航跡舎

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大瑠璃

森が見えなくなったのは森に迷った証拠だ。木の影に古い記憶が潜んでいて、静かにこちらを窺っている。亡くしたものを捜すときには森に迷えばよい。むしろ少女はねむるように森に入っていったのだから。 激しい大瑠璃の声が飛び交っている。この森はもともと畑地に違いない。青い苔の下に畦道の跡が残っている。このあたりは段々畑に違いない。しばらく歩くと苔むした大木の向こう側に陽だまりになった小さな草地が見えてきた。あるいは、それは森に住む独り暮らしの老人の自家菜園かも知れなかった。そこだけが光に満ちていて、白い帽子の少女が大きな昆虫採集の網を振り回しながら飛び跳ねている。 遠くから呼ぶ声がしている。ところが少女は背中を向けて決して振り向かない。その声は森のもっと深いところから聞こえてきた。少女は降り注ぐ金色を通り抜けて不思議な時間に立ち止まった。 すべて表示すべて表示

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自費出版から自己出版へ!

2018/8/29(水) 午前 1:38

自費出版から自己出版へ! 作家は簡単に出版社を作ることができる。 そこで、自費出版から自己出版社へ切り替えることを検証することにしました。 自費出版とは出版社を持たずに出版社にお金を払って出版することですが、こ ...すべて表示すべて表示


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