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湯けむりの別府〜第11回
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「標高1,375メートル」
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去年の11月下旬の、別府旅行記。
連載の、第11回目です。
今回は、温泉と地獄めぐり以外の別府の見所を。
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平坦な道だったとしたら、
歩いて18分くらい、でしょうか?
でもそれが、高低差となったとき、
世界が変わるほどの環境の変化があります。
車を使えば、別府の市街地から、
あっという間に着く山、
標高1,375メートルの、鶴見岳は、
別府を訪れた際には、ぜひ行ってもらいたい場所です。
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ロープウェイに乗る前の、晩秋の空気は、
山頂駅に着くと一変し、もうそこは、冬、でした。
実際、この後間もなく、雪が積もったと聞きますから。
もうすっかり枯れてしまった草と、葉のない木々の中を、
ゆっくり山頂へ向かって歩きます。
冷たい空気の中、辺りを見回すと、
近隣の山々の美しい稜線、そして、
別府湾を包むように広がる、日本を代表する温泉町が、
眼下に広がっています。
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高い場所から、街を見下ろすとき、
二つのことを、いつも思います。
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一つは、音。
街では、いろんな音が溢れていて、
それが、街の一部でもあるのですが、
こうやって、高いところから見ていると、
その音は、ほとんど届いてきません。
街の営みは見えるのに、音のしない風景。
騒音の中で、見過ごしてしまっているものは、何?
と、何かを探してみたいような気持ちになります。
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もう一つは、環境。
高いところでは、わずかな距離を隔てただけで、
気候は激変します。
今見ている、この街の気温と、今いる場所の気温は、
明らかに、差があります。
当たり前、と、おっしゃるでしょう。
でも、今与えられた環境というのは、
奇跡的なものであって、
いろんな条件が満たされて、微妙なバランスの元、
成り立っているとも、言えるのではないでしょうか?
ほんの少し、何かが変わると、
私たち人間を含む動物や、植物にとっても、
大きな影響があるのだということを、
思い知ります。
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今回の写真は、鶴見岳の山頂付近から撮った、
別府市街地の様子。
湾に船があって、航跡が白くついていますね。
みなさんは、こんな光景を目にしたとき、
どんなことを、思うのでしょう?
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