のんびりと古代史

自分なりに「削偽定実」を試みる。

八面大王

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安曇野、科野、信濃

【「安曇野」と「信濃」、「科野」】
記紀には「安曇野」という地名は出てこない。
「信濃」、「科野」は記では神武記(神八井耳命の子孫)、紀では景行紀(日本武尊の東征)に出てきている。
このことは遅くとも記紀が完成した頃には、長野県の安曇族は仁科氏に制圧されたと考えて良いことを示している。
八面大王は8世紀はじめには仁科氏によって滅ぼされて、「安曇野」は「科野」、「信濃」となっていたと考えられる。
 
【神八井耳命の血統を引き継ぐ「科野国造」】
神武記に記された神八井耳命の子孫の中に「科野国造」が出てきている。
神八井耳命の子孫は「意富君」をはじめ、「火君」、「大分君」、「阿蘇君」、「筑紫三家連」など九州関連の名前が多い。
「科野国造」も本来は「安曇国造」で、安曇野を支配していた安曇族のことを指していたのかもしれない。
 
【『仁科濫觴記』八面大王説話の伝の乱れ】
『仁科濫觴記』では、延暦8年(789年)朝廷の命を受けた仁科和泉守が、田村守宮を将軍とした一軍に八面大王を攻撃させて退治したと記されている。
この話は有明山麓を本拠とする八人の首領を持つ盗賊集団「鼠族」(八面鬼士大王を名乗る)を退治した時の記事である。
八面大王と八面鬼士大王が同一かどうか甚だ疑問である。
八面大王伝説には、口承伝承にありがちな伝の乱れが多く、登場人物や年代などそのまま受け入れることができないことが多く含まれている。
八面大王を滅ぼした将軍は坂上田村麻呂となっているが、これなどは話を伝える時に、話者が主人公を有名な坂上田村麻呂にした方がインパクトが強いので悪気なく変えたものだろう。
坂上田村麻呂が主人公として定着すると自ずから時代は田村麻呂が活躍した時代の出来事となり八面大王は800年頃の人ということになってしまう。
同じころに起こった盗賊「鼠族」退治説話を八面大王と結び付けてしまったのではないだろうか。
 
【安曇野→科野が示す権力の交替】
記紀が8世紀初めに「安曇野」を使わずに「科野」、「信濃」を使っていることから、安曇族は記紀成立前に仁科氏によって制圧されたと考えられる。
仁科氏による安曇族征圧の物語が八面大王伝説となったのではないかと思う。
八面大王征伐は8世紀初めの出来事ではないだろうか。
八面と八女、福岡の八面山との名前の一致、安曇族の移動、高良玉垂宮の存在(松本市幅)、穂高神社のお船神事、このように八面大王の周辺には九州との幾重ものつながりがある。
八面大王伝説は九州王朝の滅亡説話であり、九州王朝が安曇野の地で最期を迎えたのではないか推理している。

閉じる コメント(6)

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こんにちは〜!
安曇野に九州王朝の王統が来ていたと思えますね。
志賀海神社の枕詞「八つの耳きく志賀の浦。「八」に拘った神事。
天武天皇の安曇野遷都調査。
いや〜、想像はどこまでも続きますね〜。

2013/6/17(月) 午後 5:50 [ はぎのお ]

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はぎのおさん、こんにちは。

「八つの耳きく志賀の浦」、八面大王にもつながりそうです。
はぎのおさんの賛同を得ると百人力です。

2013/6/17(月) 午後 5:55 [ 記紀いっぱつ ]

(^。^)、、

九州王朝があったという事実、、その最後はちょっと悲しいものがありますね。
鼠とか、土蜘蛛とか、蔑視した言葉が目に付きます。
古代も結局、大和も九州も、殺戮の歴史ですか。
出雲にも隠された真実がたくさんあるでしょうね。
ネットでも凶暴な出雲族なんてものもみたことがあります。

2013/6/17(月) 午後 6:29 さんせい

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さんせいさん、こんばんは。

相手が強力であればあるほど、戦いが済んだ後侮蔑する傾向があるようです。
永い間被差別部落で苦労した人たちの祖先は
王族だった可能性が高いという話をよく聞きます。
生きるための戦いをしていた頃は考え方の基準が全く違っていたようですね。

2013/6/17(月) 午後 8:54 [ 記紀いっぱつ ]

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安曇族、出雲族について調べていて、こちらのブログを拝見させていただいてます。内容が濃く面白くて、しばらく読ませていただきます。よろしくお願いします。
日本人がどこから来たかを調べておりましたら、古代の豪族に行き当たりました。
きっかけは、自分の母方遺伝子検査で日本にわずかしかいないことでした。
古代史において、遺伝子検査が今後、重要になると思います。
そして、小学校から習っていた歴史に、矛盾や違和感があったのですが、解決するではないかと思います。

2019/2/3(日) 午前 9:03 [ ぽよ ]

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> ぽよさん、ご訪問&コメントありがとうございます。

日本人がどこから来たか、わかりそうでわからないようです。
ゲノムの解析などの技術が進んでいるようですが、縄文人のDNAのサンプルが少ないのではないでしょうか。
ご自分の遺伝子からルーツを探る、最も関心が強いことですね。
今後ともよろしくお願いします。

2019/2/3(日) 午前 10:10 [ 記紀いっぱつ ]


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