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大ベストセラー作家である東野圭吾氏の作品を読むのも今作が4作目となった。私のブックレビューは作家に強烈な批判を加えるのが目的ではなく、私がプライベートに読んだ作品に対しての感想を書くことで、ブログを読んでいる方に私の個性の一端を知ってもらえればと始めたものだ。
しかし、ここまでは意に反して、東野圭吾氏への批判が続く結果になってしまった。さらに、今作も私の期待を裏切る結果になってしまったことを最初に報告したい。熱心な東野ファンには大変申し訳ないのだが。
「眠りの森」はバレエ団が舞台となっていて、団内でおきる事件を加賀恭一郎が解決するものだ。実は私の家族も長年バレエに親しんでいるが、バレエの世界はきわめて狭く、閉鎖的な面もあり、さまざまな人間の負の感情も交錯する。その一方で、バレエに対するダンサーの情熱はきわめて強く、踊ることへの熱意は私達の想像を遥かに上回る。この作品の序盤から中盤にかけて、東野氏はきわめて巧妙にバレエ団の現状を描き、私をぐいぐい惹きつけた。
さらに、加賀氏があるダンサーに恋心を持つ描写も自然だ。凛としたバレリーナの姿は男性の心をつかむものだ。そして、タイトルから察した人も多いかもしれないが、バレエ「眠りの森の美女」もモチーフとなって表現されている。東野氏もかなりバレエに興味を持っているのだろうか。
ところが、中盤まではスピードを保っていた作品が急に失速してしまう。中盤から後半にかけてはストーリー展開も遅々として進まず、かと言ってラブストーリーに大きな進展があるわけでもない。ただ無為にページを繰る時間が続くのだ。あの時間を返してくれ!
そして謎解きに至っても、特に趣向を凝らしたトリックが披露されるわけでもない。「なんだかな!?」という終わり方なのだ。
そろそろ東野氏の作品に大きな感動を覚え、このブログでも激賛したいのだが!!
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