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ある昼下がりにて
暗殺者一家に生まれた。ハキム=ウローク 19歳
淡々と仕事を行う中で疑問が生まれてきていた。
なぜ、俺はこの仕事をしているのかと・・・
生まれた時から、人を殺すすべを祖父・父に教え込まれてきた。
ウローク家にとって「暗殺」とは、人類にとっての空気を吸うがごとく。
二酸化炭素を吐き出すがごとく。ごく自然なことである。
しかし、ハキムは「暗殺」をしている自分に疑問を持ち始めた。
初めて人の命が仕事で消えたのを観たのは、14歳の時である。
父 グルバド=ウロークの仕事を観たときである。
グルバトは「暗殺」をする際に自分で作り出した。ナイフで「暗殺」する。
瞬きをした瞬間、首を一突きし相手を殺したのである。
その時グルバトは、かすかに笑みを浮かべていた。それを観た。
ハキムは、父のしている仕事は楽しいものだと思った。
そして、ハキムは何のためらいもなく暗殺者として生きること選んだ。
父のかすかな笑み。
それが14歳のハキムがはじめて見た。父の笑顔であったのだ。
それからというものは、仕事の毎日で仕事のことだけを考えていった。
ハキムは19歳になり、仕事のほとんどを一人でこなし、日に数回、仕事をすることも
あった。
そして、今回の仕事の標的は53歳の男性であった。
それが、ハキムにとってはいつもと変わらない仕事のはずだった。
男性の名はファルア=島田。仕事はしておらず、毎日の日課は昼の11時にファルアの住んでいるアパートの一階にあるカフェで遅い朝ごはんを食べ、なじみの骨董屋に行くことである。
その道中に仕事をしようとハキムは思っていた。
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