私小説

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斎藤一の写真発見される!
である。

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斎藤一って誰?
っていう人は帰れ!
いうまでもなく新撰組三番隊長のである。
かっこいいじゃん?
以前のスポックの様なイラストやフランケンの様なピンボケ写真とはうって変わってイケてます。
ハゲで鼻筋通って、友人のS藤に似てる。
いままで小馬鹿にしてゴメン。
これからは斎藤一に似てる、
S藤ピカソ君と呼んであげるわ?

●気になる女がいた●

気になる女がいた。びっこをひいていつも歩いてた。
暑い日は日傘をさし、雨の日は雨傘さして。
朝は通りのバス停に向かって、夕方は自分のアパートに向かった。
俺の通勤行き帰りの車ですれ違うことが多い。
惚れたのか俺? いや違うな。美人ではないし、スタイルも良くない。服装のセンスもあんまりだし。
40代前半にみえる。それにびっこだ。だが気になる。いつも見てしまう。
 
それが昨日、バス停の反対側のコンビニにいた。青いTシャツを着て今日はラフだ。
駐車場で男の車に乗ろうとしてた。水色の軽自動車。旦那? 恋人? だとしたらおかしい。
アパートの前で乗ればよい。コンビニで買い物? 食べ物飲み物袋手にしていない。
あきらかにここでおちあったようにみえる。仕事の待ち合わせ? 今日は土曜日の昼3時半だ。
さては不倫か? 発進した彼女らの車は俺の車の後を付いてくる。俺はルームミラーで観察した。
男の方が若く見える。やっぱ不倫だ。やるな地味なびっこ女。くそーっ、俺は嫉妬してるのか?
俺も混ぜてくれ。3Pしよう? いや違った、いやいやいやこいつはただの弟かもしれぬ。親族なのだ。
 
おっと違うぞ、この男はエージェントなのだ。多分NASAの。
このびっこ女の左足には秘密兵器の電磁砲がしこまれてるのだ。
宇宙の侵略的な何かと対決するために、アメリカ本土のエリア55に向かう必要があるのだ。
この水色の軽自動車は豊橋駅を目指し、そこから電車でセントレアを目指し、飛行機で沖縄をめざし、
アメリカ空軍特別機でエリア55を目指すに違いない。がんばれびっこ女。
あっあっあっ、女顔皮膚を外したぞ。うがっブロンド白人美人じゃんか? やっぱ3Pしよう、俺も混ぜてくれ?
水色軽自動車は猛スピードで俺の車を追い抜いて行った。
 
俺はハタと正気にもどった。
 
急がないと配達時間に遅れる!

