立花裕人のFREEWAY

フリーキャスターで、作詞家としても活動する立花裕人のブログです!

ミュージカル

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10月8日、私は東京芸術劇場でTSミュージカルファンデーションの新作「DIANA」を観た。
結論から言えば、TSの最高傑作の一つが新たに誕生した。
TSを主宰する謝珠栄さんはとても熱い人で、人間が本来求めるべき理想や、今の世の中への
批判などのメッセージを織り込んで作品を完成させるが、今回の作品は謝さんならではの究極の
生命讃歌である。
 
主演は姿月あさとさんと湖月わたるさんの元宝塚のトップスターの共演だ。
湖月さん演じるルーナはある罪を犯し、刑務所に入れられる。そこで出会ったのが姿月さん演じる
ディアナ。ディアナに自らの境遇やトラウマを打ち明けるうちに、二人の思わぬ関係が明らかに
される。
 
アメリカの片田舎でおきたある事件をきっかけに物語はスタートするのだが、このあたりの展開は
アメリカのサスペンス映画の趣で、私はヒッチコック作品のテイストを感じ取った。
そして、徐々にストーリーはスピリチュアルな展開を見せていくが、私は映画「ゴースト」にもつながる
雰囲気を見て取れた。
舞台と映画を比較したのは他でもなく、謝さんが映画もとても好きで、演出面でもいろいろ勉強されて
いるからで、思わず何かヒントになった映画はあったのかと想像してしまったのだ。
解答は謝さんには確認していないのだが。
 
この作品で謝さんが訴えたかったことが、生命の貴重さと親への感謝の気持ちだと察するが、
ストレートに表現すると気恥しくなる大きなテーマを謝さんはうまくスリリングなサスペンス&ミステリー
の展開に溶かし込みながらアピールしている。
私はこの技に感動し、最高傑作が誕生したと実感した。
 
俳優も素晴らしい。姿月さんはふわっとした雰囲気ながらも、説得力ある歌唱で感動させ、湖月さんは
シャープな雰囲気の中にもトラウマに苦しむ女性の優しさを演技力で見せてくれる。
男性も私の友人である今拓哉さんをはじめ、平澤智さん、水谷あつしさんが出演していて、舞台転換
の役目もしながら演技もする高度なテクニックを披露。このあたりの演出も見ものだ。
 
いずれにしろ、この作品は見て絶対に損はない。
 
 
 今年は終戦から65年。そして、今日は終戦記念日だ。
 戦争に対する何らかの感慨がこの時期には押し寄せてくるのだが、なぜか今年は違った。
 特に差し迫った危機があるわけでもなく、日本が巻き込まれている戦争も無いという世界情勢に
 私の精神がただ安穏としてしまったのか。
 
 そして、8月13日。私は池袋の芸術劇場で、TSミュージカルの「タン・ビエットの唄」を観た。
 暑さ対策のために持参したタオルは図らずも涙でぐっしょりとなった、
 そして何よりも、私は戦争の悲惨さのみならず、平和ボケしている自分自身に冷水を浴びせられた
 気がした。
 このミュージカルのモチーフはベトナム戦争にある。生き別れとなった姉妹、一人の女性、さらには
 彼女の娘を必死になって救おうとする兵士。戦争がベトナム人に与えたその後の悲劇。
 ネタバレになるので詳細は省くが、演出家の謝珠栄さんは私たちが平和ボケしているのではないか、
 戦争の悲惨さを忘れてしまっているのではないかという危機意識を眼前に提示してくれる。
 私は個人的に謝さんとは何回もお会いしているが、世の中の理不尽に対しての憤りはきわめて強く、
 そのことが作品を生み出すエネルギーに昇華されていると理解している。
 
 また、この作品では実力ある役者さんを揃えていて、地方を回っていることもあり、チームワーク
 が素晴らしいのだ。
 これからも各地を回ることになっているので、まだ観ていないという方にはぜひご覧になって
 いただきたい。
 3月30日、私は天王洲銀河劇場に玉野和紀さんがトータル・クリエイターをつとめる「CLUB SEVEN」を観に行った。玉野さんには少し前、池袋の芸術劇場でお目にかかっていて、そのご縁で今回、足を運んだのだ。
 日本でも一流のタップダンサーとして知られる玉野さんは、演出家・振付師としても実績を残している。「CLUB SEVEN」はいわば「ベスト・オブ・玉野和紀」の内容で、ご本人のダンスや演技はもちろんのこと、その他のメンバーとの群舞や楽しい掛け合いも楽しむことが出来る。その名の通り、本来は7人の出演者が登場するが、6回目の今回は2人増えて9人となった。どのメンバーも素晴らしいのだが、私が気になった3人について少しコメントしたい。
 西村直人さん・・最近、TSミュージカルでも拝見した西村さんは大きな瞳とコミカルな演技が印象的。「CLUB SEVEN」には1回目から出演していて、舞台への登場とともにステージがパッと明るくなる。
 瀬下尚人さん・・「THE CONVOY SHOW」にも参加。玉野さんとの共演は久しぶりのようだが、二人の息はピッタリで、さすがベテランが出てくるとステージが一気に引き締まる気がする。
 美羽あさひさん・・宝塚の娘役として活躍した美羽さんにとって、今回が退団後の初舞台だ。確かな演技力と歌唱力に加え、とても華のある女優さんで、素敵なオーラを放っていた。
 
