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類♡だ〜い好き

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大嫌い(類ver.)

「類なんて、大っ嫌い!!!」

牧野はそう言って、走っていった。
俺は呆然とそれを見送っていた…。

***

うらうらとした昼下がり。社会人になって忙しいにもかかわらず、三年寝太郎の名に恥じず、ひたすら惰眠を貪っていたら、いきなり脳天に突き刺さるような大声が降ってきた。

「類―っ、お昼だよ〜〜〜」
はああ…牧野。あんたの声って元気すぎるんだよね…。

ぼーっとしたまま起き上がると、牧野が来ていて、部屋を覗き込んでいる。そのまま、またくてっと寝ころんだら、「類〜〜〜〜!」と言いながらベッドのそばに来て、がしがしと揺り起こそうとする。むすっとして起きると、牧野があきれたように言った。「もうお昼過ぎてるよ、いつまで寝る気?」

いつまでだって寝てられるけど・・・。でも牧野が来てるんだったら起きなきゃね。
って、なんで牧野が来てるの?

「もう、類ったら忘れた?一緒に美作さんの家に行く約束してたじゃん。イギリスから帰ってきたから、集まろうって。」

あ、そっか。

「夜からでもいいのに・・・」とブツブツ文句を言うと、「わかった、じゃ、先に行ってるね」とさっさと出て行こうとする。

俺をおいていく気!?

***

牧野も仕事を持つ身。学生時代のように俺を甘やかしてくれなくなった。あっさり、さっぱりとした性格に磨きがかかり、ぐずぐずしてたら、ほっていかれてしまいそうになる。忙しい中、時間があったら会いたいと思っているのは俺だけなのかな。

それでも、ちゃんと迎えに来てくれたし。手をつないでも赤くなるものの振り払わないでいてくれるし。ね、牧野。

あきらの家。相変わらずメルヘンな館。ちょっと大きくなった双子たちと、年齢不詳の母親が大歓迎してくれる。あっという間に牧野をさらわれてしまった。ムッとしながらあきらのもとにいくと、苦笑しながら、座るように言われた。

「一応、俺のための集まりだと思うんだけど」
そんなのわかってるけど、牧野とられちゃったんだもん!

早めに来たのは、彼女たちに会うためだったらしい。楽しそうに話している。あとは、誰が来るのか、たぶん、牧野の後輩?サル?それと総二郎?
「ああ、桜子も滋も来るってさ。総二郎は少し遅れるって言ってた。っていうか、名前ぐらい覚えててるだろうが」

別にいいじゃん。通じてるし。
「・・・そういう問題じゃないと思うんだけどな」

あきらとの話しは、仕事のことになり、最近の情勢について情報交換をしていると、続々といつもの面々が集まってきた。牧野の後輩もサルも早速つくしのところへ行って、嬉々としておしゃべりを始めている。

「…一応、俺のための集まりだと思うんだけど」
と苦笑しているあきら。
「俺はちゃんとお前のために来たぜ」と総二郎登場、ともう一人。誰だっけ?

「おいおい、優紀ちゃんだろ。ほら牧野が団子屋のバイトで一緒だった子」
そうだっけ、なんか見たことあるかも。

***

宴もたけなわ、アルコールの時間。しっかりつくしの横を確保し、ご機嫌になった類。久しぶりに会った女性陣はつくしを取られてご不満な様子。
「ずるいよ〜類くん、つくしをとっちゃうなんて」
「そうですわよ、久しぶりなんですから、おしゃべりさせてくださいな」

「……一応、俺のための集まりだと思うんだけど」
あきらの声はみなに届かず。

「で、二人は付き合ってるわけ?」
と、しれっと爆弾発言をしたのは、総二郎。

「「「「えっ?」」」」
誰よりも大きな声で驚いたのは牧野。
「そ、そ、そんな、付き合ってるって…」

「休みの日は一緒にいて」
「どこでもべったりくっついてて」
「手をつないで歩いてて」
「「「それって付き合ってるってことじゃない?」」」

「そんなの、言われたことないし…」
「何を?」
「付き合ってって…」
小さなつぶやきをひろったみなは頭を振っている。
どうやらつくしの考えでは、お付き合いというのはどちらかが告白することによりはじまる、のだということらしい。

「ってことは、俺が付き合ってって言えばいいわけね。」と類。
あ、地雷踏んだ、と思ったのが数名。
「ま〜きの♡、俺たち付き合おう?」
「あのな、もうちょっと、どうにかならねえ?」
「そういうのは、二人だけの時にしていただかないと」
「・・・そういうもんなの?」

それまで黙ってたつくし。
ぶるぶると拳を振るわせている

「類なんて、大っ嫌い!!!」

牧野はそう言って、走っていった。
俺は呆然とそれを見送っていた…。

***
類にはわからなかった。
なんで?なんで?付き合おうって申し込んだのに、なんで嫌いって言われたの?

「花沢さん!」
と大声を出した牧野の親友。優紀ちゃんだったっけ。
きょとんとしたまま見返した類に、「本当に、つくしのことを好きなんですか?」と聞いてくる。

そんなの当たり前じゃない。なんで聞くの?
「それ、つくしにちゃんと伝えてますか?」
・・・え?
「言われないと、わからないものなんですよ。」
・・・一緒にずっといるのに?
「友達でも一緒にいます!」

あ。

「それに、そんな言い方、まるで言われたから付き合おう、って言ってるみたいに聞こえます!つくしがかわいそうです!」

あ・・・。

「で、おっかけねえの?」

あ!

