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温洋に着くと韓服ではなく私服を着た母上が出迎えてくれた。
宮中では常に韓服を身に着け誰よりも凛とした姿の皇后がここでは普通の母親のように優しい笑顔で迎え入てくれた。
「いらっしゃいシン。お父様も貴方をお待ちよ」
そう言って優しく微笑む母は肩の荷が降りたようにとても穏やかで口調までもが違っていた。
本当の母の姿。5歳の僕が隣にいるかのような錯覚に陥る。
リビングではラフなスタイルで本を読む父の姿があった。
何故だかくすぐったくてその姿を見つめる事が出来なかったが、そんな僕をよそに二人は常に優しく微笑み続ける。
「シン。いつまでそこに立ってるんだ?ここに座りなさい」
「はい。あっ、これ料理長が用意してくれました。」
「まぁ!ヤックァ(薬菓)ね。それじゃお茶をいれましょうか」
まるで少女のようにはしゃぐ母の姿に驚きながらソファーに腰掛ける。何故だか知らない人に会っているようで落ち着かない。
「驚いたか?」
「ええ。母上のあのような姿を見るのは初めてで少し驚きました」
「私もミンも宮中に居る時は皇帝なのだから、皇后なのだからこうでなくてはいけないと常に無理をして過ごしていた。兄上が亡くなられて皇太子となった時はその全てに戸惑った。それはミンも同じだったのだ。
自分達の務めを果たせるだろうか、皇室の恥にならないかといつも不安だった。
だから、己に厳しくするのが最善だと私達は思っていたんだ。
その結果お前を苦しめ続けて来たとも知らずにな」
「父上」
「お前だけでなくチェギョンにも辛い思いをさせてしまったな。あの事件は私が全ての要因だったとも知らずにお前たちを責めるばかりで。本当にすまなかった」
「本当にすまない。妃宮が私に自分を廃妃にしてほしいと言ったことがあった。その時のチェギョンの顔を私は忘れる事が出来ない。チェギョンは本当の自分に戻りたいと、そう言ったんだ
この宮がチェギョンの本来の姿を押しつぶそうとしていたのに、その事に気付かず私はチェギョンを責めてしまった。今は後悔しか残っていないがお前達には本当に幸せになってもらいたい。
シン、お前の妃宮はチェギョンしかいないと思っているのだろ」
「はい。僕にはチェギョンしか考えられません。離れて暮らす今心が壊れてしまいそうな程彼女を求めています」
「ならば私達に出来る事は一つだ。私からも王族会へ働きかけよう。一日も早くチェギョンが韓国に戻れるように」
父の声を始めて聞いた気がする。父でありながら皇帝という重責はどれ程この人を苦しめて来たのだろう。
「シン。私も早くチェギョンに会いたいのです」
「母上」
母もまた、大君の妃として皇室に入った。なのに突然皇太子妃となり苦しんできたのだろう。
僕に対しても厳しい母ではあったが、それ以上に自分に厳しく全ての事を完璧にこなそうと努力してきたことは知っている。母の温もりが欲しい時。きっと母自身も僕達を抱きしめたいと切に願ったことだろう。
「そういえば姉上にお聞きしたのですが、母上からチェギョンに贈り物をされたとか」
「ふふっ。シン私ね、チェギョンが羨ましかったの」
「え!?」
自身にも厳しく律してきた母上にとって、自由奔放に生きてきたチェギョンは目障りな存在なのではないかと感じた事もあった。その母がチェギョンを羨ましいとは思いがけない言葉だった。
母は静かに自分の想いを語りだした。僕には感じ取る事の出来なかった気持ちを。
「チェギョンにも自分の気持ちを素直に話したのよ。『貴方が羨ましかった』ってね。
私達の結婚は新迎の礼も行わず、国民の興味を引くものではなかった。それなのに突然皇太子妃となり戸惑うばかりの日々で、自分を押し殺す事しか私は自分の生きる道を見つける事が出来なかったの。
認められたい、ファヨン様に負けたくない。ユルよりも立派な皇孫様にシンを育て上げなければいけない。
それには母の優しさは命取りになる。そう思い込んでしまった。
それがどれほど貴方の心に大きな傷を残す事になるのかそんな事も知らずにね。
だけどチェギョンは違ったわ。妃宮を見て自分を振り返る事が出来た。
出来る事ならやり直したい勇気を出して自分をさらけ出したいとすら思ったのよ
私にとってもチェギョンは輝いていた、だからこそ厳しく接してしまったのね。
最期にチェギョンに『お母様』と読んでもらった時には涙が出る程嬉しかった」
「母上。ありがとうございます」
「お礼を言うのは私の方です。シン、チェギョンと幸せになりなさい。必ずですよ。
シンが結婚したら嫁の為にと思って作っていたウエディングドレスを渡したの。
ほら、ここはウエディングドレスなんて着れないからね。二人きりでもいい、本当の結婚式を挙げて欲しくて旅立つ前に贈ったのよ。そのドレスを着てシンの隣に並ぶ姿を楽しみにしてるわね」
「母上、父上。ありがとうございます。僕はこれほどあなた方の息子として生まれて来た事を嬉しく思った事はありません。必ず、必ず二人で幸せになります。ただ・・・」
「ただ、なんです?」
「今すぐチェギョンに会いたいのに、会いに行くのが少し恐いのです。」
「まぁ。ふふふっ」
正直な自分の気持ち。会いたいのに会うのが怖い。
そんな思いをやっとの思いで口にしたのに、目の前の二人は嬉しそうに微笑むだけ。
この得体のしれない恐怖に僕だけが怯えているようで、何だか情けない気持ちになる。
「シン。大丈夫よ」
「お前は私達の大切な息子だ。きっとお前は幸せになれる。だから自信をもってマカオへ行って来い」
「シン ファイティーン」
拳を握りファイティンポーズを作る母、それを真似するように焦り動く父。
初めて見る二人の姿に驚きながらその優しさに包まれて、少しだけ勇気をもらった僕はチェギョンのいるマカオへ旅だった。
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りんりんさん、おはようございます。
更新有難うございます シン君陛下や皇后としての姿の
二人からは想像もできない今の両親を嬉しく想っていますねこれもチェギョンのお陰ですね早くマカオに行ってチェギョンを喜ばせてあげてね
続き待っていますね
2012/3/25(日) 午前 9:06
更新ありがとうございます。

