立花裕人のFREEWAY

フリーキャスターで、作詞家としても活動する立花裕人のブログです!

コンサート

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 私がポップスを聴くようになったきっかけは、中学2年の頃にさかのぼる。ラジオから流れてきたクイーンやイーグルスのサウンド、カーペンターズの歌声などに心打たれたのだ。私が青春時代を過ごした70年代にはAORと呼ばれるソフトなロックが流行り、シンガーソングライターが次々に現れては、泡のように消えていった。
 その中で、キャロル・キングとジェームス・テイラーは別格の、実力と人気を併せ持ったアーティストだ。キャロルは50年代の終わりからドリフターズ等に曲を提供する売れっ子ライターだったし、ジェームスはその艶のある透明感のある歌声で私の心を魅了した。余談だが、ラジオで竹内まりやさんにインタビューした際、もっとも好きな歌声として、まりやさんはジェームス・テイラーの名前を挙げていた。
 その2人のコンサートがあると知り、私にはかなり珍しく先行予約でチケットを入手したほどだった
 
 4月16日(金)、私は学生時代の音楽をきっかけに仲良くなった友人とともに、冷たい雨が降る日本武道館へと足を運んだ。想像はしていたが、観客の平均年齢はきわめて高い。40代の後半から50代にかけてがメインで、コンサート自体に来たのも久しぶりという人も多かったのではないだろうか。少し残念だったのは、多くの人が元気には見えなかったこと。おそらく、仕事をめぐっては抱えているものも多く、不況の波を真正面から受けている世代だと思う。だからこそ、夢ふくらませていたあの頃に戻るため、決して安いとはいえないS席1万5千円のチケットを入手したのだろう。
 
 私は当初、2人は別々に歌って、最後にジョイントライブになるのかと思っていた。しかし、そうではなく、ギタリストの一人がジェームス、キーボードの一人がキャロルという感じに一つのバンドという形式を取り、それそれの曲を順番に演奏する形だった。キャロルが歌う際にはジェームスがコーラスとギターを担当、ジェームスが歌う時にはキャロルがサポートに回っていた。
 演奏曲目は二人とも初期から中期にかけての曲が多かった。キャロルは大ヒットアルバムの「つづれおり」(タペストリー)からがメインで、ジェームスも初期の頃がメインだった。彼には「JT」という名盤があるのだが、ここからの曲がなかったのは残念だった。この頃は歌手のカーリー・サイモンと結婚していて、その幸福感がサウンドに現れていた。あの頃は彼にとってはタブーなのだろうか?もしくは、カーリーを取られてしまったドラマーのラス・カンケルが一緒だったこともあって、何か気まずい雰囲気になるのを避けたのだろうか?
 そのような詮索はさておき、二人の歌声は素晴らしかった!ジェームスの昔ながらの艶のあるヴォイスは健在だし、キャロルはアップテンポのナンバーで観客を総立ちにさせていた。
 驚いたのはキャロルが現在68歳であるという事実。30代の頃よりもチャーミングになったような気がしたし、会場全体への気配りはとても初々しかった。このように年を取りたいものだと、妙なところで感心してしまった。
 会場全体がもっとも感動したのはアンコール前のラストナンバー、「きみの友だち」(YOU'VE GOT A FRIEND)が演奏された時だ。この曲を作ったのはキャロルだが、後にジェームスもヒットさせている、いわば二人の架け橋のような曲だ。二人のしっとりとした歌声と歌詞の素晴らしさに涙している人が何人もいた。
 
 決して派手でなないが、とても心に染み入るライブだった。コンサート開始前よりも終わってからのほうがみんなの顔も元気に見えた。そして、私はシンヘソンさんらに歌詞を提供しているが、作詞家としての原点もこの時代にあったのだなと、あらためて認識することが出来た。

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