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=特集=司馬作品を歩く
産経新聞・連載記事紹介
(2016年10月23日) 『花神』〈2〉〜③
桂文珍さん 大村は《豆腐一丁と晩酌二本だけあれば人生事足りるという手軽な男》。人にご馳走する際も豆腐で、嫌な顔をする者には《豆腐を愚劣する者は、ついには国家をほろぼす》とおそろしい顔で言う。私心はないものの無愛想なうえ、徹底した合理主義は時に人の神経を逆なでし、反発や悪意を抱かれて最後には命取りになってしまうのだが、そんな大村にもかけがえのない存在と互いに認める人物がいた。 日本に西洋医学を伝えたドイツ人医師シーボルトの娘・イネと、大村に総司令官の才能を見出し長州藩に引き抜いた木戸孝允(桂小五郎)。イネの深い愛情は大村の生涯を豊潤なものにし、桂の熱い友情は大村を歴史の表舞台に押し上げた。 「フィクションのロマンスと歴史的事実を織り交ぜながら、大村の木訥(ぼくとつ)なキャラクターを際立たせる司馬さんの巧みな筆加減が見事」と文珍さんは感心する。
一八六五年、村田蔵六から大村益次郎へと改名し、いよいよ真価が発揮されるときがくる。馬に乗れず、刀の抜き方も知らない大村の初の実戦は第二次長州征伐(四境戦争)だった。百姓軍を率い、翻訳を通じて知った西洋式軍事技術を駆使して、幕府軍を各地で撃退。大村の作戦はことごとく的中し、指揮官としての声望が高まると、戊辰戦争の仕上げを任された。 旧幕府軍の上野・彰義隊を討つ計画立案の際は、江戸を火の海にしないために大火の歴史を調べ、大火となる条件やそれを防ぐ方法を探り、雨の日を選んで戦闘を開始した。さらに明治維新のシンボル、薩摩藩の西郷隆盛の危険性を見抜き、のちの西南戦争を予言するかのように 戦備を整えさせた。 「今でいうリスク管理を大村は徹底した。現代のヒントになる話が随所にあります」
と文珍さん。中国では花咲爺のことを「花神」という。
仕上げ人たる大村は、明治維新という革命の花を全国各地に咲かせる花神の仕事を背負っていたのだろう。だが、時代に乗り遅れた刺客たちに、視察中の京都で襲われ、またしても彗星のごとく突然、歴史の表舞台から姿を消した。大阪の病院で最期を看取った一人はイネだった。
「混迷する今の時代に求められるのはどんな人物なのか。(大村のように豆腐を肴に酒を飲んで考えようと思います」 |

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大河ドラマで大村益次郎を演じた中村梅之助さんのユーモラスな演技は、印象に残っています。
2017/3/20(月) 午後 6:40
> Komoyo Mikomotiさん、おはようございます。
ご訪問コメントありがとうございました。そうでしたか。ずいぶん前で記憶が薄れてしまっていますが、中村梅之助んさんの大村益次郎は、イメージにぴったり来ますね。
2017/3/21(火) 午前 9:45 [ らくがき楽ちん ]