立方体に囲まれる日々

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 みなさんこんにちは。
 この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2015の企画の一つとして書かれています。

 今回、日本ルービックキューブ協会で副会長をしている立場として、JRCA(日本ルービックキューブ協会)やdelegateって大会に出たり定例会に出たりするときに聞くけど、具体的にどんなことしているの?何をしているの?についてお答えしてみようと思います。

 多分皆さん知っているようで、実は詳細にはどんなことをしているのか、また成り立ちなどはあまり知らないのではないでしょうか。

・JRCAの名称について
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 JRCAとはJapan Rubik's Cube Associationの略です。2005年に組織を作ろうと決まった際に、いろいろ案が出ましたが、ルービックキューブを発売しているメガハウスさまから許可をいただきルービックキューブの冠をつけることができました。
 他には日本キューブ協会や、日本キュービストクラブという意見がありましたが、日本では「ルービックキューブ」=「立体パズル」の印象が強くキューブだけではわかりにくいだろうということからルービックキューブとしました。

・JRCAの組織について
 さて、名称についての経緯をご説明したところで、次に皆さんに知ってもらいたいのは、JRCA組織はいわゆる有志の組織だということです。

 運営に協力いただいている方はもちろん、JRCA幹部も会長、副会長も含め、それぞれ本職や学業についており、JRCA専任という方は一人もいません。また、私たち幹部や運営に協力していただいている方は、無報酬で対価としてお金はもらっていません。

 過去に就活シーズンにログを見ると「JRCA 採用」という検索があったのを見ましたが、採用をしているわけでもありませんし、お金も出せませんので、就活生のかたはご注意ください。

 じゃあなぜこんな組織があるのか。歴史などの詳細はこちらを見ていただければわかりますが、今は無きJSCCというメーリンググループサービスで今後のキューブ界の発展を見越して、また京都大会の運営組織の主体として、有志が集まってできたのが始まりです。

その後、東京支部(現関東支部)、大阪支部(現関西支部)、そして北陸支部ができ、幹部も入れ替わって今の組織形態となっていますが、有志の集まりということは今も昔も変わっておりません。

 報酬をもらっていないのなら、大会で支払っている参加費はどうなっているの?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、いただきました参加費は会場費や印刷代、タイマーの電池代、郵送費等に使用しております。
 会場費等が安ければ、いただいている参加費のほうが経費より上回る場合もありますが、その際は次回の大会や定例会、また備品の追加購入などに使用するためプールしております。

 結構たまってるんじゃない?っていうかもしれませんが、例えば現在大会に使用しているタイマーやディスプレイは2009年ごろに購入したいわゆる第2世代のタイマーで、100分の1まで(9分59秒99)表示できるものです。
 現在は第3世代の1000分の1まで表示できるタイマーが出てきており、第2世代のタイマーは公式には販売が終了しています。現在もWCA(世界キューブ協会)公式ルールでは第2世代も使用可能ですが、来年はどうなるかまだ決まっていません。
 もし来年ルール改正で使用できなくなると、現在各支部で保有している約30台近くを買い替えなければなりませんがディスプレイは1万8千円ぐらいタイマーも7千円と1セットで2万5千円かかることになります。
そうなると単純に75万円ですよね。
 一気に全部買わなくてもいいので常時そこまでプールする必要がないとしても、いただいた参加費の一部はこのような時のために最低限はプールする必要があります。


 あ、ついでにちょっと話はずれますが、大会に使う会場って結構古かったり、都心から少し離れていたりしますよね。開催された会場のホームページを見ていただければわかるかもしれませんが、多くの場合、かなり安い場所をいろいろ探して確保しています。
 ただ、実は安い会場というのは結構抑えるのが大変で、地域の会館などは、先に地域のサークルが抑えていたりすることが多かったりします。じゃあいわゆる都心の貸会議室ならどうなの?と調べてみると、50人クラスの部屋で2時間で3万円とか桁が変わります。大会では1日(8時間)借りますのでその場合は12万円になりますが、それを40人(競技場を考えると50人の会場では40人が限界)で割ると一人最低でも会場費分だけでも3000円はもらわないといけません。その他もろもろ含めると参加費は1競技出るだけで4000円ぐらいになるでしょうか。4000円ぐらいならいいじゃんと思う方もいらっしゃると思いますが、4000円ならやめておこうと思う方もいらっしゃると思います。
 また、今まで安い会場なら40人集まったかもしれませんが、4000円になったことで25人しか集まらないかもしれません。そう考えると5000円ぐらいにして余裕を見ないといけないとなってきます。