●深夜の彷徨●

青年団の会合を終えて『陸ぼうず』へ流れた。団長と俺ともう一人。野郎3人だけ。
生ビール3杯をまぐろ刺身、うずらウインナで流し込む。なんとなく盛り上がらない。
アルコールが回って、ここにいない団員の陰口、悪口に始終しだした頃、オーダーストップだ。もうお開き。
2軒目に誰も行こうと言わないので、ここで別れた。俺には腹案があった。街の反対側にある、
ライブバー『ボークレー』でもう一杯だけ生ビールを飲みたい。
駅前から歩いて10分、角を曲がって俺はうんざりした。看板ライトが消えてる。くそーっ。もう閉店か?
念の為に大きな木ドアを押してみたがカギがかかってる。まだ12時前だぞ。どチクショー!。
平日で客来ないので、店じまい勝手にしたのだろう? こうなったら意地でも生ビールが飲みたい。
俺は思い出した。市電大通りを超えて、少し歩いたところに、洋風居酒屋『ウエストオレンジ』があったのを。
が期待は裏切られた。店に近づくにつれ、真っ暗なのが目に入る。
くっそーっ、ここも休みか? 道の反対側を向く。
やった。ここはやってる。看板灯が点いてる。ショットバー『アンクルジム』だ。俺は喜び勇んでドアを開けた。
カウンターの中には口髭を生やした細身の、ジムのマスター通称『ジムマス』がいた。がしかし、間髪をいれず、
『きょうはもう終わりなんだ、ごめんね!』と言いやがった。なんだと? くっそー、あんたまで俺に生ビール飲ませないつもりか!死んでしまえ! もう2度とくるか? ボケェ! ちゃんと閉店の看板出しとけぇ!看板灯消しとけぇ?
俺は途方に暮れた。どうしよう? どうしようもない。
俺は街中のライブハウス『ホーム・オブ・レイジー』を目指した。
ここは時々マスターが一人でドラム練習してる時がある。運が良ければ缶ビール売ってくれるかもしれない?
途中、いろんなスナック、吞屋が目に留まったが、一人一見でビール一杯飲む度胸はなかった。
がここも裏切られた。怒際(どきわ)アーケードを左に曲がるとそこは負け犬収容所だった。
あううっ、やってねーよ! 地下1階に降りる鉄扉は無情にも閉じられたままだ。
俺は手に持っていた、青年団の資料束を地面に叩きつけた。
くっそーっ! みんな俺にビール飲まさないつもりか? あー、もー、分かった。分かったよ。
頭の中でクラッシュがロンドンコーリングを演奏してる。鉄扉にモタレテ尻を落とした。
ビールだよ、ビール。俺はビールが飲みたいの! なんでさ? なんで?
だが怒際アーケードの北口のスナック『あんず』を思いだした。思い出したが考えた。スナックは基本高い。
ビール中瓶1本飲んで3,000円はするだろう? それにもうここ5年程顔出していない。
俺は当時ママの好子(スーコ)に入れあげていたが、こともあろうに俺の誕生日を1ケ月間違えられて、
大激怒して以来、音信不通だったのだ。 もうなんでもよい。俺は客だぞ、大馬鹿野郎。
だが心配は杞憂だった。勇ビルの壁際に並んだ店名看板は『あんず』のとこだけ真っ暗だ。
やってないのだよ。はははははははははっ。そりゃそうさ、水曜日平日の深夜なんか客こないもんね。
帰ったほうがいいよね。はははははははははっ。俺は階段1段目を蹴り飛ばした。が打ち所が悪く、踵をぶつけて激痛で蹲った。いててててててててててっ。涙が流れた。もうあきらめて家に帰ることにする。
はじめからそうすれば良かった。 タクシーを拾おうとしたが、なぜだか停車場には1車もいない。
駅前まで戻るのも馬鹿らしいので、家まで歩くことにする。35分ほどで歩けるはずだ。
会議所の北を抜け、JRのガード下をくぐる。港に向かう大通りをひた歩く。
深夜でも真夏だ。後頭部から背中に汗をかく。 俺はまず顔よりも後半身から汗かく。
こういうのは役者向きなのだそうだ。自慢な余談だが。
ファミレス『テニス』牛丼の『吉川屋』、はす向かいにおなじく『ずき屋』ができた。嗤う。競争だな。
居酒屋チェーンの『とりえすて権兵衛』、バーガーショップ『蒸すバーガー』なんかが通りにならぶ。
これらに入ってビール飲めばよいのだが、なぜか、なんとなく、嫌でひたすら歩いた。
進行方向左手にコンビニがある、『ザックるK』だ。思わず飛び込んだ。
冷房が涼しい。冷蔵ショーケースからギリン350ml218円也を選び金払う。
レジディスプレーで年齢認証をタッチする。毎度毎度バカバカしい。こんなに老けた未成年がいる訳なかろうが?
コンビニの駐車場の端っこに座り込んで、思わず飲み干した。ううっ、美味い。美味いな。今日以外の俺だったら絶対にしない行為だ。自意識が許さない。 大昔、若かりし頃同じように酒屋の前に座り込んで飲んだ事がある。
30年ほど前、秋の夕暮、バンドのリハの後、メンバーと缶ビール飲んだ。街は豊山まつりでにぎやかだった。
俺は夢を追っていた。ボーカルと曲創りを担当しプロを目指してた。だが今の妻と出会いサラリーマンになった。
30年? 長い時間だね。
今朝の妻との会話。
長男の奨学金の話、長女も家庭科の先生になりたくて、4大へ行きたいという。次女もまだいる。
住宅ローンも終わっていない。なのに会社をクビになりそうである。そして妻とは1年以上交ぐわっていない。
もう俺は何の為に生きているのか分からないのである。自殺しようか? 無理だ保険金が貰えない。
それに痛いのは勘弁である。そんな度胸もない。最後のビールを飲み干して息を吐いた。
 
駐車場の反対側に一人の若者が座り込んで、煙草をふかし始めた。 黒づくめの恰好してる。
悪そうには見えなかったが、無意味にからまれるのも嫌なので視線をそらした。
30年前の俺か? 頑張って夢を追えよ! 少年! 俺のようになるなよ!
 
