着物あれこれ

もっと着物を楽しみましょう!

私どものサイト「きものの出張着付け」を始めて 5 年を越え、そこに書き込んできた小文をトピック毎にまとめて、こちらに転載することにしました。 不定期の更新になるかと思いますが、着物のあれこれ、目に留めていただければ幸いです。

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着物着付け教室「装道」を運営する経営母体が民事再生法の適用を申請されたとのニュースが流れました。 営業は継続されるとのことですから、在籍されている生徒さんにはあまり問題が起こらないのではないかと思われますが、できるだけ早く、新しい体制で捲土重来を期していただくよう切に願っています。

「装道」で学ばれた方は格段に多く、ご自分で着物を着付けるだけではなく、着付師になられたり、着付けを教えておられたり、さらには、着物の販売に関わっておられる方も多数いらっしゃいます。

ただ、着付師は国家資格ではありません。 茶道・華道・日本舞踊のようにいくつかある上部団体の認定資格です。 本来ならば、美容師が最も適切ではないかと思えるのですが、和装も日本髪も学ぶことなく資格の取得が可能なのです。

さて、「装道」が新しく生まれ変わられるのであれば、今の時代に沿った取り組みが必要ではないかとの思いに、どうしてもたどり着いてしまいます。 若い世代に、もっと着物の魅力をアピールされること、言い換えると、今の時代にも合うファッションの一つであることを認識してもらえるように尽力して欲しいのです。

先ずは、誰にでも、より早く気楽に着られるように、着付けの基本に立ち戻られるよう願っています。 「装道」が生まれたのは、先の東京オリンピックが開かれた年とのことですが、特徴は、補正材の開発・普及でした。 確かに、それ以前に着付けを覚えられたり、習ったりした方には、「補正」が手順の中にはありませんでした。

昔から行われている通り、ごく自然に着付けるのが基本で、どこか身体的にハンディがあれば、その部分を補正していたのです。 もちろん、殆ど動かないですむ花嫁さんには、写真写りがいいように少々の手心が加えられることはあったようですが …。

もちろん、もともと日本には補正をする歴史などありません。 ヨーロッパではバッスルといった腰を膨らませる手法もありましたが、19 世紀末から 20 世紀初頭にかけて広まっていったウーマンリブの運動は、まずかようなうっとおしい補正材から解き放たれる、何枚も重ねられていた下着類を少なくすることが、実行動でした。

洋服と違って、反物を直線裁断して縫い上げられていますから、体にまとえば、どこかにしわがよるのは避けられるものではありません。 それを克服して美しく仕上げるのが着物の着付けだと考えるべきでしょう。 糸を解いてしまうと、又、反物に戻るというリサイクルを念頭に置いた着物なのです。

20 歳の女性が、せっかく和服に興味を持っていただけても、着付けに時間がかかる、うっとおしい、ついには太って見える、着物は似合わない、と言われてしまう、これを「成人式トラウマ」と言われているようですが、かようなことでは、次の機会が生まれるわけもありません。 その上、着物は筒形に仕上げるもの、などと言ってしまっては、もう振り返っても貰えそうにありません。

女性が持つ本来の美しさを十分に引き出す、又、それぞれの持つ個性を導き出すことが、何よりも着付けの基本であるべきだと考えます。 2020 年には次の東京オリンピックが開かれます。 着物に憧れを持ってお見えになる海外からのお客様の期待に違えぬ努力を続けることが、今、一番求められます。

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紗栄子さんの着物姿

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モデルの紗栄子さんが、着物の着付けを習い始められたと Instagram で報告されているとのことです。 実はこのブログ、2 年前の初投稿が「着物の襟が左前」と題したものでした。 その中で、更に 1 年以上前、紗栄子さんの着物姿の襟合わせがおかしいと、ネットでひと騒ぎが起きたことを書いています。

プロの着付師が着付けられたのでしょうから、もちろん、左前に着付けることなどありえません。 この時は、片方の肩に柄があるお着物で、柄は左肩にあるはずですから、単に写真が裏表になってしまったことを簡単に見破ることができました。

