたのだが

そのうち叔母は

母の家に同居させてもらっているという感覚はなくなり

自分の家だと思い込むようになる



「お金がある人が一番偉いの」

いつも意味不明なことを言って

圧倒されてきた



s氏はその感覚が

不快だった



自分はこの人は愛せない

話を聞いていれば

こっちがおかしくなりそうだった




冷静に考えれば

叔母には家に住んでもらい

その家賃の上がりが

自分の収入となる


資産にしておいたほうがよい


お金にすると

こう言ったお金はすぐになくなってしまう

資産として残しておく方が

得なのはよくわかっている



しかしs氏は

家の売却のみにしか頭になかった



それには

s氏の心の中にある

母方の実家に対する「恨み」があった



s氏の左の親指には

深い傷跡がある

伯父の子供に切りつけられたのだ

s氏が8歳の頃

伯父の子供は7歳だった



伯父の子供は

農作業の鎌を使い

カンフーの真似事をして遊んでいた



伯父は学校の教師

鋭利な鎌で遊んでる息子に対して

注意をしなかった


遊んでいる最中に鎌の先端が外れ

鋭利な刃物が

s氏を襲った



刃物は左の親指を直撃

骨まで達した



当たりどころが間違えれば

s氏は伯父の息子に殺されていた



親指は、もぎ取られたが

その後の医師の処理が良かったのか

うまくつなぎ合わせることができた



あまりのことに

泣き出すs氏を

伯父は「泣くな」と一喝した

伯父にとっては

息子が将来と

自分の世間体が大切だったのだろう



父性を失うということは

こういうことなのだ



伯父もその息子も

s氏が鎌を避けれなかった愚かさをバカにし

一言も謝らなかった



その息子も

幸せな結婚をし

三人の子供に恵まれている



もし自分の子供が

命に関わるようなことになったら

ただではおかないだろう



s氏の母は

自分の子供が殺されそうになったとしても

ことの重大さを認知できないのか

それとも

心が広すぎるのか

夏休みになると

親戚の子供を家に招待して

歓待していた


s氏は

子供の頃のこの思い出は

一生忘れることができない



最悪にも

左手の親指には

それを象徴するように

その時の傷が

二度と消えない深い傷となって

残っている




その傷を見るたびに

あの事件を思い出すのだ

あの時の「恨み」から

逃れることができないのだ



s氏の母は

そんなことは、もう忘れてしまっているのか



実際、明るい性格の母は

多くの人に愛されていた



そして人を深く愛することを知っていた女性だった



人は誰でも

愛を求めながら生きている



人を愛するということは

自分のプラスのエネルギーを人に与えることだと思う

つまり

他の人のために自分の一部を分けようとする行為



愛されるということは

特に努力をしないようでいて

実はかなり犠牲的な精神が必要なのだ

人に愛されるためには

自分の壁や垣根を取り

相手が自分に入り込んでくるようにするわけだから

そのために

入り込んできた相手に振り回されたとしても

恐れてはいけないわけで



しかしながら

愛されるということは

愛し合うという行為につながっていく



落とし穴もたくさんある



s氏は愛に臆病だった



その理由は

両親の離婚にあり

父性を失うことで

親戚縁者にバカにされ続けてきたということの悔しさと恨み

忘れることができない



s氏の母は

自分の子供とは

親子としての信頼関係は築けなかった



しかし

親や兄弟姉妹

親戚や隣人を

とても愛しいて

そして、愛されていた



そのために

s氏は、好むと好まざるとに関わらず

親戚縁者に、心を圧倒され

乗せられ

騙され

裏切られ

時には感謝もされながら。。。



愛し、愛されるという行為は

おそらく一番難しい行為なのだと思う



人生は結構長い

人の心は変わる

良いところも、悪いところも

お互いに釣り合いをとる必要があるから




オープンで、心が開いているs氏の母は

若い頃はホテルの支配人として活躍していた

リタイヤして田舎暮らしを始め

地域の人ともうまくやっていた

母の家は

親戚縁者の憩いの場であった



s氏の母は

ある意味偏執的なナルシストでもあった

自分はすごい人間だと

どこかで思っていたのだと思う

実際女性一人で

一軒の家を購入できたわけだから

否定はできない



こういったタイプにありがちなのだが

自分の考えに沿い

思うようにコントロールできる人間ならば

問題がないのだが

自分とはタイプが違い

やりにくい人間に対しては

無意識に排斥していく



親子であっても

それは同じだった



s氏と母は

親子でありながら信頼関係を築けず

本当の親子になることができなかった



s氏の母の家は

自分の実家の兄弟姉妹

その子供たちの

憩いの場所となっていた



s氏は

自分の実家でありながら

自分の居場所がなかった



だからこそ

家を売却する決意をした

売却することで

叔母とも

親戚とも

この土地とも縁が切れる




水面下

s氏は、母方の家族を快く思っていなかった

それは、本人もなぜだか

わからない



家族が嫌なだけではなく

母の故郷自体

嫌っていた



s氏の母は

そんな自分の子供の気持ちが理解できない



s氏の母は、6人兄弟

田舎は長男がいれば

後はいらない



女性は子供が産めなければ

三年で里に返されるという風習があり

今でも子供が産めないと

女性として一人前には見てはくれない



s氏の母は

東京の大学に行き

就職

結婚

s氏を授かるも

離婚



田舎では、出戻り娘として

人格無視

田舎ではエラーは許されない

「傷物」として馬鹿にされる



一方長男は

遊びであちらこちらに「いたずら」をしても

家の恥にならないように

もみ消して

一家の長兄として

尊敬されるように

問題をもみ消していく



「家」を存続させるためには

仕方がないことなのだろうが



理不尽



当然出戻り娘の子供であるs氏は

家族にいたぶられて育った

















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