空き缶をゴミ箱に押し込んで、俺はまた歩き出した。
 
家はもうすぐそこだ。

●南無戒名●

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南無戒名 安堵劉 2011/8/3
 
しーん一
 
悟平は水呑百姓だった。悟平には嫁と六歳になる息子が1人いた。
 
働いても働いても暮らしは楽にならず、貯えもなかった。
 
ある時悟平は病にかかった。高熱が出て寝込んだ。
 
嫁は看病するが薬も買えず、医者にかかる銭も無い。
 
『オラが働かねば、嫁っ子もガキも飢え死にだべ。』
 
そう呟くのだが日増しに病状は悪化しついに息絶えた。
 
嫁と子供は取りすがって泣き続けた。がしかし葬式をせなばなるまい。
 
でっぷり太った名主がこれまた、でっぷり太った坊さんを連れてきた。
 
『葬式代と戒名を付けて三両でどうじゃ?』坊主はそういった。
 
嫁は驚いた。
 
『うちにはそんな大金ないだよ!なんとかお経だけでもあげちゃくれねーか?』
 
坊主は激怒した。
 
『なんじゃと、銭もないのか?話にならんな。その辺に勝手に埋めるがいいわ。
 
それに戒名が無い奴は地獄に落ちるぞ。ざまーかんかんじゃ。』
 
そう言って嫁を足蹴にして出て行った。ひどい坊主もいたものである。
 
嫁は子供と抱き合って、ひたすら泣くしかなかった。
 
 
しーん二
 
吾平は気が付くと、もやがかかった川原にいた。
 
さらに目の前に白髪のがりがりに痩せた老婆がいた。
 
『六文銭だせ』
 
『はやく六文銭だせ』
 
吾平はうろたえた。なんの事だか分からない。老婆はまくし立てる。
 
『うすらぼけが! お前は死んだんじゃ。ここは三途の川じゃ。棺桶に入れてもらった六文銭を出せや!』
 
六文銭など持っていないのだ。『もっ、もってないだよ。』
 
『あほんだら、死んでしまえー。もっともお前は死人だが。もってないです。忘れました。ってか? 
 
寺子屋の宿題じぁねーんじゃ。それじゃすまんのじゃ、お前の着てる服を貰うぞ!』
 
身包み剥がされふんどし一丁になった吾平は、老婆に蹴っ飛ばされた。
 
『とっとと川を泳いで渡りやがれ。』
 
しかたなく吾平は川に入っていった。水は冷たく深い。
 
『オラは死んだのか?  嫁とガキはどうしているだろうか?』 そう思うと細い眼から涙がこぼれた。
 
ふと気づいた。水が深く足がもはや届かない。吾平は自分がカナヅチだった事実を思い出した。
 
『うわっ、溺れる。もう一回死んでしまう?ぐわーっ。』
 
 
 
しーん三
 
気が付くと対岸に倒れていた。もう死んでるのだ。もう一回死ぬ訳がない。
 
吾平は歩いた。ひたすら歩いた。 空は暗く雲が垂れ込めていた。
 
馬鹿でかい城らしき場所に辿り着いた。真っ黒である。
 
入口に不気味な門番がいた。 なんというのだろう?
 
真っ黒で尻尾と蝙蝠のような羽根がある。耳は尖り、口は裂け、眼が大きく赤い。
 
背中を丸め 刺又のような槍を持っている。そして息が臭い歯を磨け。
 
その化け物は吾平にこう言った。
 
『ここはあんさんがくるような 所とちゃいまっせ。とっととあっちへ行きなはれ。』
 
と刺又で追いやられた。何故か大阪言葉だった。
 
吾平は見た。入口の脇に走り書きの粗末な看板があった。
 
≪きりすときょうにおけるじごくみたいなところ≫
 
歩きだしながら吾平は呟いた。
 
『訳が分からんが、オラは地獄へきちまっただ。』
 
吾平は生前を思い出す。 善行はしてないが、悪行もしていない。
 
ただただ働き続けた人生だった。それなのに地獄とは理不尽なり、と思った。
 
 
しーん四
 
今度はお椀を伏せたような巨大な施設にぶち当たった。
 
ここにも門番がいた。これも見たことが無い化け物だ。
 
足は象、手は蛇、身体は人間だが、頭には長い布を巻き付け、
 
服は女が着るような、だぼだぼ透け透けである。
 
なのに顔は髭眉毛むくじゃらである。吾平に気づくとこう言った。
 
『ここはおはんが来る場所じゃなか、とっとと、いねいねいねいね。』
 
などと蛇の手でまたもや追いやられた。どうして薩摩言葉なのか?
 