今や、映像は全てデジタルで、誰でも使えるソフト(アプリ)で簡単に加工できてしまいます。 もう少し細く見せたかったら、縦・横の比率を変えることもできますし、最近、Google が下手なイラストをプロ並みのイラストに変えてくれるものまで作ってくれたようです。

今、俳優よりモデルの方が着物を着る機会が多いように思います。 TGC でも着物関連の企業がスポンサーの一つになっているくらいですから、必ず着物姿が見られるようですし、モデルに着物大好きの方が多いように思います。 杏さんのみならず、冨永愛さんも着物に夢中な様子が紹介されていました。

さて女性の着物のお着付けでは、洋服の前合わせとは逆になりますから、確かに注意が必要です。 さすがにお着物でかような間違いは殆ど無いようですが、残念ながら、夏の浴衣では街中でしばしば見かけてしまいます。

着物でも、長襦袢も着物もちゃんとできているのに、あわててしまったのか、一番下の '裾除け' だけが逆になっていたなどと、とても笑いごととは言えない失敗も起こりかねません。 歩きづらくうっとおしいことになってしまいますので、その時は、思い切って '裾除け' を外してしまう他ありません。

ところで、今回の紗栄子さんのお着物は縞柄です。 本当に左前に着付けて、写真を裏返すとどうなるでしょう。 彼女の熱狂的なファン以外、見破ることはできないかもしれませんね! でも、彼女ならやりそうではありませんか?

いずれにせよ、このブログを書き始めるきっかけを作ってくれ紗栄子さんに筆者としては、やはりちゃんとお礼を言わなければいけないでしょう。

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「時代劇で着物姿が似合わない女優」を選ぶアンケート調査の結果が記事になっていました。 やっぱり無視するわけにもいかないので、私見を述べてみましょう。

お着付けを依頼されるお客様にも、「私には着物が似合わない」と思い込まれておられる方が多数いらっしゃいます。 それでも、お仕上がりの後には、大変満足され、'似合わないトラウマ' から開放されたようで、とても喜んでいただいています。 その後、しっかりとレッスンを重ねられて、とうとうご自分で着られるようになられた方もいらっしゃいました。

おそらく、着物を初めて着用された時の経験が芳しくなかったのでしょう。 太ってみえる、うっとおしい、すぐに着崩れる、といった言葉を口にされた方もいらっしゃいました。 どうも、お着付けに問題があることが多いのではと感じています。 着物のせいにしては、着物がかわいそうです。 着物もドレスと同列に置いてください。

さて、この記事では、'時代劇で' との条件が付いていますが、やはり、着物とかつら無しでは時代劇は成立しません。 本来、既婚者は歯を黒く染める 'おはぐろ' の習慣があったはずですが、さすが、映画でも TV でも殆ど見ることはありません。 つまり、当時の習慣を削りに削って、'着物とかつら' が時代劇のシンボルになったのでしょう。

従って、時代劇で「かつら」が似合わないと言われてしまっては、もう抗うことができません。 ただ、着物と同様、かつらも人の手で作られるものですから、工夫を重ねられているはずです。 TV の「八百屋お七」で前田敦子さんのおでこが広すぎるといったコメントもあったようですが、きっと広い方が可愛いと考えられたに違いありません。 何せ、お七が火刑に処せられたのは 15 歳くらいなのですから。

女優さんそれぞれ、これまでに築いてこられたしっかりとしたイメージをお持ちです。 そこで、思いがけなくも着物やかつら姿を見せつけられれば、ファンの方が違和感を感じられるのは避けられないことでしょう。 やはり女優さんですから、演技力を磨かれることが、最大の説得力になるのではないでしょうか。

そして、「時代劇で着物姿が似合わない女優」のトップに立たれたのが、何と土屋アンナさん。 確かに日本人離れしたお顔だちではありますが、例えば、上に掲載した写真はシーボルトのお嬢さんとお孫さん。 今の時代に出会うことができればと想像するくらいですから、顔立ちだけで評価するのもおかしいと思います。

土屋アンナさんが着物を着ておられる映像はよく目にすることができます。 いずれも、屈託のない笑顔とさりげない所作で、心から着物姿を楽しんでおられることがよくわかります。 それもそにはず、お母上は着物着付けのプロ、アンナさんご自身も小さい頃から、お祖母様の着物をよく着せられていたとのこと。 筆者は、土屋アンナさんを、「着物の着こなしが見事な女優」のナンバーワンに選びます。

