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音楽座ミュージカルの「リトルプリンス2011」を私は2回観た。率直に言うが、とにかく素晴らしい舞台だ。
原作はサン=テグジュペリの「星の王子様」。子供向けと推奨されながらも、子供には難解とも評される
作品をエンタテイメント性にあふれ、さらにメッセージを私達の心にしっかりと届くように伝えてくれる。
王子を演じるのは高野菜々さんと宮崎祥子さん。二人ともとても良いのだが、宮崎さんは舞台でねん挫する
アクシデントに見舞われ、東京公演を降板することになってしまった。好演していただけに残念だ。
宮崎さんの分もしっかりカバーして熱演しているのが、ここ数年の音楽座ミュージカルの舞台では主演を
つとめることが多い高野さんだ。もともとボーイッシュな雰囲気も似合う女優さんだけに、王子役はぴったりだ。
初々しさとともに余裕も見えてきている。そして、歌唱力で王子の切なさも表現している。
飛行士を演じているのは安中淳也さんと柳瀬亮輔さん。安中さんは好青年を演じさせるとピカイチだが、
今回は精神的に苦悩する飛行士の内面を見事に表現していて、今回の演技でさらに一皮むけたと言っても
いいだろう。これからがますます楽しみになってきた。
赤い花を演じる井田安寿さんはさすがにベテランならではの円熟味で、花の華やかさと苦悩を切なく演じて
いる。
キツネを演じる広田勇二さんはおどおどしながらも、徐々に王子との友情を深めていくキツネを素晴らしい
演技力で好演している。客席で涙を流す人がもっとも多い後半のクライマックスシーンだ。
今回は舞台美術も見事で、一枚の大きな幕で砂漠を表し、ときには空をも表現する。想像力をかきたてる
仕上がりになっていて、音楽座ミュージカルの底力を感じる。
私が今回もっとも感動したのは、音楽座ミュージカルがこの作品を通して、私達の生活で一体何が大切で、
何をおろそかにしてしまっているかを提示してくれていることだ。
震災があって、私を含めた多くの人の価値観が変わってきている今、「リトルプリンス」は感動と教訓を
しっかり心に刻みつけてくれる。
最近の音楽座ミュージカルの中でもベスト作品の一つに挙げられる仕上がりになっている。
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