ゆうあいクリニック理事長日記

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爪の水虫見つけたら〜

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松平健さんのCMでおなじみですね。

これはノバルティスという会社のCMで、「爪の水虫」を心配して「お医者さんに」行ったひとが「ラミシール」という飲み薬を処方されると嬉しいな、という意図の下に作成されています。ラミシールの薬価は1日分277.4円ですから、爪白癬が治るまで半年も飲んでもらえば、5万円ほどの売り上げになるわけです。

ところで、医師向けの書籍にはラミシールの項にこんな記述があります。

警告!! 外国において,重篤な肝障害(肝不全,肝炎,胆汁うっ滞,黄疸等)及び汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されている.本剤を使用する場合には,投与前に肝機能検査及び血液検査を行い,本剤の投与中は随伴症状に注意し,定期的に肝機能検査及び血液検査を行う等観察を十分に行うこと.本剤の使用に当たっては,添付文書を熟読のこと

!!も含めて原文のままです。結構怖くないですか?
死亡例もあるとしっかり書いてあります。

反論はあるでしょうが、私はこう思います。

・(1)皮膚科あるいは皮膚科で充分な研修を受けた他科の医師が、(2)顕微鏡で白癬症と診断し、(3)治療のデメリットがメリットを上回ると判断して、(4)きちんとした説明のうえで処方されていること。
・内服開始から2か月は毎月、それ以降は3か月に1回、(5)肝機能を含む血液検査をされていること。

それ以外の方は、処方医に相談されて、内服を考え直したほうが良いのではないでしょうか?
ラミシールのみならず、同様の薬効をもつ「イトリゾール」はなんと1日薬価5098.4円です。
どんな薬にも必ずメリット、デメリットはあります。ご存じないかもしれませんが、市販の風邪薬でも副作用死の報告があるのです。

処方した薬に関して患者さんが納得できるようにそれを説明するのは医師の責務です。私が一貫して申し上げているのは「医療従事者と患者さんが対等である医療」です。これは、リスクなど重要な医療情報においては特に重要だと思います。

「リスク」は医療以外でも当然の概念です。
例えば、「毎日」飛行機に乗っていると、200年に1回は墜落の危険があるといいます。それはほとんどの人にとっては無縁かもしれませんが、ある人にとっては今日のことかもしれません。そのリスクを上回るメリットがあると考えてあなたは飛行機に乗るのです。

先日の日記でも触れましたが、血圧180/100の方が、「薬の副作用が怖いから」と薬を拒むのはナンセンスだと思います。
健康を他ならぬ自分の問題としてとらえ、充分な情報のもとで正確な判断を下せる、そんな成熟した医療消費者の方々が増えてゆくことを祈りますし、私もそのための努力を続けたいと思います。

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