立花裕人のFREEWAY

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「卒業」 東野圭吾

 気がつけば、東野作品もこれで3作目となった。「赤い指」に登場したのが加賀恭一郎という警察官なのだが、この加賀シリーズを読み解くことにより、東野マジックの真髄に迫れればと思っている。余談だが、先日書店にて東野作品の解説本のようなものを見つけた。出版不況の折、ここまで売れる東野作品にヒットの秘密を探ろうとしている輩は多いようだ。
 さて、この作品は大学時代の加賀が周囲でナゾの死を遂げた友人達の秘密と死の真相に迫っていくという内容だ。私が今まで読んだ3作品の中では、ストーリー展開やトリックにも無理があると言わざるをえない。前作の「放課後」で江戸川乱歩賞を受賞、その後の作品としてはインパクトに欠ける。
 「放課後」では女子高生と教師のやり取りなどから、いきいきとした学園生活を描き出したが、この作品での大学生活には迫ってくるリアリティも感じられない。人物描写には定評のある東野氏だが、登場人物の個性も今一つだ。実は加賀恭一郎という人物からも、一体どのようなキャラクターを設定しようとしているのかという作者の意図が伝わってこない。クールなのかホットなのか、何を人生の指針にしているのか、ユーモアはあるのか、今一つ加賀氏の魅力が分からないのだ。
 今回は推理のトリックは二つある。第一の密室トリックと、第二の茶道をめぐるトリックだ。密室好きの東野氏だが、今回の鍵をめぐるトリックはいただけない。これは読んだ人の多くが思ったのではないか。さらに、二つ目の茶道をめぐるトリックにいたっては、何回も図を表示しなければならないほどに難解で、加賀氏の謎解きを聞いているだけでも飽き飽きしてしまう。これは小説向きのトリックではないのではないか。
 私は決して東野氏の作品を批判したくて、このレビューを書いているわけではない。ただ、これだけ多額の印税を手にしている以上、作品に関しての真摯な批判や批評にも耳は傾けてほしいと思っている。そして、多くの人の期待に応えて「さすが!」と唸らせるミステリーを書いてほしいのだ。
 昔からのミステリーファンの一人として、東野作品には物足りなさも感じてしまう。

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