 もっともらってもいいんじゃない?というようなご意見もいただきますが、現在はできる限り多くの方に参加していただきたいという思いから、できる限りコストを抑えるために、少し駅から歩いていただいたりもしますが、安い会場を探しています。

・Delegateについて
 DelegateというのはWCA(世界キューブ協会)から認定された、公式大会を開催できる資格を持った人のことです。
 この資格を持っている人がいないと、仮に公式大会フォーマットで大会を行ったとしても、公式大会となりません。また公式大会を開催するにあたり、定められたルールに則り責任をもって行います。
 日本では現在、私も含め6人います。
 もちろんこちらもDelegateの対価としてお金は一円もいただいておりません。

・具体的な業務について
 ではJRCAの幹部及びdelegateは具体的にどんな仕事をしているのでしょうか。
 幹部とdelegateを分けようかと思いましたが重なっている部分も多く、同じような説明になるので、まとめて説明することにします。

 仕事は大きく分けると、大会・定例会運営、本部事務の2つです。
2つだけ?そんなに仕事ないんじゃないと思われるかもしれませんが、結構皆さんが知らないような仕事も行っています。

1大会運営
 こちらはご存知の方も多いでしょうが、WCA(世界キューブ協会)公認の公式大会を開催しています。
関西の場合では、各々の検討は支部の運営にご協力いただいている方とメールや大会、定例会等で相談しながら行っています。


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 大会の運営の概要を書こうかなとも思いましたが、書くとかなり長くなりますし、過去に手引きを作りかけたものがありましたので興味のある方はそちらを参照ください。

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2本部事務
 こちらは皆さんからはあまり見えないので大会などイベントがあるとき以外は何もしていないように見えるかもしれませんが、実はこっちのほうがいろいろあったりします。


・各種問い合わせ対応
 マスコミの方からのテレビやイベント出演依頼、「ルービックキューブ」の商品を作りたいという場合の問い合わせが主になります。
 出演依頼で、○○(日本チャンピオンレベルという場合や具体的に名前を指定される場合もあります。)の方と連絡が取りたいという場合や、○○という企画(例えば高齢の方や年少者、女性、すご技をもっている方など)を検討中で、該当するような方を探しているという場合が多いです。
 世界記録が更新されて話題になったり、新しいパズルが発売されたりした際に問い合わせが多くなります。

 問い合わせの地域により基本その支部(関西の放送局なら関西支部対応)が対応し、出演条件等を確認したうえで該当する方に連絡を取り、連絡OKの場合は、マスコミの方と直接やり取りしていただきます。
 その支部に該当する方がいない場合は、条件等でほかの支部と連携し、地域外の方を紹介したりします。
 直接やり取りとなってからは、基本的にJRCAが関与することはありませんが、放送にあたり、ディスプレイを借りたいとか、大会の様子を撮影したいという時は関わることもあります。結構トーナメントディスプレイは撮影の際に使いたいという連絡をいただきます。郵送とか直前になったりと、連絡を取ってる担当がディスプレイと持っていないと、ディスプレイを置いていただいている方に連携したりと結構大変です。