吾平は発見した。 入口の上にある旗にはこう書かれてあった。
 
≪そうぞうされるいすらむきょうのじごく≫
 
途方に暮れたが、またゆっくり歩き出した。
 
 
しーん五
 
≪ぶっきょうじごく≫
 
ここは分かりやすかった。 子供の頃寺で見せられた屏風の地獄絵図そのものだ。
 
門番は赤鬼だ。
 
『やっと来たな。待ってたぜ。とっとと入りやがれ!』
 
そういって金棒でドつかれた。白装束頭三角巾の人達の列に並んで待った。
 
吾平は恥ずかしかった。ふんどし一丁なのは自分だけだ。
 
自分の番がやってきた。ここで裁かれるのだろう?
 
正面には閻魔様がいる。両脇には鬼がならんでいる。
 
突然言い渡された。
 
『吾平は叫喚地獄コース。 糞尿の池で蟲に食われまくって500年間。そこんとこ夜露四苦。』
 
吾平は取り乱した。なにも悪くないのに蟲は嫌だ。
 
『お代官さま、いや違った、閻魔様、オラなにも悪行してねえべよ。
 
もう一度ちゃんとしらべておくれよー。』
 
暴れた吾平を両脇の赤鬼青鬼が押さえ込んだ。
 
『申し開きは受付ましぇーん。あんー。なになに・・・・・・・ふむふむ。』
 
閻魔の隣にいた金色の鬼が、なにやら怪訝な仕草で耳打ちした。
 
『何っ?誠か? 嘘つくと鬼でも舌抜くぞ。』
 
『これ吾平とやら? お前さ、戒名がないではないか?非常に困るぞ、困ったぞ。
 
戒名がない奴は地獄におれんのだよ。今時こんな奴がいるのか?むむむむっ。』
 
閻魔は8本ある腕を腕組して悩んだ。
 
『オラ死んじまったから分からんが、多分嫁っ子が坊さん呼ぶ銭がなかったとみえますだ。』と吾平。
 
『ちっ、しようが無い奴だな。では仕方がない。非常措置だ。吾平近こう寄れ。』
 
近づいていった吾平の頭を閻魔様が杓で、パァアぁーん、と叩いた。
 
吾平は視界が揺らぎ、そのまんま気を失った。
 
 
しーん六
 
吾平は意識が戻った。顔の上のボロ布を跳ね除け、むっくり身体を起こした。
 
そこは見慣れた吾平のあばら家だった。
 
嫁とガキがいた。
 
『あんたぁ〜〜〜が、生き返った!うげーっ!』
 
吾平、嫁、ガキ3人で抱き合っていつまでも泣いていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

★ジェネレイター★

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ジェネレイター 安堵劉 2011/5/22
 
何度言ったら分かるんだ。社長と呼べたわけ。サブのイガグリ頭をげんのうでちょーんと叩いた。
 
すいやせん社長。サブはその場にうずくまってヒーって頭を抑えた。
 
現場で俺をアニキと呼ぶな。ただでさえそっちの気?があると誤解されやすい。
 
俺はちっぽけな工務店をやっている。若い衆はサブだけだ。ほらまた誤解したろう? その気はないよ。
 
与太話はどうでもいい。仕事にかかろう。サブ、ジェネ回して来い。俺は指示した。
 
サブは、へい、と言い走っていった。ジェネ、とはジェネレイター、いわゆる発電機だ。
 
電動カンナやノコギリその他の工具を使うに必要だ。小型で一応防音されてる。でないと近所迷惑だ。
 
サブが引いてきたコードリールに電動ノコを繋ぎ俺は仕事に取り掛かった。
 
別段書くようなこともなく日が暮れた。サブ帰るぞ。片付けしてジェネも積んで帰る。
 
最近は物騒なので現場に残すと盗難に遭うのだ。
 
ジェネは買えば20万位する。冗談ではない。その時サブが声を荒げた。
 
アニキこれどうやって止めるんですかい?
 
社長と呼べたわけ。俺は飲みかけウーロン茶のペットボトルでサブの頭を叩いた。サブ涙目。
 
なに言ってやがる。どこかにスイッチがあるはずだ。それを切ればいい。
 
どけ、つかえねぇな、サブのど阿呆。俺がやる。
 
あれれ、スイッチがない。ないよ。そんでもってこんなジェネうち持ってたっけ?
 