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イメージ 1藤原紀香さんが愛之助さんとの婚約を発表をされたちょうど一年前、紀香さんの着物姿に何故かバッシング! とても気の毒に感じました。 着物の知識も、着らる機会も少ない方の的外れの発言に驚かされたのですが、メディアの写真などを拝見させていただく限り、今はもう見事に着こなされています。

ファッションショーへの招待に、おそらくただお一人、白地の訪問着で現れられたようですが、確かに、ブレの無い着こなしは周りを圧倒するほどの存在感であったに違いありません。

紀香さんだけでなく、歌舞伎役者の奥さんになられた三田寛子さんも小林麻央さんも、当初は着物を着ることに大奮闘されたはずですが、その後、着物を着られる頻度は格段に高いので、すぐにご自身なりのお着付けを身に付けられるようです。

一般的には、たとえ着物がお好きであっても、それほど着物を着るチャンスが巡ってくるわけではありません。 せっかく着付けを覚えたのに、実際に着るとなると、なかなか思うようにはいかないのが現実なのかもしれません。

時には、普段のお買い物にカジュアルなお着物でお出かけになられてはいかがでしょうか? 必ずや帰宅されたご主人は着物姿を新鮮に感じられ、きっと喜んでいただけることでしょう。

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袴姿の小学校卒業生

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3 月 9 日付けの「中日新聞」に、「小学卒業式、増える袴姿 華美な衣装、自粛呼び掛けも」と題する記事を見かけました。 一瞬、「大学」と見間違えたのかなと、思ったりしてしまいました。 記事によると、名古屋圏では、昨年 3 分の 2 が袴姿で卒業式に出席するという例もあったそうです。

大学の卒業生と同様、衣装をレンタルされるケースが多そうで、レンタル料が 2、3 万円、それにお着付け、ヘアメイクまで含めると、親御さんには相当なご負担になってしまいます。 その上、お子様が袴姿であれば母親も着物を、ということになれば、もう「我が家では到底無理」との言葉が上がるのは当然でしょう。

ただ、小学校でも、着物姿の入学式、卒業式を続けておられるところもあります。 入学式で有名なのは、岩手・大船渡の綾里小学校! さすがに大地震の年はとり止めになつたようですが、それでも毎年続けておられるようです。 長く続かせる為に、おそらく、互助体制といった工夫にも心配りがあるものと想像しています。

卒業式の方は、京都府北部、丹後縮緬の産地、与謝野町の小学校で、こちらはむしろ当然の成り行きかもしれません。 地元産の縮緬地の和服に袖を通すことは誇りでもあり、忘れがたい思い出となるのは間違いありません。

さて、とりわけ名古屋地区で、小学校の卒業式に袴姿が増えたのでしょうか? 確かに、子供たちも七五三などで着物にも馴染みがあり、さらにはアニメ「ちはやぶる」の影響も大きいのかもしれません。 ただ、何と言っても、お子様たちの母親が大学卒業時に袴姿を経験しておられることが、最大の後押しになっているのでしょう。

私どもは、入学式や卒業式でのお子様の袴着のお着付け経験こそありませんが、お母様の晴れ着や先生の袴のお着付けはよく承ります。 以前、お子様の入学式にお母様が着物で出席されたいとのことで、お着付けを予約され、その日をとても楽しみにされていたのですが、予定の数日前に突然キャンセルされてしまいました。

事情をお伺いすると、'着物を着る' ということだけで、どうも他の親御さんから冷たい無言のプレッシャーを受けられたようで、それをご自身が我慢するのはまだ良いとしても、これがもとで、お子様がいじめでも受けたら、耐えられないとの切実なお話しでした。 公立の小学校であれば、まだ、このレベルが、今の「標準」ではないかと思われます。

もちろん、お子様には何の罪もないし、小さい頃から和装に接するのは、国際交流が一層深まるであろう今後のことを考えると、とてもいいことですし、より多くの機会が生まれればと願ってはいるのですが、やはり、単純には割り切れないところも感じます。 ぜひ皆様のご意見もお聞かせください。

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