詩を書いています

完成した詩

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全1ページ

[1]

 
 
 
 
 
       行方のないものをあつめている
 
 
 
       腕を、伸ばしたところ、
 
       こごんでいる熱、
 
       爪のくぼみ、
 
       持ち重りのして水の
 
 
       爪は手紙となって
 
       ひとつずつひらく
 
       浮かべては剥がれる
 
       ぼたんのように手繰ると
 
       いろいろに映り
 
       からだじゅうのほくろへ
 
       いろいろに
 
       (それは
 
       大きい雨だろうか)
 
 
       あるものの曲線は
 
       こんなに確かで
 
 
       (風呂に浸かったというに
 
       なんというつめたさか)
 
 
       しかくい隅で
 
       限りなく追うのだが
 
       爪の先のあとはもう
 
       砂となってあらわれていく
 
       白くなった紙とおなじに
 
       にじんでは吸いあげられる
 
 
       わたしがあつめるそのそばから
 
       蒸気の壁へ生きるように消える
 
       たくさんの雨のひもがけをされてここへ
 
       おいていかれてわたしの肌色のしわの
 
       だんだん、青くなる
 
 
       砂地へ立つ
 
       しゃがんであつめる
 
       風は水からふいてくる
 
       じかんはかたちをつくり
 
       髪の長さで、そのじかんをはかる
 
 
       白と、
 
       垂直に染まるもの、
 
       せんさいに固く破れた
 
       えんじと水の静か、な、
 
 
       階段を下りる
 
       タオルで乾かして
 
       坂を下る
 
 
       あついのみもの
 
       つばき油の匂いの
 
       経っている
 
       いっぱいの胸の遠くからおしえる
 
       呼吸のように雨はすぐ
 
       そばへいるが
 
       わたしは
 
       透明になってしまったろうそくのなかへ
 
       いるように
 
       なんとはなしに
 
       動かないで
 
 
       湖岸と湖岸で
 
       わたしはあったろう
 
       それぞれがえりをたてて
 
       たてるこぶしのなかへ
 
       あつめたものをおさめていて
 
 
       おかれた雨はひもをとき
 
       たくさん降ってつよい
 
       白い、光り、道をつくり、その、
 
       雨の道の気配をたどって
 
       歩いていく
 
 
 
 
                                        2011年10月12日
 
 
 
 
 
 
  「とりおとした破片の一部」
 
 
 
 
       とりおとした破片の一部
 
       ひろいあげても
 
       もとあった場所は分からなかった
 
       透明なからだへ
 
       魚の歯を研いだのをいくつも
 
       磨いて
 
       つめたような
 
       つかいおわりの石鹸ほどの
 
       かたんと音をたてて
 
       テーブルへ置く
 
       細く少しふっくらと
 
       まるみ
 
       どちらも向かわない
 
       まるいけれど
 
       どちらへも
 
       ころがっていかない
 
       しっとりテーブルへ
 
       吸いついている
 
       ボウルへ水を汲み
 
       耳のなかを洗う
 
       破片を見ながら
 
       虫刺されのあとも少しだるく
 
       耳を洗い終える
 
       白いタオルを
 
       膝へおさえながら
 
       するとボウルの水は溢れて
 
       窓を開けると
 
       水溜りへ続いていく
 
       へびみたいに細い
 
       川ができる
 
       大きな流れでしょう、と、
 
       川面は言い、
 
       川はわたしで立ち止まり、
 
       膝下の素足に
 
       水泡がまつわる
 
       風呂場からシャワーを引っぱって
 
       弱い水でわたしを川へ流すが
 
       川水にまじらない丸い粒になって
 
       沈みかける
 
       クリーム色のシャワーの先は
 
       見えないけれど
 
       つながっているところを思うと
 
       歩きすぎたような気分になった
 
       色の多い川は
 
       かたまらないで
 
       おもたく流れている
 
       わたしのあたまは葡萄とおなじで
 
       皮を剥いて滴って
 
       川面へ浮かべたらさっそうと
 
       流れていくはず
 
       しかしもうあたまは外れなくて
 
       爪の先から滑って飛んで
 
       葡萄だけ
 
       しずかに、
 
       しずかに浮かんでいる
 
 
 
 
 
                                        18./12./2010.
 
