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【オリンピック招致について】
オリンピック招致をめぐる贈収賄問題が後を絶たない。ロス五輪頃からだろうか、オリンピックがプロ化の道を歩み始めるとオリンピックを金のなる木と考える人々の暗躍が始まる。自国の利益のために国を挙げての招致活動も活発化していく。前回のリオ五輪のオリンピック委員会の会長は大会終了後に贈収賄容疑で逮捕されたという。竹田会長が退任すると2大会続けてナショナルオリンピック委員会の会長が失脚することになる。昨今ではオリンピック開催の経済的な効果に疑問が持たれるようになり立候補する都市が限定的になっているとも聞く。
【東京開催決定まで】
バブル崩壊以降日本の経済的な停滞は長期泥沼化していて活路の見えない状況が続いている。「アベノミクス」が突破口になったかどうかは賛否両論別れるところだろう。東京都知事だった石原慎太郎は1964年の東京五輪の夢をもう一度とばかりに2016年開催に立候補したが、リオデジャネイロに破れて落選した。ロビー活動に弱点があった(金の使い方が悪かった)と総括したらしい。2020年開催に再度立候補する時に前回の失敗を教訓に万全の活動を行った(充分な資金を効果的に使った)のであろう。その結果が今回の竹田会長による贈収賄問題に進展している。
【なぜ竹田会長が矢面に立っているのか】
竹田恒和会長は竹田宮恒徳王の三男。父は昭和天皇の従弟に当たる。竹田会長自身は皇籍離脱後の生まれなので皇族の経験はないが貴種であることに変わりはない。馬術競技でオリンピック出場経験があるということでJOC会長に祭り上げられたのだろう。このような形で血統の良い人がトップに立つ場合、何もせずに組織の象徴的な存在としておさまることが多い。周囲にとっても何もせずにいてくれた方が都合がよいのが常である。東京開催招致のために行った贈収賄問題の当事者として竹田自身が矢面に立たされているのはどういうことか。誰かが竹田会長を前面に出して汚れ仕事を押し付けてしまったのかもしれない。招致活動を仕切る立場の電通がロビー活動の効果を高めるために相手先に対して竹田会長の名前を使ってしまったのではないかと想像しているが確信はない。
【失敗した貴種の扱い方】
「王は君臨すれども統治せず」は18世紀の初めのイギリス議会で英語が話せないドイツ生まれのジョージ一世をまつりあげて、実質的にウォルポール内閣が政治をコントロールし始めた時の言葉。日本では、大宝律令が制定された8世紀はじめから天皇をまつりあげることは行われている。まだ少年である文武天皇、その後の元明、元正の女性天皇を皇位に就けて実質的に政権を動かしていたのは藤原不比等。不比等は君臨するだけで統治をさせない天皇制を作り上げていた。イギリスより1000年も早い時代のこと。
JOCも皇族の血をひく竹田恒和を会長に据えるならば、「君臨すれども統治せず」の考え方を踏襲しなければならなかった。今回の事件のように泥をかぶせてしまっては何のために会長にいただいたのかわからなくなってしまう。貴種の使い方を誤ったということであろう。歴史的に古代より日本では行われてきたことであるが、現在の象徴天皇制にも通じる貴種の使い方を今回の事件を教訓にして今後失敗しないようにしなければならない。現場を取り仕切る立場の人が象徴の権威を安易に利用しようとすると今回のような不手際につながってしまう。そのような感想を抱く事件である。
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