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古事記では、
素戔嗚尊の子八島士奴美神(やしまじぬみのかみ:母櫛名田比賣)から
大国主命の子孫遠津山岬多良斯神(とほつやまさきたらしのかみ)までを
十七世神と称す、として十五神の名前を挙げている。
素戔嗚尊は天照大神と「天の安の河の誓約」を行っているので同世代である。
天照大神は大国主命に対して国譲りを迫っているのでやはり同世代である。
したがって素戔嗚尊と大国主命は同世代である、
ことについて疑う余地はないのではないだろうか。
無理が通りやすい古代史の世界でも否定できないと思う。
ところが、古事記の世界ではそうではないらしい。
素戔嗚尊の6世孫に大国主命が入る系譜を堂々と入れている。
古田武彦氏は「盗まれた神話」の中で、
素戔嗚尊の出身母体である天国を出雲国より優位に持っていくために、
大国主命の系譜を素戔嗚尊の下に挿み込んだものであるとして
古事記編集者の作為を見抜いている。
その作為によって我々には願っても得られない貴重な史料が残されたことになる。古事記の言う「十七世神」の系譜である。
どこでどう数え間違いがあるのかわからないが、
実際には15名の名前が列挙されているのに、
「十七神」と書かれている。
(大国主命の子、阿遅鉏高日子根神と事代主神を加えたのかもしれない)
岩波版注にも「実数は十五世」と出ている。
あまり貴重なので、あらためてここ二十五名分転記することにする。
天国側の系譜は伊弉諾尊、伊弉冉尊まで一代しかさかのぼれないが、
出雲は八島士奴美神まで4〜5代さかのぼることができる。
出雲が天国より先に繁栄していたことの傍証になりそうだ。
①八島士奴美神
→②布波能母遅久奴須奴神(ふはのもぢくぬすのかみ)
→③深淵之水夜禮花神(ふかぶちのみづやれはなのかみ)
→④淤美豆奴神(おみづぬのかみ)
→⑤天之冬衣神(あめのふゆきぬのかみ)
→⑥大国主神→⑦鳥鳴海神(とりなるみのかみ)
→⑧国忍富神(くにおしとみのかみ)
→⑨速甕多氣佐波夜遅奴美神(はやみかたけさはやぢぬみのかみ)
→⑩甕主日子神(みかぬしひこのかみ)
→⑪多比理岐志麻流美神(たひりきしまるみのかみ)
→⑫美呂浪神(みろなみのかみ)
→⑬布忍富鳥鳴海神(ぬのおしとみとりなるみのかみ)
→⑭天日腹大科度美神(あめのひばらおおしなどみのかみ)
→⑮遠津山岬多良斯神(とほつやまさきたらしのかみ)
古事記には母の名前まで出ている。
今後何らかの金石文や木簡が出雲から発見された時に、
十五神の名前が見いだされたりすると面白いのだが、
と淡い望みを抱きながら書き出してみた。
出雲については今週から始まる
「神話博しまね」(7月21日〜11月11日)を
興味深く紹介してくれているブログがあるのでご参照ください。
本日は大国主命について紹介されています。
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2012年07月17日
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