約50センチ立方体、角は丸みを帯びてる。グレーの塗装の防音隔壁だろう。
 
持ちやすいように手が入る切り欠きがある。両サイドにハッチがある。
 
開けてみるがそれらしいものはない。なんだこりゃサブいつ買ったんだ俺のしらない間に。
 
そうだ燃料コックを閉めれば止まるぞ。それを探した。ないよない。
 
吸気口を塞げ、がしかしそれもない。どうなっているのか? どういう構造なのだ?
 
俺は改めて観察した。100Vのコンセントが二口ある、その隣にはブレイカーがある。
 
そしてリコイルスターターの引き手もある。それだけだ。スイッチがない。燃料コックがない。
 
燃料のガソリンの注入口もない。吸気口もない。排気口もない。いったいどうやって動いているのだ?
 
一応学校で物理化学技術学んでる。ジェネの構造ぐらい知っている。
 
ガソリンを酸素で燃やしエンジンを回す。その動力でダイナモ(モーター)を回すと電力が取り出せる。
 
それをまったく無視している。おかしいではないか?俺はサブを問いただした。これお前どっから持って来た?
 
なに言うんですかアニキ、うちの倉庫からですよアニキが新たに仕入れたんじゃないんすか?
 
アニキと呼ぶなこのボンクラ社長と呼べ、俺は軍手でサブのほっぺをぴしゃりと叩いた。サブ半泣。
 
俺もサブも知らないジェネがここにある。とにかくここに放置するのはまずい。近所迷惑だ。
 
防音されてるとはいえ低く聞きようによっては不気味な、うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、
 
という騒音はある。とりあえずバンに積んで帰ろう。後でなんとかしよう。俺はサブと2人でジェネを積んだ。
 
会社に帰り色々工具店メーカー筋に聞くも要領を得ずその日は寝た。明日になれば止まるかも知れぬ。
 
翌朝もジェネは回っていた。どうなっているのだ。その日は現場はサブに任せ会社で事務仕事をした。
 
会社といっても事務所倉庫自宅が一緒なのだ。ジェネの低騒音が響いてくる。
 
うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、
うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、
 
昨日より騒音、大きくないか? 昨晩は普通に寝られたのに。さいわい会社は町外れの郊外にある。
 
まわりに文句を言ってくる住人はいない。明らかに音が大きくなっている。はっきりいってうるさい。
 
理不尽な怒りが込上げた。俺は特大ハンマーを手に倉庫に向かった。
 
このやろう、うるさいんだ。ハンマーをたたきつけた。がん、ごん、ぼん、ばき、くしゃ、ぬふ、つる、もげ、がご、
 
びくともしない。俺は肩で息をした。なんなのだ傷もへこみもまるで付かない。
 
なんでできてるのだ? 地球外物質? そうしてるあいだにも騒音が大きくなった気がした。
 
これでは生活できない。俺はしかたなくそこら辺にあった古布団をかき集めジェネをくるみロープで縛った。
 
静かになった。俺はほっとした。そしてジェネの事は忘れた。現場仕事が忙しかったからだ。
 
一月程たったある日またもや騒音が響いてきた。
 
うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、
うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、
 
俺は顔面蒼白になった。あれだジェネだ。
 
サブを呼んで二人がかりで作業にかかる。防音材でくるみ木材の箱に入れて密閉した。
 
静かになった。 ジェネの事は忘れたふりをした。

 
一年ほどたったある日またもや騒音だ。
 
うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、
うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、
 
俺の頭のなかで小人100人がヘッドバンクしている。あいつだあのジェネの野郎だ。
 
またサブを呼んで二人がかりで庭に穴を掘り埋めた。静かになった。 ジェネの事はトラウマになった。
 
五年程たった。あれから五回穴を掘りなおし地中深く埋め直した。今現在約100mの地中にヤツはいる。
 
サブはもういない。死んじまった。四回目の掘削作業時に重機に挟まれて死んだ。
 
俺はそのまま穴に埋めた。サブごめんよ。
 
今度また騒音が聞こえたらもう打つ手はない。 五回の土木作業で会社は傾いて潰れそうだ。
 
うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、
うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、うぃーーーーーん、ぶぶぶぶぶぶぶぶ、
 
気のせいだろう? 俺は何も聞こえないよ。
 
俺の頭のなかでペン習字をしてる女の子がいる。ボールペンがないの?
 
かわいそうにおじさんが貸してあげよう、俺は両耳にボールペンを突き刺した。

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