 また、テレビ等で「ルービックキューブ」の名称を使用する場合は権利関係があり、㈱メガハウスさんの担当となりますので、そちらの紹介等も行っています。

 イベント出演依頼の場合も基本的にはマスコミの方との対応と同じです。

・ WCAとの調整
 こちらはJRCA幹部というわけではなく、delegateが主になります。
 WCA規則では、公式大会を開催した場合、1週間以内に大会レポートを提出する必要があり、そのレポートは全delegateに連携され、疑問点などはメーリングリストでやり取りされます。
 ちなみに全世界規模で大会が増えている現在、週によっては15近い大会がある場合もあり、その後の質問や回答を含めると1日で50通を超えることもあります。
 また大会以外でもWCAルールの解釈にかかわることやWCAの組織のことなども議論されています。
 WCA内では基本的に平等で誰でも意見を言える状況になっており、よく議論に出るのは、クロックや足競技の廃止論や素体の議論ですね。それ以外に足競技のmeanをaverageにしてほしいとかそういう話もありました。
 他に過去にはFMC競技に使用する持ち替え手順について、欧米などでは(x)(y)(z)が使用されており、(r)(u)などはほとんど使用されていないため、廃止という話が上がりました。
 結局日本を含めアジア地域で多く使用されていることがわかり、廃止はなくなりましたが、全部英語でやり取りされているので、なかなかアジアの方は参加しにくく、コメントがされないことが多い状況です。ですので、欧米よりな意見が出たりする際は特に注意が必要です。
 日本として、アジア諸国として、delegateとして言わなければならないことは議論に参加します。また、結論が出たことについて、特に必要な情報(今後の競技ルールの判断に関わることなど)は幹部内で連携し、その中でも特に必要なことは全体に告知したりします。

 ちなみに2015年(11月末まで)だけで見ても6000通(ひと月平均500通以上)を超えています。こちらはdelegateにだけ送られてくるので、幹部でもdelegateでない方はここまで来てるとは知らないのではないでしょうか。

・ホームページの情報更新など
 年間予定表の更新や、WCA規則の変更、幹部の変更があった際に更新作業を行います。
 また、大会に関する部分でもありますが、大会バナーの作成等も行います。

↓過去に作成したバナー (エクセルです。)
イメージ 3


・JRCA本体での調整
 各支部間で大会日程調整を行ったり、日本国内でのルールの調整(統一)を行ったりします。

 例えば競技の制限時間について、アジア大会まではいわゆるHard Cut Offが日本では主流でした。Hard Cut Off 方式というのは、average of 5形式の場合、5回とも計測できますが、制限時間を超えれないとすべてDNFとなります。
 ですが、世界的にはSoft Cut Offで、5回のうち2回までは緩い制限タイム、たとえば10分まで計測可能ですが、きつい制限タイムより良いタイムを出せない場合、3回目以降は計測できないという方式が主流でした。
 Hard Cut Off形式とSoft Cut Off形式について競技者や運営面でのメリットやデメリットを話し合い、Soft Cut Offのほうが、単発でも記録を残したい方が記録を残せること、また、運営面でも仮に10分かかる競技者がいた場合も2回までの計測で終わるために問題がないことなどを踏まえた結果、基本的にアジア大会以降はSoft Cut Off形式を標準としていこうということになりました。またその旨を大会案内に分かりやすく記載するための表現等についても話し合いを重ねました。
 もちろんすべての大会でSoft Cut Offが強制ということではないのですが、このような取り決めを行わないと、表現がバラバラで、競技者(特に初参加の方)が勘違いする可能性が出てくるため標準形式を決めたりします。
 大会に長く出ていると忘れがちですが、初めて大会に参加しようとするような方の立場になってみれば、こんなこと当たり前じゃないかと思っていたようなことが、実は不親切であったり、分かりにくかったりと結構いろいろなことが見えてきます。大会に出ていればaverage of 5というのは5回測っていい記録と悪い記録を除いた3回の平均とすぐにわかりますが、初めての方は詳細までわかりません。5回測れるのかな?単純に5回の平均かな?そう思うでしょう。そのあたりを考えてできる限り誰でもわかるように大会案内の作成を心がけています。

 JRCAでは、大体こんな感じの業務を本業や学業の合間を見てやっております。
 昨今は大会やツイッターなどで、こういう風にしてほしい、こういう風にしたらいいと思うというようなご意見もいただくのですが、なかなか時間的、金銭的、技術的制約がある中で、理想通りにはできていません。

