立花裕人のFREEWAY

フリーキャスターで、作詞家としても活動する立花裕人のブログです!

ミュージカル

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劇団四季「アイーダ」

 注目の四季の舞台がやっと東京にやってきた。私は数年前に大阪で観ていて、今回が2回目となる。
10月16日の夜公演だ。
 アイーダの舞台は古代エジプトで、エジプトの若き将軍ラダメスと敵国ヌビアの王女アイーダとの悲恋を描いている。アイーダを演じるのは四季の看板女優の一人の濱田めぐみさん。圧倒的な歌唱力と演技力、さらには人を惹きつけるオーラに溢れている。「ウイキッド」のエルファバと同じく、当たり役であるアイーダも濱田さんで観たいという人は多いはずだ。今回も期待は全く裏切らず、さすがの一言だ。
 エジプト王女のアムネリスを演じるのは五東由衣さんだ。五東さんは保坂知寿さんが退団後、「マンマ・ミーア!」のドナを演じ、四季内での存在感もぐっとアップしてきた。そして、今回のアイーダでは、わがままながらも慈悲の感情を持つ女性へと変身する王女の内面を見事に演じている。そして、何といっても五東さんの歌唱力が素晴らしく、聴き惚れてしまう。
 もう一人特筆すべきなのがラダメスの父を演じる飯野おさみさんだ。飯野さんは元ジャニーズということもあり、年を重ねてもとにかく格好良いのだ。私は飯野さんにとっての一番のはまり役はこのエジプトの宰相ゾーザーだと思っている。
 最後に少し、作曲担当のエルトン・ジョンについて。私は彼の「ユア・ソング」を聴いて、彼の大ファンになった。今から三十数年前のことだ。彼の作品には名バラードが多いのだが、アップテンポの曲となると、全部が良いというわけではない。この「アイーダ」でも、私の曲に対する評価は曲によってまちまちだが、やはりバラードのほうが良い。
 とはいえ、四季の作品の中でもきわめて高品質であり、アイーダをしばらくの間は東京で観ることが出来ることはこの上ない喜びだ。いろいろな組み合わせのキャストで何回も観たい!

 私が「シカゴ」を観たのは今回で3回目だ。1回目は数年前にアメリカのカンパニーの公演を東京で観劇。2回目はリチャード・ギアやキャサリン・ゼタ・ジョーンズ主演の映画版。そして、10月7日に赤坂アクトシアターで観た今回の公演が3回目となった。
 結論から言うと、私の中では今回がベストだった。最初に観た公演の内容を完全に覚えているわけではないのだが、出演者のキャラクターもあるのだろうか、よりポップに、よりエンターテインメントの要素が増加しているように思えた。
 出演者の中でもっともチャーミングなのがロキシー・ハートを演じるビアンカ・マロキンだ。ビアンカはもともとはメキシコ出身で、ラテンの明るいキャラも幸いしているのか、不幸ながらも魅力的なビアンカを好演している。とにかくスイートな女優で、私の目も絶えず釘付け状態だった!
 弁護士のビリー・フリン役の男優はトム・クルーズを渋くしたような顔立ちで、見覚えがあると思ったら、あのバックストリート・ボーイズの元メンバーのケヴィン・リチャードソンだった。特に演技が傑出しているわけではないが、舞台に登場した時に感じさせるオーラはさすがである。
 今回の公演の話題の一つになっているのが大澄賢也さんの参加だ。大澄さんのダンスの実力は多くの人が認めているところで、7年前の「FOSSIE」の来日公演にも加わっている。今回もダンスの実力は素晴らしいと思うのだが、周りとのコンビネーションという点ではやや疑問符もついてしまった。なぜか、大澄さんが一人浮いているように見えてしまうのだ。気負いのせいなのか、本人のオーラのおかげなのかは分からないが、少し残念だった。もちろん、日本人としては大澄さんの世界の舞台でのこれからの活躍には大いに期待している。
 今年は世界的に景気が悪い。仕事に忙殺され、会社の奴隷になっていると感じるサラリーマンも多いはずだ。苦しい世の中だからこそ、その中で何らかの前向きなメッセージを得たい人も多いだろう。
 今回の「シカゴ」がベストと感じたのは演出的な要素もさることながら、殺人犯のレッテルを貼られながらも、しぶとくしたたかに生きていこうとする女性達に男としても共感できる今の時代のせいなのかもしれないと、アクトシアターからの帰り道にふと思った。

 やっと観ることが出来た「ブラッド・ブラザーズ」。前に書いた藤岡正明さんとの楽屋での対面の時には、私はこの作品をまだ観ていなかった。もちろん、藤岡さんにはその旨は伝えましたが。
 9月22日のソワレ公演。シルバーウイークの真っ只中にもかかわらず、劇場の9割は埋まっていた。不況の今、ミュージカルも観客動員で苦しんでいる中、大健闘しているとみた。この作品はとにかくリピーターが多い。それだけ人を惹きつける何かがある作品なのだ。
 血のつながった双子の兄弟。一人は裕福な家庭で育ち、もう一人は貧しい家で育つ。血のつながり、特に双子の運命の絆の強さは二人の人生を交錯させる。ところが、周りは複雑な事情から、二人が実の兄弟であることを隠し続ける。良き友人として時を重ねていく二人を最後に襲う悲劇とは。これ以上はネタバレになってしまうので、このあたりにしておこう。
 7歳の頃を中心に描いた一幕と、十代の後半を中心にした二幕。つまり、この作品では幼い子供を演じる演技力が要求される。私が観た藤岡正明さんと田代万理生さんのコンビも当然ながら、7歳を演じなければならない。では、演技はどうか。とにかく、二人とも素晴らしいのだ!藤岡さん演じるのは鼻たれ小僧のような元気印の男の子なのだが、26歳の彼が7歳に見えてくるから不思議だ。田代さんのお坊ちゃんキャラの男の子も上手く演じている。
 これは推測だが、二人の演技に母性本能をくすぐられ、気がつけば劇場に足を運んでしまうリピーターの女性も多いのではないか。さらに二人の母親役、私が観たのは金志賢さんと久世星佳さんだったが、二人も母親としての苦悩を見事に表現している。この作品は女性がきわめて感情移入しやすい作品なのではないだろうか。
 二幕は悲劇に向かっての展開となり、階級社会であるイギリスならではの閉塞感なども盛り込まれる。同じ遺伝子を受け継いでも、環境によって変わってしまう人生。この不条理をシャープに観客に突きつけてくる。
 東宝製作のミュージカルだが、私の周りでは再演を熱望する声も聞こえてくる。「レミゼ」や「サイゴン」のように、新たな定番となる予感が漂う作品だ。

