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完璧なコンサートであった。声や鍵盤に魂が乗ると、人はここまで心を揺り動かすことが出来るのだ。
7月31日、金曜日。日比谷にあるシアタークリエは土居裕子さん、小原孝さんのファンで一杯になった。私はTSミュージカルファンデーションの「タンビエットの唄」の公演をきっかけに、土居さんと出会った。キャリアも豊富な方だが、とても気さくで、初対面の時から話が弾んだ。
その土居さんと、FMでパーソナリティもつとめるマルチピアニストの小原さんの共演だけに期待は自然と高まった。
コンサートは情熱的なカルメンからスタートし、「踊り明かそう」などのミュージカルナンバーも多数歌われたが、圧巻だったのは戦争の恐ろしさと平和の有難さを訴えたパートだった。沖縄の悲劇を静かに心に染み込ませていく「さとうきび畑」、原爆投下後の被爆者の苦悩を描いた井上ひさしさんの作品からの曲は、土居さんの朗読とともに観る人の心に切々と訴える。
音楽座のスター女優であった土居さんは歌はもちろんもこと、演技も本当に素晴らしい。小手先やテクニックではなく、魂で感じたメッセージを観客に伝えることが出来る稀有な才能の持ち主だ。
ラスト近くでは「ふるさと」が歌われたが、その際には月面探査機「かぐや」の映像をモチーフにして、地球の美しさと私達がその星で暮らことが出来る感謝の気持ちを再認識させてくれた。
もちろん、小原さんのピアノもパーフェクトで、FM仕込みのウイットに富んだおしゃべりも素敵だった。
とにかく、二人ともに才能と感受性に富み、初めてのコラボとは思えない見事な調和、まさにハーモニーを聞かせてくれた。帰りには一段と元気になっている自分を発見、あらためて音楽のパワーに感謝した。
再びこのコラボが見られるのも近い気がしているのだが、どうだろう!?
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