 
 

白昼

 
 
 
    「白昼」
 
 
 
 
       あなたは私に話しましたか
 
 
       音を読むように、「は」を読む
 
       はと、わの隙間をあける
 
       バスで話している
 
       知らないところへバスに乗る
 
       そう、響き、
 
       席へつく
 
       硝子に吐く息が両の手の甲に
 
       つきあたって見えるものを
 
       濃く多くしていた
 
       あなたは私に、
 
       話しかけて手がとまる
 
       知らない、傷がついている
 
       吐く息に硝子に手の甲に
 
       白い
 
       ものが、
 
       小さく、欠けた米の粒のような
 
 
 
       布で髪を巻く
 
       髪はいくらか短くなる
 
       シャッターをきる
 
       音が閉じられて
 
       まばたきが終わる
 
       外見が変わるのを
 
       まぶたの下へ呼び覚ましてみて
 
       どうしても小さい骨を一本
 
       余分に鎖骨へ持っているようなことに
 
       なってしまう
 
 
       昼中にバスは走る
 
       座席の下でくつ下を脱ぐ
 
       裸足になると
 
       指の下はちりちりとあたたかい
 
       叶えているまでは夢も
 
       大きな音へ溶かされる
 
       膝の、上辺り
 
       軽いところで奏で
 
       四季へ飾りをつける
 
       少し多めで骨が
 
       くぼみ
 
       役に立つのかうずいて
 
       いくつも花を活けて
 
       生きていた
 
       膝から暗がり
 
       深夜の
 
       音に話をする
 
       あなたは、
 
       そんなことやいろんなことの
 
       もやのようになった白昼
 
       どうして自分が話ができると思ったのか
 
 
 
       片方しか見ない
 
       バスの硝子の川の流れる
 
       バスは行ってしまって
 
       白いものは覆わんばかりだ
 
 
 
 
 
 
                                             14.10.2010.
 
 
 
 

 
 
 
    「青」
 
 
 
       膝で、膝へ触れる
 
       その眠りにわたしもまぜて
 
       青く暗い骨へ
 
       腹ばいになって近づく
 
       首を傾げると
 
       小さな水の溜りに顔が
 
       浸されて頬に目に水の膜を張る
 
       見つめると水の面に暗い
 
       薄い雲が渦巻き
 
       切れぎれに明かりがともる
 
       髪の先が顎に張り付き
 
       払うと雲間に眠りが見えた
 
       潜ると
 
       眠りのそばへ浮いて
 
       横たわり
 
       眠りの胸ポケットから包みを出して
 
       からからと開けると
 
       口に含んだ
 
       青く暗い闇の時間
 
       少し小さい青いまるい
 
       溶かした飴のまだ幼く
 
       口にある
 
       口の中は
 
       月ほど明るい
 
       と思うとそのなかへ
 
       手の甲が見えた
 
       手は
 
       湖面の月くらいの大きさで
 
       揺れている
 
       揺れている、のは、
 
       水が跳ねているのだった
 
       小魚が飛んだようにわずかに
 
       でも魚は飛んでいず
 
       水だけが跳ねる
 
       少し染みのある手の甲は
 
       雲を真上から見るように
 
       さっぱりと明るい
 
       月に手に映る
 
       湖の向こう
 
       水と
 
       濁った水の匂い
 
       手の書く文字から
 
       小さな明かりが漏れる
 
       飴は舐め終わり
 
       跳ねた水の尾は
 
       手に飛びついて乾いて
 
       まるい白い小さい玉になった
 
       見届けると手は
 
       それを摘み
 
       摘んでは並べ
 
       湖は白く埋まる
 
       白い玉は
 
       溢れるほどになって落ちる
 
       下の小さい水の溜りで
 
       わたしと眠りは並んで横たわり
 
       わたしは眠りの胸ポケットを開けてやり
 
       わたしは口を開いて
 
       青い明るい飴を含んだ
 
       そしてまた
 
       飴を舐めるくらいの時間
 
       眠りは目を覚ます
 
       わたしは
 
       もう少し眠る
 
 
                                   25.08.2010
 
 

全1ページ

[1]


[PR]お得情報

話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事