虹色唱歌

 私がこの作品を観に行こうと思ったきっかけは2つあった。大ファンである土居裕子さんが出演していること。もう一つは公演のチラシに書いてあったストーリーに魅かれたからだった。「廃校になる事が決まった田舎町の学校に、急遽集まる事になった卒業生達」作家の重松清ファンの私にとって、「トワイライト」を思い出させるストーリーにノスタルジーを感じもした。
 9月18日、新宿の紀伊國屋ホール。とにかく面白く、感動もいっぱいの作品だった。今は40代に突入した元少年少女達。現実の壁にぶつかり、生活は順風満帆ではない。フラッシュバックする十代の頃には淡い恋愛や将来の夢もあったが、その一方では大人の世界に巻き込まれ、裏切りや不正も存在した。二十数年前と今を上手く結びつけ、スピリチュアルな要素も加味しながら、笑いと涙を誘っていく。私もハンカチを片手に大笑いした。
 脚本・演出を担当し、さらに出演しているのは水木英昭さん。劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)の出身で、プロデュース公演としては今回が9回目になるが、私は初めて拝見した。水木さんの笑いに対する感性は素晴らしい。おそらく私と世代が一緒ということもあり、吉本新喜劇やドリフターズをも彷彿とさせる笑いのツボが似ているのかもしれない。サイコーだ!
 出演者の実力も凄い。我がマドンナの土居さんはいつものように清楚で美しいが、ワイルドな演技も披露していて、新たな魅力発見だ。入絵加奈子さんの吉本ばりの演技は必見だし、曾我泰久さんの演技と歌も清潔感にあふれていて、観る者をリフレッシュさせてくれる。その他の出演者も個性的で、観ていて飽きない舞台になっている。
 カーテンコールの際、水木さんがシルバーウイークと重なり、チケットの販売状況が芳しくないと話していた。今年は不況の影響で、どの演劇やコンサートも集客の苦労が続いている。
 しかし、不況でストレスを抱えている人にこそ、この舞台はぜひ観てほしい。生活の中での笑いが少なくなっている今、この舞台がもやもや解消のきっかけになるかもしれない。
 

 私はミュージカルが好きだ。好きという気持ちが高まってくると、思わぬところから縁が生まれたりする。私の大学時代の演劇仲間の新木啓介君が音楽座ミュージカルに所属していることから、私は今年になって音楽座ミュージカルのアドバイザー的なポジションで、ミュージカル作りに参加させていただいている。
 音楽座ミュージカルの12月公演は「泣かないで」だ。遠藤周作氏の「わたしが・棄てた・女」をミュージカルにした作品で、亡くなった遠藤先生も絶賛されていたそうだ。12月の公演には、ミュージカルで活躍する藤岡正明さんが吉岡役で、外部から参加する。
 藤岡さんはASAYANのオーディションで最終選考まで残り、その後ソロデビューするとともにミュージカルでも歌唱力を活かして活躍している。「レ・ミゼラブル」のマリウス、「ミス・サイゴン」のクリス、そして「ブラッドブラザーズ」では初の主演。演技力とキュートな笑顔にファンも多い。
 私が藤岡さんに初めてお会いしたのが9月9日、「ブラッドブラザーズ」の楽屋だった。この作品では幼い子供の頃も演じているのだが、舞台での笑顔と同じく、人の心を和ませる笑顔でしばらく談笑した。
 そして9月14日。都内にある稽古場で「泣かないで」の顔合わせと台本の読み合わせがあり、藤岡さんも参加した。少し照れくさそうに中央の席に座り、隣では井田安寿さんや高野菜々さんが慣れない彼を優しくフォローしている。微笑ましい光景だ。
 いざ読み合わせがスタートすると表情も一変し、真剣さが声にも現われてきた。セリブ回しも良く、演技力の片鱗を見せつけた。藤岡さんの演技力はヴォーカリストとしての才能と源が一緒だと私には感じられた。一流のヴォーカリストは音域や表現力に幅があり、その中で自由自在にメッセージを訴える。強く訴えたいところで声を張るのではなく、あえて抑えながら低音を響かせるといったテクニックを駆使することが出来る。藤岡さんにも同種のものを感じた。休憩時間に少し話をすると、ダニー・ハザウェイやカーティス・メイフィールドといったR&Bの神様のようなヴォーカリストをリスペクトしているという。やはり、であった。
 今後も時折稽古場に行き、藤岡さんと音楽座ミュージカルとのコラボの発展を見守っていきたい。

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