 そして今回、私がもっとも感動したのは玉野和紀さんの才能である。実は「CLUB SEVEN」を観るのも今回が初めてなのだが、観た人からは「とにかく素晴らしい!面白い!」と絶賛の声を耳にしていた。実際に観て思ったのは、ダンスや歌、さらにはお笑いの要素も含めて、一つのエンターテインメントに仕上げる玉野さんの能力の高さだ。お笑い的な要素も数多く含まれているのだが、ベタな笑いのようでいて決して下品にはならない。観ている人が何に感動して、何に笑うのか、とても上手くツボを押さえている気がする。観劇後の満足度もきわめて高い。
 楽屋でお会いした玉野さんに私はこう話した。「とても庶民的なたたずまいのお店に入って、一流の職人さんの美味しい天ぷらをご馳走になった気分です」玉野さんは笑いながら、「それは素晴らしい褒め言葉ですよ」とおっしゃってくださった。この才能が女優の黒木瞳さんからも認められ、ディナーショーの演出を任されたのだと思う。
 これからはしっかり、玉野さんの舞台はチェックしたいと思っている。
 3月28日、ル テアトル銀座に音楽座ミュージカル「シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ」を観に行った。音楽座ミュージカルは私がアドバイザー的なことをさせていただいている、もっとも応援しているミュージカル団体の一つだ。
 結論から言うと、とても素晴らしい出来で、あらためて音楽座ミュージカルにとっての代表作であることを実感した。ストーリーの奥深さ、役者の頑張り、主題曲の質の高さなどが心の奥にじんわりと広がっていく。
 このミュージカル、ストーリーを簡単に説明するのが難しい。不幸な生い立ちの若い女性と夢見る新進作曲家のラブストーリーが基本なのだが、そこに宇宙人が登場したりもする。こう書くと突飛な印象を持つかもしれないが、時空を超えた愛や命の大切さを訴えていて、違和感はまったくない。この宇宙に生かされていることの貴重さを私たちに感じさせてくれる。
 主人公の折口佳代を演じる高野菜々さんには若々しい魅力とともに、最近は落ち着きも出てきた。心の情感を無理せずに出せる余裕も感じられる。間違いなく、今の音楽座ミュージカルの看板女優に成長してきた。
 三浦悠介を演じる安中淳也さんは男優の看板の一人だ。私が彼を初めて観たのは「とってもゴースト」の主役に抜擢された時だったが、その頃と同じく、誠意あふれる若い男性を演じさせたら彼の右に出る人はいないだろう。稽古場では、とてもシャイな印象があるが、舞台に立つとエネルギーが一気に放出される。
 
 私と音楽座ミュージカルとの縁は、音楽座ミュージカルのベテラン俳優である新木啓介君がもたらしてくれた。新木君と私は大学時代、同じ演劇サークルに所属していたのだ。
劇団四季にもいた新木君は長身とダンス力を活かして、さまざまな役にトライしているが、今回のテムキという宇宙人役はもっともハマリ役かもしれない。そのルックスとコミカルな演技で笑いに誘う。

 そして、「ドリーム」というこのミュージカルのテーマソングがとても素晴らしい。その名の通り、夢見ることの大切さを歌っているのだが、疲れたりしている時に聴くと、パワーを与えてくれる。
 一人でも多くの人にこのミュージカルを観てほしい。
 3月26日、私は友人の駒田一さんが主演しているミュージカル「サ・ビ・タ」再演の初日を観劇した。場所は下北沢の本多劇場。かつての小劇場ブームの象徴ともいえる劇場なのだが、出演俳優が3人という規模のミュージカルにはぴったりの劇場だ。
 「サ・ビ・タ」はもともとは韓国で95年に産声を上げた作品で、ソウルの大学路という小劇場が集まる地域でロングラン上演されてきた。
 簡単にストーリーをご紹介しよう。ある雨の日、ドンウク(駒田一)は一人で妹弟を迎える準備をしていた。この日は兄妹にとっては特別な日。そこに数年ぶりに弟のドンヒョン(山崎育三郎)が帰ってくる。何かしらのナゾを感じさせる弟の行動。と、そこにいきなり現れたユ・ミリ(原田夏希)というおっちょこちょいだがチャーミングな若い女性。彼女は仕事中に部屋を間違えて訪問したのだった。3人が一つの部屋で巻き起こすトラブル。ところが不思議なことに、3人が抱える思いはなぜか和らぎ、愛情に満ちた空気が広がっていく。
 
 「サ・ビ・タ」は特にドラマティックなストーリー展開があるわけではなく、どちらかというと日常の生活の中に普段は隠れていて、私たちが感謝の気持ちを忘れがちな価値観をそっとあぶりだしてくれるような作品だ。韓国も競争社会が進み、儒教的な価値観が薄らいでいるとも言われる中、何が大切なのかをそっと提示してくれるような、とてもオーガニックな作品になっている。
 
 日本版「サ・ビ・タ」において、キャストの魅力が作品に直結していると感じた。駒田さんは妹弟思いの兄をユーモアいっぱいの演技で表現していて、素顔の駒田さんともかなり近い感じがする。山崎さんはイケメン俳優の一人だが、ここでは強さと優しさが同居する弟の複雑な感情を丁寧に演じている。原田さんはとにかくチャーミングで、どこか韓流ドラマに出てくる美人女優の雰囲気を漂わせながら、天真爛漫なユ・ミリを好演している。
 
 駒田一さんは「サ・ビ・タは僕にとっては愛情一杯の作品です。上演が続く限り、ずっとドンウクを演じていきたいです」と、私にも語ってくれた。
 
 不況の影響もあって、日本でも昔ながらの大切な価値観が磨耗されている気がします。もし、あなたが何かに疲れていたり、元気が出ないとしたら、私はこのミュージカルを強くおススメしたい!

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