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かの毒舌指揮者チェリビダッケはこのオーストリアの大指揮者を「イモ袋」と呼んだそうです。
ベームを即物主義と評し、退屈な音楽の代名詞の如きに使う人もいるようです。
確かにベームの音楽には飾りはありません。しかし、これだけで退屈と決め付けてしまうのはいかがなものでしょうか。 むしろ虚飾が無いからこそ、譜面に隠された作曲者の真実の声が聞こえてくるのではないでしょうか。
モーツァルトの最後の曲として知られるレクイエム。
病に冒されたモーツァルトが死の直前まで取り組み、とうとう未完で終わった傑作です。
映画「アマデウス」ではこの時の鬼気迫るモーツァルトを上手く表現しております。
実際には現場にサリエリはいなかったのですが、雰囲気としてはあんな感じだったんでしょう。
モーツァルトが筆を落としたのは、<涙の日〜ラクリモサ〜>の8小節目と言われておりまして、その後は彼の弟子ジュスマイアが完成させました。
史実によると、彼が亡くなる年の7月に、不気味な灰色の服を着た男がモーツァルトの自宅を訪ね、レクイエムの作曲を高額の報酬で依頼しました。不吉な予感はしながらも、借金に苦しんでいたモーツァルトにとっては願っても無い話だったので依頼を引き受け、報酬の半額を受け取りました。
この依頼をした人物、もちろんサリエリではありません。フランツ・ヴァルゼック伯爵という人物の使いでした。
このヴァルゼック伯爵なる人物はヘンな趣味の持ち主で、高名な作曲家に高額で作曲の依頼をし、その曲を自分が作曲したといって友人の前で演奏するというトンデモ野郎だったのです。
この時は自分の奥さんの葬儀に使うレクイエムを依頼しに来たのでした。
モーツァルトが亡くなった時、曲はまだ未完でしたから未亡人のコンスタンツァは大慌て。
既に報酬の半額は受け取っているので、何としても完成させねばなりません。
そこで、弟子のジュスマイアと協力し、何とか完成させたという具合です。
ベームのレクイエムはかなり遅いテンポで進みます。しかし、構築や音の美しさは他に比較できるものが無いほどの完成度を誇っています。これぞレクイエムといった感じの演奏でしょうか。
モーツァルトに捧げるベームの鎮魂歌といった趣があります。
ベームの演奏は全体的にゆったりとしたペースのものが多いですが、ライヴでは驚くべきエネルギッシュな指揮と演奏を見せてくれます。R・シュトラウス 「英雄の生涯」シュターツカペレ・ドレスデンとのライヴは特に凄まじい! いずれ紹介したいと思います。
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やっぱり、モーツァルトのレクイエムといえば、このCDで決まりでしょう!『アマデウス』中での、この曲に関するエピソード(特に、モーツァルトとサリエリの会話シーン)も感動します。しかし、中三の時初めて聴いた際には『なんて景気の悪い音楽なんだ・・・』と思ったものです。お葬式の曲なので、当然の感想かもしれませんが・・・(笑)
2006/3/10(金) 午後 11:22
初めまして。僕は1970年代にクラシックを聴き始め、ベームの晩年の新譜の時期と重なっていたため、モーツァルト、ブルックナーなど、ベームの演奏が基準というか、親しんできました。But最近のyahooのブログでベームを評価しないというか、バカにした論評に幾つか出会い、ショックを受けました。確かにベームの演奏は強烈なインパクトとは無縁かも知れませんが、仰る通り曲本来の素晴らしさを感じさせてくれる、それこそ「本物」の演奏だと思います。
2006/3/11(土) 午後 1:31
キャメルさん、ベームのレクイエムは恐ろしく荘厳な演奏で鳥肌ものです。 僕は何気に弟子のジュスマイアーが補足した<ベネディクトゥス>の部分が一番好きなんですよ。
2006/3/11(土) 午後 11:30 [ rie**i198* ]
初めまして、グスタフさん。僕がベームにハマったのは、最晩年のムジークフェライン録音のトリスタン愛の死を聴いてでした。死を目前に控えた老将の奏でる愛の死は、はかなくも美しい響きで震えと涙が止まりませんでした。 曲の持つ意味をよく理解しないで、勢いや派手さだけで突っ走っている勘違い野郎が多い昨今、ベームのようにスタンダードな演奏を聴かせてくれる指揮者が減ってきているのは非常に残念なことです。
2006/3/11(土) 午後 11:50 [ rie**i198* ]
私はモーツァルトはベームのものが一番好きです。CDも殆どベームです。
2006/3/12(日) 午後 5:32
告白します。ベームのレクイエム、数ヶ月前に買いました。そのまましまってまだ聴いてません。というかこれを拝見して買ってたこと思い出しました。ヴァルゼック伯爵に匹敵するトンデモ野郎です。あとヴァントのところで書き忘れましたが、今日ベームのブルックナー3番も買いました。
2006/3/12(日) 午後 6:33 [ 文房具009 ]
初めまして、Vergineさん。 ベームは作曲家の中でも特にモーツァルトを敬愛しており、多数名演が残っているそうですね。残念ながら僕はベームのモーツァルトをこのレクイエムしか所有しておりません。今後、ベームモーツァルトを開拓しようと思っております。
2006/3/12(日) 午後 11:11 [ rie**i198* ]
ゲラーさん、ベームのレクイエムを危うくお蔵入りにするとこでしたね(笑)是非聴いてみてください。開始早々、周囲の空気が変わります。 ベームのブル3「ワーグナー」はLP盤で所有しております。 この「ワーグナー」は他のブルックナー交響曲とはちょっと毛色の違う作品ですよね。神秘的というよりも、素朴って感じです。 ベームのブル4「ロマンティック」もなかなか良いですよ!
2006/3/12(日) 午後 11:19 [ rie**i198* ]