|
やっと観てきました。
観よう観ようと思いつつなかなか観に行けず、公開終了まぎわで観に行きました。
第二次世界大戦の硫黄島の激戦をアメリカ側からの視点で描いたのが「父親たちの星条旗」で、日本側からの視点で描いたのが「硫黄島からの手紙」です。「父親たちの星条旗」の方が先に公開されていました。監督はどちらもクリント・イースト・ウッドです。
資料によってバラバラですが、おおよそ、硫黄島に行った日本兵は2万人、そのうち、約半分の1万人はアメリカ軍が上陸する以前に飢えと病気で戦うことが出来ず、残りの約1万人がアメリカ軍と戦って、生き残ったのはたったの千人だったそうです。生き残った旧日本兵のほとんどは、硫黄島の戦いについて語ることなく亡くなったそうです。硫黄島の戦いを調べる調査団が、硫黄島の土の中から大量の手紙を発見したという実話からこの映画が造られました。
この映画で、最も印象に残ったシーンは、日本軍が負傷したアメリカ兵を捕らえてトドメを刺そうとすると、ロサンゼルスオリンピック金メダリストの西(バロン西)が、それを止めさせ手当を命じると、日本兵の一人が「アメリカ人は日本人を手当てしません」と拒み、バロン西は「お前はアメリカ人と会ったことがあるのか。手当てしろ。」とあくまでも手当をさせるところから始まるシーンです。結局、アメリカ兵の青年は看護のかいもなく亡くなってしまいました。アメリカ兵の青年の枕元には、亡くなる直前に読んだであろう母親からの手紙が残されていました。その手紙を英語の読めるバロン西が読み上げます。その手紙の内容に、今までアメリカ人は「鬼畜」だと信じ込まされていた日本兵は「アメリカ兵も私達と同じように人間で、無事に帰ってきてくれと願う家族がいる。」ということに気づき愕然とします。
このシーンだけでもう十分だと思うくらい印象に残りました。
戦争で殺し合いをしているのは紛れもなく人間で、皆それぞれ家族があり、本来の仕事や学業があり、将来の夢や希望があるのです。いろんな感情がある人間なのです。その人間同士で殺し合いをさせるのが戦争です。
徴兵されて硫黄島に来たパン屋さん(西郷)も印象に残りました。
結婚してパン屋を始めたのに戦争が始まって・・・。
パンを店に並べると、戦争のためだといってパンを徴用される。やがて、パンを店に並べたそばから持って行かれるようになる。ついには、パンを焼く釜までも徴用されてしまう。
もう何も持って行かれる物はないと思っていたら、西郷が徴兵されてしまう。
その話を聞いていた西郷の友人は、奥さんにとっては仕事だけじゃなくて夫まで戦争に取られちゃったんだなとつぶやきます。(その友人は悲惨な最期をとげる・・・)
「赤紙召集令状」を持った人達が西郷の家に来ると、西郷の妻は「うちには男手はこの人しかいません。」と徴兵を拒みますが、そばにいた女性が「今はそういう時代じゃないんですよ」と言って諫めます。
私は映画を観ていて「今はそういう時代じゃない・・・」「そういう時代じゃない・・・」と頭の中でこの台詞を繰り返していました。どこかで聞いたことがあるような気がしたからです。映画やドラマじゃなくて現実の世界で・・・。この言葉、ものすごく危険な言葉だと思いました。
この映画、全編にわたって戦争の悲惨さが繰り返されていました。悲惨で残酷なシーンがたくさん出てきます。(地下要塞の暑さと、硫黄の臭さと、飢えをあまり描いていない分、現実はもっと悲惨だったのでしょう・・・。)それと「死にたくない」「死ぬのは怖い」「何とかして生きのびたい」という人間本来の当然の本能に正面から触れていました。
「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」と観て、戦争に正義はない。正義のための戦争など存在しない。と、改めて実感しました。この映画、戦争仕方なしと言っている人には是非とも観てほしいと思います。そして観終わった後「それでも戦争を起こすのは仕方のない事だと思いますか?」と聞きたい・・・。
|
ロケハンに同行したんですが小さな島に洞窟だらけであの闇こそが戦争の正体であると確信しましたね
2007/2/4(日) 午前 6:49
北の方の島で撮ったというロケに同行されたのですか?夜はものすごく寒くて過酷な状況だったそうですね。
2007/2/5(月) 午前 0:33