徒然なるままに

「これが最悪」と言えるうちはまだ最悪ではない。

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以前セルのさっぱりワーグナーを紹介しましたが、今回はワーグナー演奏の王道、クナッパーツブッシュの胃もたれ必至のワーグナーを紹介したいと思います。

このCD、デッカから出しているBEST100シリーズの内の一つで、1000円で普通にクラシック扱ってるとこなら簡単に手に入ります。

結論から言いましょう。僕はこの価格でこのクォリティのCDに未だかつて出くわした事がありません。
ワーグナーをこれから聴こうかなって方、ワーグナーなんてもう聴き飽きちゃったよって方、ワーグナーの本質を理解出来るのは俺だけだって方も、このCDを未聴なら今すぐショップにダッシュです(笑)

まず価格面で言うと、恐らく国内版のまともなレーベルで出してるクナのワーグナーCDの中では一番安いハズです。大抵クナのワーグナーは1700〜2800円ぐらいします。

次に音質面。文句なしです。ステレオ録音出現初期(1956年)の録音なのですが、高音低音ハッキリと採られています。特にクナ特有の弦楽器の美しい高音が歪みなく採られている部分は感動!
デッカのお家芸、芸術的とも言える録音技術がこんな廉価版のCDにまで及んでいることにプロとしての誇りを感じます。
歌手陣が凄い! ソプラノがキルステン・フラグスタートとビルギット・ニルソンという豪華布陣。
これでほんとに1000円で良いの?
そして最後に、クナ&ウィーンフィルの豪華共演! クナは三半規管に障害を持っていたため、長距離の旅行(飛行機、船旅等もってのほか)が出来なかったので、必然的に本拠地であるミュンヘンとウィーンでの活動が多かったのです。クナは大の練習嫌いで知られますが、これはオケと指揮者が十分に意思疎通が出来ていたから可能だったのでしょう。
未だにミュンヘンっ子の中には、「我らのクナ」といって慕う市民がいるそうですよ。

このCDでお薦めなのが<ワルキューレ>より、ヴォータンの告別「さようなら、勇ましいわが子」−魔の炎の音楽です。
愛娘ブリュンヒルデに裏切られた神々の王ヴォータンが泣く泣く娘に制裁を加える場面です。
開始早々、大音響で始まります。管と弦の美しいハーモニーはクナならでは。
全てを聴き終えた時には、抜け殻のようになってしまうでしょう。

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