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3月26日、私は友人の駒田一さんが主演しているミュージカル「サ・ビ・タ」再演の初日を観劇した。場所は下北沢の本多劇場。かつての小劇場ブームの象徴ともいえる劇場なのだが、出演俳優が3人という規模のミュージカルにはぴったりの劇場だ。
「サ・ビ・タ」はもともとは韓国で95年に産声を上げた作品で、ソウルの大学路という小劇場が集まる地域でロングラン上演されてきた。
簡単にストーリーをご紹介しよう。ある雨の日、ドンウク(駒田一)は一人で妹弟を迎える準備をしていた。この日は兄妹にとっては特別な日。そこに数年ぶりに弟のドンヒョン(山崎育三郎)が帰ってくる。何かしらのナゾを感じさせる弟の行動。と、そこにいきなり現れたユ・ミリ(原田夏希)というおっちょこちょいだがチャーミングな若い女性。彼女は仕事中に部屋を間違えて訪問したのだった。3人が一つの部屋で巻き起こすトラブル。ところが不思議なことに、3人が抱える思いはなぜか和らぎ、愛情に満ちた空気が広がっていく。
「サ・ビ・タ」は特にドラマティックなストーリー展開があるわけではなく、どちらかというと日常の生活の中に普段は隠れていて、私たちが感謝の気持ちを忘れがちな価値観をそっとあぶりだしてくれるような作品だ。韓国も競争社会が進み、儒教的な価値観が薄らいでいるとも言われる中、何が大切なのかをそっと提示してくれるような、とてもオーガニックな作品になっている。
日本版「サ・ビ・タ」において、キャストの魅力が作品に直結していると感じた。駒田さんは妹弟思いの兄をユーモアいっぱいの演技で表現していて、素顔の駒田さんともかなり近い感じがする。山崎さんはイケメン俳優の一人だが、ここでは強さと優しさが同居する弟の複雑な感情を丁寧に演じている。原田さんはとにかくチャーミングで、どこか韓流ドラマに出てくる美人女優の雰囲気を漂わせながら、天真爛漫なユ・ミリを好演している。
駒田一さんは「サ・ビ・タは僕にとっては愛情一杯の作品です。上演が続く限り、ずっとドンウクを演じていきたいです」と、私にも語ってくれた。
不況の影響もあって、日本でも昔ながらの大切な価値観が磨耗されている気がします。もし、あなたが何かに疲れていたり、元気が出ないとしたら、私はこのミュージカルを強くおススメしたい!
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