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私が「シカゴ」を観たのは今回で3回目だ。1回目は数年前にアメリカのカンパニーの公演を東京で観劇。2回目はリチャード・ギアやキャサリン・ゼタ・ジョーンズ主演の映画版。そして、10月7日に赤坂アクトシアターで観た今回の公演が3回目となった。
結論から言うと、私の中では今回がベストだった。最初に観た公演の内容を完全に覚えているわけではないのだが、出演者のキャラクターもあるのだろうか、よりポップに、よりエンターテインメントの要素が増加しているように思えた。
出演者の中でもっともチャーミングなのがロキシー・ハートを演じるビアンカ・マロキンだ。ビアンカはもともとはメキシコ出身で、ラテンの明るいキャラも幸いしているのか、不幸ながらも魅力的なビアンカを好演している。とにかくスイートな女優で、私の目も絶えず釘付け状態だった!
弁護士のビリー・フリン役の男優はトム・クルーズを渋くしたような顔立ちで、見覚えがあると思ったら、あのバックストリート・ボーイズの元メンバーのケヴィン・リチャードソンだった。特に演技が傑出しているわけではないが、舞台に登場した時に感じさせるオーラはさすがである。
今回の公演の話題の一つになっているのが大澄賢也さんの参加だ。大澄さんのダンスの実力は多くの人が認めているところで、7年前の「FOSSIE」の来日公演にも加わっている。今回もダンスの実力は素晴らしいと思うのだが、周りとのコンビネーションという点ではやや疑問符もついてしまった。なぜか、大澄さんが一人浮いているように見えてしまうのだ。気負いのせいなのか、本人のオーラのおかげなのかは分からないが、少し残念だった。もちろん、日本人としては大澄さんの世界の舞台でのこれからの活躍には大いに期待している。
今年は世界的に景気が悪い。仕事に忙殺され、会社の奴隷になっていると感じるサラリーマンも多いはずだ。苦しい世の中だからこそ、その中で何らかの前向きなメッセージを得たい人も多いだろう。
今回の「シカゴ」がベストと感じたのは演出的な要素もさることながら、殺人犯のレッテルを貼られながらも、しぶとくしたたかに生きていこうとする女性達に男としても共感できる今の時代のせいなのかもしれないと、アクトシアターからの帰り道にふと思った。
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