シンの両親としての姿に ホッとし、最後のお二人を思い浮かべ思わず、ニンマリ
思いやりながらのお茶目な姿は 優しい癒しの風が心に届きます。
嬉しいなぁ…。
続き、楽しみにしております。
2012/3/25(日) 午前 9:35 [ ポンタ ]
りんりんさん おはようございます


りんと申します
名前似てますね(^-^)
シンパパ シンママが シン君の本当の親らしくなって 思いやりを言葉で示してくれる様子に 涙がでちゃうくらい 嬉しくなりました ありがとりんりんさん
ウェディングドレス シンママが 用意してくれてたんだね
そこも素敵
2人の幸せを 見守りたいと思います
続き 楽しみに 待ってますね〜♪
2012/3/25(日) 午前 10:35 [ りん ]
りんりん様❤こんにちは
シンくんのさみしかった子ども時代…
両親の立場や思いや苦しみを話してもらい理解し…本当の親子に戻れた感じで良かったです(*^_^*)
愛するチェギョンの事も両親が自分と同じように大切に想ってくれてると知りシンくん…心強く思ってチェギョンの帰国を叶える為の自分のやる気を得たたことでしょうね。
シンくんファイティン\(^O^)/
続きのお話しを楽しみに待ってます❤
2012/3/25(日) 午後 1:59 [ sakura ]
アンニョン〜^^
こんなに愛しているのに
自分ではどうにもできないもどかしさを抱えていて
それでも少しでも前に進むために
日々、精進している二人
マカオでの再会は そのがんばっている二人への
ご褒美かもしれないね〜^^
2012/3/25(日) 午後 4:20
はなちゃんさん こんばんは!
そうなんですよねぇ。チェギョンのお蔭なんだよね。
やっと本来の姿に戻れて本人達が一番幸せを感じてるかもしれないですよね。
そ!マカオ!そろそろマカオです…どうしよう…
続き頑張ります。
深夜か明日の朝には鍵開けますね。
それまで頑張って準備します
2012/3/25(日) 午後 7:12
ポンタさん こんばんは!
うはっ!ニンマリしてくれちゃいましたか!
良かった〜♪絶対にファイティンなんてしてくれないもんね
嬉しいお言葉ありがとうございます
続き頑張りますぅ❤
2012/3/25(日) 午後 7:14
りんさん こんばんは!
うふっ❤ 似てますね♪
うわ〜ん。そんな優しいお言葉アタシの方が泣けちゃいますぅ
やっぱりパパママとの溝を埋めたいなぁって思ってしまって
みんなが幸せでいて欲しいなぁ♪
見守ってください>< がんばりまーす!
2012/3/25(日) 午後 7:17
sakuraさん こんばんは!
そうそう。きっとチェギョンの事を心から両親が心配してくれてる事に対してシン君嬉しいだろうなぁって思ったんです
きっとこの二人の後押しは凄い力を発揮してくれるのではないかと…
うっはーん。続きがんばりまーーす!
コメントありがとうございますぅ♪
2012/3/25(日) 午後 7:21
4:11の鍵コメさん こんばんは!
いつも本当にありがとうございますぅ♪
そうなんです!そうなんですよーっ!
やっぱり個人として二人の幸せを心から願ってくれるって事が凄い力強いんですよねぇ
きっとどうどうと会いに行くと…思うんですけどね
うふっ。今夜あたり次出しますね
2012/3/25(日) 午後 7:24
顧問 あんにょーん
そうなんだよねぇ。いくら努力しても自分達の努力と力だけではどうにもならないんだよね。
だから尚更健気に頑張る二人を応援したくなっちゃうんだよなぁ
うきゃっ。マカオでご褒美あげられるようにがんばりまーす!
2012/3/25(日) 午後 7:26
りんりんさん☆再びです
涙出ちゃいました・・・・
シン君が子供の頃に望んで得られなかったお父さんとお母さんに会えてよかったですね
昔のわだかまりを払しょくするようなお二人の言葉にシン君の辛い過去も救われたでしょう♪
なんだかほんわりと優しい気持ちになれました
次読みに行ってきます☆
2012/3/27(火) 午前 8:45 [ - ]
ぶふっ。ここにもありがとうございますぅ♪
うはっACCさん、涙でちゃった…。
ありがとうございます!いやここはどうしても入れたかったシーンなので嬉しいっすよーっ
きっとね。迷ってる弱気なシン君を後押ししてくれるのはきっと両親の想いなのではないかなぁと…。
上手くリンクすればいいんだけど、この先どうなることか・・・。
お付き合いありがとうございますぅ!
2012/3/28(水) 午後 6:21
またまたシンチェ切れでお邪魔をしております

ホワホワ
するお話に…、「お代わり
」といいたくなるほどのッピー感に、感謝、感謝です
ワクワク
2014/2/24(月) 午後 6:14 [ わいわい ]