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皆さん、「二人の石切職人」の話をご存じですか?
私は、この話が大好きです。
ちょっと、この話を私流にアレンジしてみました。
〜三人の石切職人〜
旅人が、ある川のほとりを歩いていました。
その川では、新しい橋が建設されているところであり、建設現場では、三人の石切職人が働いていました。
その仕事に興味を持った旅人は、一人の石切職人に聞きました。
「あなたは、何をしているのですか?」
すると石切職人は不愉快そうな表情を浮かべ、ぶっきらぼうに答えました。
「このいまいましい石を切るために、悪戦苦闘しているのさ。」
そこで、旅人は、もう一人の石切職人に聞きました。
「あなたは、何をしているのですか?」
すると、その石切職人は、目を輝かせ、明るい声で答えました。
「私は、たくさんの人々が往来し、たくさんの荷物を積んだ車が通る、立派な橋を造っているのです。」
さらに、旅人は、その石切職人に聞きました。
「それでは、あなたの造っているこの橋は、どこに架かるのですか?」
すると、先ほどまで目を輝かせていた石切職人は、怪訝そうな表情を浮かべ、浮かない声で答えました。
「どこにって・・・、橋なんだから、対岸に架かるに決まっているじゃないか。」
そこで、旅人は、三人目の石切職人に聞きました。
「あなたは、何をしているのですか?」
すると、その石切職人は、目を輝かせ、明るい声で答えました。
「ええ。私は、人と人を結び、様々な荷物を積んだ車が通る、すばらしい橋を造っているのです。」
さらに、旅人は、その石切職人に聞きました。
「それでは、あなたの造っているこの橋は、どこに架かるのですか?」
すると、その石切職人は、さらに目を輝かせ、生き生きとした声で答えました。
「この橋は、未来に架かります。この橋を渡った人が対岸で新たな出会いを見つけるでしょう。人々の様々な思いを託した荷物がこの橋を渡るのです。そして、ある人は、一歩、また一歩と踏みしめるたびに、二度と祖国を分断させないと心に誓うことでしょう。」
何をしているのか。
それが、我々の「行動の価値」を定めるものではありません。
その行動の彼方に、何を見つめているのか。
それが、我々の「行動の価値」を定めるのです。
20XX年 夏のある日
追記
現代の工法では、橋を架けるのに現場で石を切るということはありません。初めは、「三人の鉄筋職人」にしようかなって思いましたが、「石切職人」の方が何となく味があるので、石切職人にしました。
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