立花裕人のFREEWAY

フリーキャスターで、作詞家としても活動する立花裕人のブログです!

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 やっと観ることが出来た「ブラッド・ブラザーズ」。前に書いた藤岡正明さんとの楽屋での対面の時には、私はこの作品をまだ観ていなかった。もちろん、藤岡さんにはその旨は伝えましたが。
 9月22日のソワレ公演。シルバーウイークの真っ只中にもかかわらず、劇場の9割は埋まっていた。不況の今、ミュージカルも観客動員で苦しんでいる中、大健闘しているとみた。この作品はとにかくリピーターが多い。それだけ人を惹きつける何かがある作品なのだ。
 血のつながった双子の兄弟。一人は裕福な家庭で育ち、もう一人は貧しい家で育つ。血のつながり、特に双子の運命の絆の強さは二人の人生を交錯させる。ところが、周りは複雑な事情から、二人が実の兄弟であることを隠し続ける。良き友人として時を重ねていく二人を最後に襲う悲劇とは。これ以上はネタバレになってしまうので、このあたりにしておこう。
 7歳の頃を中心に描いた一幕と、十代の後半を中心にした二幕。つまり、この作品では幼い子供を演じる演技力が要求される。私が観た藤岡正明さんと田代万理生さんのコンビも当然ながら、7歳を演じなければならない。では、演技はどうか。とにかく、二人とも素晴らしいのだ!藤岡さん演じるのは鼻たれ小僧のような元気印の男の子なのだが、26歳の彼が7歳に見えてくるから不思議だ。田代さんのお坊ちゃんキャラの男の子も上手く演じている。
 これは推測だが、二人の演技に母性本能をくすぐられ、気がつけば劇場に足を運んでしまうリピーターの女性も多いのではないか。さらに二人の母親役、私が観たのは金志賢さんと久世星佳さんだったが、二人も母親としての苦悩を見事に表現している。この作品は女性がきわめて感情移入しやすい作品なのではないだろうか。
 二幕は悲劇に向かっての展開となり、階級社会であるイギリスならではの閉塞感なども盛り込まれる。同じ遺伝子を受け継いでも、環境によって変わってしまう人生。この不条理をシャープに観客に突きつけてくる。
 東宝製作のミュージカルだが、私の周りでは再演を熱望する声も聞こえてくる。「レミゼ」や「サイゴン」のように、新たな定番となる予感が漂う作品だ。

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