 例えば、ホームページについてはもっと見やすくしてほしいとか、わかりにくいという声も聞いております。ホームページ刷新について検討を重ねたりもしましたが、マンパワー的な部分からもとりあえず現在の状態に落ち着いています。

最後に
 2005年にJRCAが発足して今年でもう10年が経ちました。当初から見ると、キューブ界も大きく変わっています。

 当初は、大会も定例会もなく、2005年に初めて大会が開催されてからも、日本大会、東京大会、大阪大会と年に3回ぐらいで、大会ごとにみんなが遠征するというのが2007年ぐらいまで続きました。また、大会の開催についても、現在の支部というよりもJSCCのみんなで開催するというような感じでしたが、現在はどうでしょうか。

 JRCAの成り立ちを知らない人が増えてきて、JRCAがすべてやるのが当たり前だ。もっといろんな地域で大会しろ、なんでジャッジとかやらないといけないんだと思われていた方がもしかしたらおられたかもしれません。

 もちろん成り立ちや組織について知らないのですから、ぱっと「日本ルービックキューブ協会」というのを見たら、「日本サッカー協会」や日本野球機構」のような組織で、どこかから派遣されたり、報酬をもらったりして運営しているのかなと思うのが普通です。
 私も、日本ルービックキューブ協会の副会長していると言うと、「すごい!どこにあるの?」とか、「会員は何人ぐらいいるの?」とかよく聞かれますが、再度になりますが、JRCAはいわゆる有志の組織です。単なる有志の組織と言ったほうがいいかもしれません。

 私も2005年にキューブを始めて、2006年に初めて大会に出たときは、本当の1参加者でした。そのあとも1競技者として大会に出ていましたが、何回か大会に出ているうちに、ちょっとキューブ界に今までの恩返しをしてみようかなと思って、当時の大阪支部長の高松さんから誘われたこともあり、大阪大会で事前準備から運営に参加したのが始まりです。

 もちろん運営をしているから大会に出たらいけないというわけではありません。私も先日のFMCアジアに競技者としても参加して大阪地区で入賞もしましたし、関西副支部長の大畠さんは、今年開催された世界大会でも入賞しています。

本業や子育ても結構忙しくて昔みたいにキューブを触る時間は減っていますが、減っているから運営だけに集中するのではなく、ある競技に集中するなどして、今後も大会も出てはいきたいです。
幹部が大会に出ることで、運営でも大会に出ていいんだ。入賞していいんだというようにしたいですね。

 長々となりましたが、もし、今までキューブをしてきて、自分には立ち上げるのは厳しい、何かを作り上げるまでの力はないけど、何かキューブ界に恩返ししたいと思ったら、幹部や運営メンバーに声をかけてみてください。
 現在、特に、ホームページの作成などが急務となっておりますが、専門性が高くなかなか手を付けることができません。もちろん専門的なことでなくても、例えば、大会のスケジュールやジャッジ等の割り振りなどは大会運営経験者じゃなくてもできますし、家で時間のある時にすることもできます。遠方に住んでいて、集まることができなくてもできることもたくさんあります。上で書いたように、近くの会場を紹介していただいて、可能であれば確保などもしていただけるだけですっごく助かります。(地区会館などの場合、その地域に住んでいると半額とかいう場合も結構あるんです。)

 また、JRCAとしてではなくても、解法ホームページを作ったり、オフ会をしたりとキューブ界でやれることはたくさんあると思います。

 他と比べるとまだまだキューブ界は小さい世界です。取りまとめている組織も有志です。
 もし今回少しでもキューブ界の成り立ちなどを見て、何かしたいなと思ったら今後のキューブ界のためにちょっとだけ力を貸してください。

 私としては、将来的に囲碁や将棋と肩を並べられるように・・というのは壮大すぎる夢かもしれませんが、何十年後かにルービックキューブがそれに近づけるようになればいいなと思っています。

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