急いで追いかけた類と、野次馬たち。そこで見たものは、くるくる頭のもう一人の親友。どうやらなんとか時間が取れたようで、遅れてきたらしい。こちらをちらっと見ると、牧野をリムジンに乗せ、走り去ってしまった。

「・・・俺のための集まりじゃなかったっけ」
***
類のスマホが着信を知らせた。牧野からかと慌てて見てみたら、“司”の文字。
「司!牧野かえして!」
「牧野は預かった。返してほしかったら、うちまで来い」と司。
そして、通話は切れ、電源を切ってしまったのか、通じない。

お泊まり予定だったので車がないし、アルコールを飲んだあと。美作家の車にみんな乗り込んで、道明寺邸に向かった。
駆け込んだ部屋の中、みんなが見たものは、べろんべろんに酔っ払ったつくしだった。

「ちょっと、なんでこんなに飲ませたんですか!」と桜子。
「つくし〜〜、滋ちゃんも一緒に飲むよ〜〜」と滋。
「すっげえな、どれだけ飲んだんだ?」と総二郎。

苦い顔をした司が、「俺が飲ませたんじゃねぇよ」と言っている。
いきなり牧野が飲ませろ、といって、車に乗ってきたので、うちに連れてきたら、片っ端からグラスを空け始めたのだという。
「いったい何があったんだよ!?」

あきらが司に説明している間に、類はつくしのそばにより、手をにぎろうとするが、振り払われてしまった。ショックを受けている類の代わりに優紀が横に座って、話を聞き始めた。

「つくし、花沢さんが嫌いなの?」
「だってね・・・。類は何も言ってくれないんだよ?」
反論しようと口を開けた類をギロっとにらんで黙らせた優紀は、さらに質問を続ける。
「さっき付き合おうかって言ってたじゃない」
「みんなに言われたからでしょ?・・・もういいよ。」

道明寺を待ってたけど、だめだったでしょ。それはもう過去だから仕方がない。でも、未来は?類はなにも言わないし、期待するのも辛くなってきたから、もうやめる。もう会わない。
そう言って、コトンとつくしは寝てしまった。閉じたまぶたには涙がにじんでいる。

皆の視線が類に集中する中、類はつくしの涙を指でふいて、やさしく髪の毛を撫で、抱き上げた。

「行くのか?」と総二郎。
「ん。起きたらきちんと話すよ」

「類!」
司の声に振り返ると、
「・・・牧野を頼む」と司。
その苦さの混じった声に、しっかりとうなずき返し、類はつくしを連れて去った。

司の肩を叩いたあきらは、「飲もう」とグラスを差し出し、残りの面々は二人に思いをはせながら、痛飲したのだった。

二日酔いで大声を出せなかったつくしを抱きしめて、山のような愛の言葉をささやき、類がなんとか付き合う許可をつくしから得たのは、翌朝のことだった。

FIN



***

ロキさまより、「お中元です〜〜」と頂いちゃいました
ありがとうございます
尚、ロキ様へ直接コメントは、、と言う方は、こちらへどうぞ
責任を持ってお届けしますね

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尚、ロキ様のブログはこちらからです
                                          
イメージ 4 つくしver.(15日15時公開)


23日司ver. 25日あきらver.  27日総二郎ver. 29日類ver. 全て19時公開です
(空色さんのパスをお持ちでない方は、ロキさんのブログで読む事が出来ますよ)


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  • さとぴ〜様

    こんにちは

    類君が、つくしちゃんから『大嫌い』と言われる事は無いと思います
    だから、凄くレアなお話ですよね

    コメントは、ロキ様にきちんと届けますね
    ありがとうございまいました

    りおりお

    2017/7/17(月) 午後 5:14

    返信する
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    さとぴ〜さま

    ロキです。いつもありがとうございます。
    そうなんです。類くんが「大嫌い」と言われるシーンがどうしても浮かばず、苦労しました。
    どんな類くんでもつくしちゃんは許してくれるような気がしますね。
    こちらの「大嫌い」は、あきらめと悲しみの大嫌い。
    心の声は、変わらず「大好き」だと思います。

    コメントありがとうございました。

    ロキ

    りおりお

    2017/7/17(月) 午後 9:58

    返信する

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