|
阪急電車 単行本: 221ページ 出版社: 幻冬舎 発売日: 2008/01 今津線の宝塚駅から西宮北口駅までの片道たった15分の行程の中で、 恋の始まり、 別れの兆し、 そして途中下車、、、 乗った人それぞれの人生を電車は乗せて、どこまでもは続かない線路を走っていく 図書館で会うたびに、ライバル視していた女性が隣に座っていた。 しかもその女性は好みのタイプ。 こんな偶然って本当にあるんだろうか。 電車が身近でない私には、ちょっと想像し難い。 (田舎なので、通勤通学にはもっぱら自転車や車、バイクが主流かな。私が住んでいるところにはJRしか通っていないので) 恋愛小説が苦手な私でもすっきり、軽く、でも最後に心に残る作品を生み出す有川さん。今回も、べたなんだけど「あー、私もそんな恋愛してみたい」と最後に呟いてしまう作品でした。 図書館で本争奪戦に負け、意識するようになった女性が隣の座席に座って外を熱心に眺めている。その女性が見た先には中洲に描かれた「生」という文字。 この「生」という文字を「なま」と読むか「せい」と読むか。 私はなんと読むだろうか?やっぱり「なま」かな。「生」という字だけなら訓読みするのが普通なんじゃないかな。 そんな会話から始まる恋もいいな。 寝取られ女の復讐は、インパクトが強かった。 自分がどんな目で見られるか分かっていながら、あえてドレスコードを無視して復讐する翔子。強い、そして自分自身をわかっている女性なんだなあ。 私も、なれるならこんな女性になりたいと思う。 有川さん特有の女性だな。強い女性。だけど、反面とってももろい女性。 自分のことを分かっているからこそ、しにくい恋愛もあるし、友人関係もあると思う。 小さい子どもは、無邪気ですね。 そんな子どもを上手にたしなめる、おばあちゃん。 この時江は、私のおばあちゃんそっくりで懐かしくなりました。 ダメなことはダメ。譲れないものは譲れない。 ただ、孫を可愛がって甘いばかりのおばあちゃんは苦手ですが、 白黒はっきりしたおばあちゃんは好きです。 この時江さんの言葉で、彼氏との別れを一旦決意したミサ。 時江さんの言葉はグサッと一刺し。鋭利な刃物みたいでした。 「下らない男ね」 「やめておけば?苦労するわよ」 普通見知らぬ若い女性にこんなこと言えるだろうか? いまどきの若い人なんて、キレ出したら何するか分からないし。ちょうど、ミサの彼氏みたいに。 小説の中の時江さんだからこそ出てきた言葉なんだろうな。 そして、その言葉を飲み込んで考えたミサ。 自分でもおかしいなとは思っていたけれど、人に言われて再確認。 恋愛って難しいんですね。他人から見たら一目瞭然のことも自分自身では気付けなかったり。 身勝手な彼氏がいると思えば、優しいけれどバカな彼氏もいる。 電車の中で騒ぐ集団には目がよく行くもの。 けれど、そんな集団の会話を聞くことは、ないなあ。 着眼点が面白い。 終着点間際の甘くピュアな恋。 二度目の車窓から見える景色に心動かされた二人が恋に落ちちゃいます。甘いなあ。 さすが、有川さん。自衛隊要素も抜かりがありません。 そして、折り返し。 この折り返しを使って、それぞれの人生をリンクさせながら それぞれの人生、恋の経過を上手く表現していると思います。 最後に私も恋がしたくなる。そんな作品でした。 有川さんの作品が好きなファンの方じゃないと読みにくいかもしれないな。 べたに甘いのとか 若い人には、マンガみたいで読みやすいかもしれないけれど。 章ごとのタイトルが無機質なぶん、中身は密度が濃くてとっても心が暖まるものでした。
|

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用



